霧の中に落ちる月の滴 23

おはようございます。

類君サイドで切なくまとめようとしてたのに司君登場で♪

こうなるとあとは想像できますよね?

これぞ花男なんだなぁ~。

 *

「お前も、類に抱き付いてんじゃねぇよ!」

「抱き付いたって、わざとじゃないでしょう!」

俺の腕の中から怒りをエネルギーに牧野は身体を反転させて俺と向きあう。

「ごめん」

小さくつぶやく声はしっかり赤く色づいてドキリとした空気を牧野と類の間に見せていた。

しっかり類を意識してたじゃねぇか。

戸惑いと恥じらいを入り混じらせた照れくさそうでそれでいてうれしそうな感じ。

俺の前じゃ見せたことねぇよな。

「大体な、類のとこに行く時は俺も一緒に行くって言ったろうが、それを無視しやがって」

こいつが類を気になる気持ちは俺もわかる。

俺だって類の回復の様子が気になるの牧野と一緒。

牧野を類が守ってくれたのはこいつ以上に感謝してる。

記憶をなくしたのは余計だけどな。

「道明寺の予定に合わせていたら、いつ来れるかわからないじゃない」

ギラギラと対抗してくる強気の瞳は瞬きも忘れたように俺を見上げる。

「あのな、俺は現にいまここにいるじゃねぇか。

お前がここについた時間とそう変わらないはずだ」

「私は道明寺がもうすぐ行くって言葉を信じて朝から5時間はまたされてるんだからね」

「その文句は西田に言え」

こいつの強気なとこは相変わらずで、それにムカつく俺も相変わらず。

素直に謝れば許すものを反抗を見せるから許せなくなる。

俺は悪くねぇぞ。

彼氏の前でそのダチといちゃつくお前のほうが分が悪い。

「見舞いに来て、喧嘩しないでくれる?」

さっきから楽しそうに笑みを漏らす類。

和らぐその表情は記憶をなくす前の類そのもの。

それでも、記憶の戻らない類の心の奥に閉じこめたものが何なのか、今なら見える気がする。

牧野と俺を見つめるその表情の先・・・

俺たちには見せない類の閉じ込めた牧野の想い。

消えてないってわかるんだ。

そして、今の俺はそれに気が付かないふりをして、いつもの俺たちを演じてる。

牧野はどうなのかわからないけどなッ。

なんもわかってねぇように俺を非難する目つき。

わかっていたら俺が来るのを待ってるはずだ。

一人で類のそばに行くんじゃねぇよ。

「類、お前も元気そうだから、こいつは連れて帰る。

無理すんなよ」

まだ何か言いたそうに俺を睨みつける牧野の腕をとって出口に身体を向けた。

「司」

「あ?」

けだるそうに首だけ類に向ける。

「言っておくけど、牧野のこと、何かあった時は遠慮しないからね」

笑みを浮かべながら瞳は笑っていない類。

その瞳は真剣で熱い。

いつもはクールで無口な分、類の言葉は重い。

「そのセリフ、以前もお前に言われた」

牧野と別れを切りだした俺。

それでもこいつは最強で、忘れられないくて、牧野がいなきゃ俺は幸せになんてなれないと思い知ったあの頃。

類が牧野を俺にゆずって、あきらめてくれた瞬間。

あの時の類の言葉。

今聞いても俺たちを応援してるって意味に聞こえてくる。

「俺が二度とこいつを泣かせるようなことはねぇよ」

自信たっぷりで答えた俺の横でクイッと腕を下に引っ張ったの牧野。

「泣かせないより、イラッとさせないでくれる?」

なんだ?

口角は不満げにチッと上に上がる。

「イラッさせされてるのはいつも俺のほうだ」

「我慢させられるのは私なんだから」

これって・・・

牧野も思いだしたように二人で顔を見合わせたまま唇の動きが止まる。

デジャブ・・・・

事故が起こる前の俺たちの会話と重なった。

そして・・・

同時に首を回して類を見た。

この後、喧嘩別れした牧野。

牧野は類と会って、二人で車に乗りこんで事故に合った。

「どうかした?」

そんな表情で類が俺たちを見つめていた。

拍手コメント返礼

りり 様

類君の記憶戻ってきてるような気も知内ではないでが・・・(;^ω^)

どう取り戻させるかまだ固まっていないんですよね。

スリーシスターズ 様

このやり取りがつくしを素直にさせなっいって司も気が付けばいいのですけどね。

つくしちゃん浮気はしないから~

曲からつくる物語。

いただいたリクエストはあと少し残ってるのです。

嵐の曲が多くて~

短編で書く二は重宝してるんですよね。

また書き始めようかな。

拍手コメ調子悪かったんですね。

拍手コメの場合投稿に制限はかけられないので何もしてないんんですよね。

記事のコメント欄は細かく禁止ワード設定してるんすけどね。

それが拍手コメにも影響してるのかしら?

規約あるのかな?

FC2はそこまで厳格じゃないんですよね。

アメーバーブログならわかるんですけどね。