DNA CUSTOM 1
我が家の道明寺家長男坊のお話。 3部作最終章の始まりです。
DNAつながりの題名に迷いました。
CUSTOM:自分の考えで改造していくという意味ですが道明寺DNAをどう変化させて駿君が大人になっていくのでしょうか。
そこに菜花ちゃんとの恋愛も絡んでくるわけです。
高校の終わりから大学の駿君、はたまた就職までいくかも。
どんな変化を駿君が見せてくれるかをお楽しみに。
道明寺の屋敷を出てマンションでの一人暮らしも3年目の春を迎えた。人生初のバイトも体験。
初めてもらったバイト代は今も部屋のデスクの引きだしに大事にしまいこんだまま。
銀行のATMでお金を下ろしたことも初体験。
表示され指示通りに指先を動かす。
暗証番号は実は母さんの誕生日1228。
そろそろ彼女の誕生日に変えようかと思案中。
父さんは銀行のATMからお金を引きだしたことあるのかな?
ATMに並ぶ道明寺HD代表・・・。
・・・。
ん~んっ・・・。
悪いけど想像できないや。
自分ではやるつもりもなかったモデルに映画への出演。
道明寺財閥の息子ってところはなんとか今もばれずにいる。
目立ちたくなかったのに目立つのは父さんに言わせれば「俺のDNAが強すぎるからだ」なんだそうだ。
父さんゆずりのカールした前髪を指で触って引っ張ってみた。
髪の毛をストレートにしてもこの血のつながりだけは隠せそうもない。
「大学・・・」
ため息交じりにつぶやく蒼の手の中で担任から渡されたばかりの模試の結果表がクシャリと握りしめられた。
「いいの?」
クシャクシャにしていいのか?
そんな意味を込めて蒼の手を見つめる。
「駿は、決めたのか?」
「まだ・・・」
大学を選ぶに選べない理由はそのまま日本に残るか留学するかの迷い。
選びきれない理由はわかってる。
教室の隅で数人の女子と話しこんでる女の子。
その子と別れたくないって単純な理由。
「駿が選べない理由と俺の選べない理由が違いすぎる。
お前の半分でいい頭脳を分けてくれっ」
蒼が悩んでる理由は自分のレベルに合う大学が見つからないっという理由。
僕に言わせれば勉強しろよ。
蒼に言わせれば自分なりに勉強してるそうだ。
教科書に参考書、塾の問題のすべてが目に飛び込んでき途端催眠術にかけられたように眠気が襲って来るらしい。
英徳なら入学金の上乗せで誰でも大学行けるぞ。
英徳高校に入学してたら僕はなんの迷いもなく両親が卒業したあの大学に進学してたのかな?
英徳にいたら鮎川 菜花にも出会えずに、道明寺の名前に引き寄せられるだけの女子にうんざりして恋も知らずに大人になった気がする。
人を寄せ付けない冷たさを感じた横顔。
熱い情熱とやさしさを秘めた強い瞳に見つめられた時、僕は君に恋したんだと思う。
嫉妬なんてないって態度の君が実はすごく僕のことを気にしてるのは知っている。
素直じゃないのも織り込み済み。
ちらりとわずかに視線が重なった瞬間に見せる微笑み。
自分でも気づかないほどに僕は君を見てるって思う。
合図を送るように右手を上に動かす。
「なに?」
小さく動く唇。
「見てるだけ」
唇を動かして作る文字。
僕らのそんなやり取りに気が付いたように菜花のわき腹をツンツンと突く同級生。
はにかんだ菜花は僕から視線を外して同級生の相手をしてる。
「充実した学生生活うらやましいぞ!」
くるりと窓の外に向きを変えた蒼が身を乗り出しながら叫ぶ。
僕をうらやましいと睨みつけながら・・・
「おいっ、危ないぞ!」
2階の窓から落っこちそうな蒼のベルトを握りしめる。
「大丈夫だって」
そういいながら蒼は両腕で窓の縁をつかむ。
上半身だけをひねった蒼の唇が僕の頬に触れた。
「ぎゃっ」
叫んだのは蒼。
グラッとぐらついた身体はバランスを崩して窓の外に飛びだした。
「きゃー」という悲鳴を聞きながら僕らの目の前に花壇が見えた気がした。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
お待たせしました。
いよいよ解禁!
実は題名が決まらずに公開できなかったの~
>舞ちゃんは佑くんの手と大内先輩の手を間違えるという、司譲りの失敗しちゃったけど、駿くんここで菜花ちゃんのことだけ忘れちゃうなんて記憶喪失にならないでくださいね!
もしかしたらこの長男坊も!!
なんて思った方の似たようなコメントいただきました。
入れ替わりとかもあり?
蒼君と駿君いれ変わったらどうなるのかな?
いやいや、つかつくで使ったネタですからね。
やりません!!
行間がなくなったのはスマホアプリで更新しちゃった影響の様です。
もとに戻すついでに少し文章追加しちゃいました。
見直すとどうしても書き直しちゃうんですよね。(;^ω^)
行間あった方読みやすいんですよね。
お知らせありがとうございました。
スリーシスターズ様
コメへのお返事ありがとうございます。
さすがですね。
追加分正解です!
そこまで記憶してもらえると作者冥利に尽きますね。
連載完結分も実はいろいろと訂正してる部分がるんですよ。
以前は完結するとブログからFC2小説のほうにもUpしてました。
その作業は数話分で終わったんですけど。
その理由は移動させてるときに手直ししたくなって時間がかかるから!でした。
またやり始めようかな・・・(;^ω^)
FC小説はこちらです。
駿君どんなCUSTOMを見せてくれるかお楽しみに♪
りり様
末っ子のお話はもう少し先になるかな?