戯れの恋は愛に揺れる 26
おはようございます。
明日からは3連休の方も多いと思います。(私は仕事なんだなぁ・・・( ;∀;)
台風もやってきそうな日本にやってくる進路予報が出てるので荒れそうですね。
被害が小さいといいのですが・・・。
さてこちらのお話も嵐が来るのか来ないのかぁ~
どっちだ♪
「それはそうだろう」
「呼びだしがあるのは遅すぎたくらいじゃないのか?」
「ここはしっかり皇子が姫を守ると思うよ」
それはすべて司に責任があるというように、司と顔を見合わせながら3人は遠慮ない言葉を直ぐ様、口にする。
「ふつう、誰にもばれないように忍んで愛に行くのならわかるんだけどな・・・」
「女官に手引きを頼んで、周りにばれないように行くよな・・・」
「嫁入り前の姫に噂がたったら皇后も無視できないだろうし・・・」
じわじわと攻めてくる悪友に司もバツの悪さを感じられずにはいられない。
「あのな、俺と姫は婚儀は決まってるんだ。
忍ぶ必要なんてない」
グイとつくしを自分のものだというように司は後ろから腕を回す。
それはとられてたまるかという必死さ。
そんな司を見て苦笑気味に3人は笑みを漏らした。
「離・・・して・・・」
あまりの司の腕の締め付けにつくしは息も次げずに顔を真っ赤にしてる。
「すっ・・・すまん」
ぐたりとなったつくしにようやく気が付いた司は慌てて腕の力を緩めた。
「大丈夫か?」
「死ぬかと思った・・・」
ごほごほと急き込みながらつくしは首筋を幾度となくさする仕草を見せる。
「やはり・・・
いけなかったですよね。
もう少し自重してもらえばよかったんですけど・・・」
3人の責める視線とつくしの困惑気味の視線がすべて司に注がれる。
「心配するな、お前は行かなくていい。
俺が行って話を聞いてくる」
「おい、司、お前が行ったら問題がややこしくなるんじゃないのか?」
すくっと立ちあがった司を誰もが止めるように動く。
「皇后様が私を呼んでるのに私が行かないわけにはいきません」
司につられるように立ちあがったつくしは凛とした表情で司を見上げる。
お前、さっきまで悩んでいて動揺してたはずだよな?
俺に助けを求めてきたんじゃないのか?
自分に反抗するような態度を見せるつくしに司のムッとした感情が顔に出た。
「俺の許可なしにお前を呼びつけるのは、母親でも父親でも遠慮してもらう」
司の傲慢な声につくしも顔色を変える。
「私は皇子の許可がなければ何もできないってこと?」
横暴すぎるとつくしは憤慨する。
それでなくてもしきたりの多い宮廷や女官に傅かれ身の周りすべての世話をされるのは窮屈で仕方がない。
これなら次の日の食べ物に困る山奥の屋敷での生活のほうが幸せだった懐かしくさえ思う。
司と会える時間だけがこの窮屈な宮廷でつくしが過ごせる理由となっている。
「とにかく、お前はここで待ってろ」
「待たない・・・」
つくしの前を素通りする司の耳に聞こえたつくしの声。
良く聞こえなかったという表情で司は足を止め視線だけをジロリとつくしに移した。
「今・・・俺の言葉を拒んだのか?」
「だったら、なに?」
司の冷たく冷ややかな視線につくしの強気な視線が絡む。
「お前のような単純なやつが会いに行って対抗できるような母じゃねぇよ。
食われるぞ」
「食われないかもしれないじゃない。
よく皇子との結婚を決心してくれたと感謝されるかもしれないわよ」
それはないと一番感じるのは言葉を口にしたつくし本人だ。
初めて会った時の皇后を自分のことを東宮妃として大丈夫かと値踏みされてると全身で感じ取っていた。
それは治安維持が役割の検非違使のような鋭さ。
生まれて初めて感じる緊張感に胃の奥からキュンとした痛みまで感じてしまっていた。
今、皇后の前に出たら全身が震えるかもしれないと本気でつくしは思っている。
司の言う通りここで待っているほうがどれだけ楽かわからない。
それでも将来母と呼ぶべき人から逃げたくないという思いも強くつくしの心の中にはある。
「あの、母上がお前に感謝するのか?」
つくしの言葉に司の頬が緩む。
それは可笑しいさを本気で楽しんでるような柔らかい笑みを司が漏らす。
「それじゃ、俺が一緒に行ってやるから、あの母上に感謝してもらえ」
ククッと機嫌よく司が笑みをこぼす。
突然機嫌が直った皇子を、つくしはきょとんとした表情でわけがわからないと見つめていた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
呼びだしの理由気になりますよね。
楓さんの最初の発言!
そしてその横には古株の女房、もちろんたまさん♪
その場面を考えただけでただいまにんまりしてしまいます。
司皇子に様子をうかがう余裕があるかしら?
問題はそこだったりして・・・(;^ω^)
yumi 様
皇后に感謝されて一番驚くのは司皇子かもしれませんね。
拍子抜けした二人も見たい気がします。
でもやっぱりかっこよく姫を皇子に助けてもらいたいなぁと思っています。