戯れの恋は愛に揺れる 27
原作ならここ何らかの企みがあるのですよね。
今回はどうなる?
ちょっと面白く考えたんですが、もし楓さんがあきらママタイプだったら?
想像して一人で笑っていたことは今回は封印。
ものわかりのいい司ママだと面白くないんですよね。(;^ω^)
「母上に会いに来た」
後宮御所最奥の宮。
中庭を流れる人工的に作られた川にかかる石橋の途中で忙しく皇子の前に進みでた女官が深々と頭をさげる。
その視線はちらりと一度つくし姫に向けられて何ものか察知して戸惑いの色を浮かべた。
「ただいま、椿様が見えられてますが?」
「かまわぬ」
凛とした表情を浮かべながら答えた司はすぐ後ろに控えていたつくしを視線で促しながら颯爽と足を進める。
皇子の前を遮るように頭を下げていた女官は思わず身体を横に飛ばして二人を見送った。
女官が取りつぐ間もないまま宮の中へと足を進める。
司について歩いてきたつくしは後宮の広さと艶やかさに驚きを隠せずに見入ってしまい司に数歩遅れてる自分に気が付いて、
慌てて司の背中を追った。
つくしが付いてこない気配に気が付いたように振り返って立ち止まる司。
どうした?と気遣いを見せながら自分を熱く見つめる司の瞳につくしは自分の頬が熱くなるのを感じる。
「俺が母に会うだけでも手順がいる。
突然俺のもとに前触れもなく飛び込んでくるのも特別だと思え」
皇子に合わなければ!
そんな動揺で何も考えずにつくしが司のもとを訪れたのが不作法だったのだと皇子は自分を責めてるのだと思うと恥ずかしさでつくしは司を見ることができずにできずに視線をそらした。
「冗談だ」
すっかりつくしと向きあった態勢に変わった司の指先がそっと頬に触れてつくしの顔を上に向けさせるように動く。
「母上が何を言われても俺はお前を守る」
一瞬時間が止まったような錯覚。
なんの音も色も感じずに互いの姿に魅了されるような時間。
すがすがしく、艶やかな色合いの甘い空気が二人を包みこんでいく。
「そんな表情されると、もっと触れたくなる」
熱くなりかけた感情を断ち切るようにつくしの頬に触れていた司の指先はその頬から離れた。
ここで抱きしめでもしたらそれこそどんな叱咤を母から受けるかもしれない。
それはつくしの評価を貶めることになりかねないと司は自分の感情を押しとどめた。
以前の自分なら何も考えずに思い通りにしていたに違いない。
我慢など今まで必要なく、誰にも咎めることができない皇子の地位。
それが自分以上に大事な守るべきものができたと司は高揚する自分を感じている。
皇后の部屋へ通じる扉。
司の訪問を告げようとした女官の口を司が手を上げた押しとどめた。
「何が不満なのですか?
司は変わりました。皇子としての東宮としての自覚にも目覚めたのは姫のおかげです」
椿の言葉の様子から姉が母を説得てるとわかる。
つくしを東宮妃として向かえることになんらかの不満が母にはあるのだろう。
部屋から漏れてくる会話のないようにつくしも不安そうに司を見つめた。
「反対するのなら、一生世継ぎは生まれることはないと思っていてください」
突風のごとく動いた司は扉を破る勢いで部屋の中に飛び込んだ。
「なにごとですか」
不作法に飛び込んできた司に表情を変えず冷ややかに皇太后は叱咤の表情を浮かべて司を見た。
突然開けた視線の先。
御簾の上げられた一段高い場所で皇太后の視線は司からつくしに移る。
その視線に気が付いて慌ててつくしは膝を床について頭を下げた。
「今日は、来訪者が多いことだ。
取り次のものは何をしていた」
床を這うように固い声が廊下の先まで響く。
つくしたちの後ろで控えていた女官たちが這いつくばるように頭を下げる。
女官たちの指先の震えが肩まで伝わってるのがつくしにもわかる。
「この者たちの罪ではありません。
その・・・
これは私が無理やりに!」
すべての責任は自分にあるとつくしは罪をすべて受ける覚悟を決めて声を上げた。
「私は其方だけを呼んだのです。皇子と一緒にと伝えたつもりはありません」
女官を庇おうとするつくしの思いは直ぐ様、皇后の強い声で否定されてように響く。
「俺が、勝手についてきただけだ。
姫を責めるのはやめてもらう。
母上が姫に無理難題をふっかけてきても姫を娶るのをあきらめるつもりはない」
「それほど、姫が大事なら、自分の行動を見つめなおすのですね」
皇子がつくしの部屋に入りびたり執務室にもつくしの部屋から通ってるのは、すでに後宮内で噂になってる。
そのことを皇后は司に釘をさしたのだ。
睨み合う視線は一歩も引かないと激しく火花を散らしていた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
ラッキーセブン惜しい!!
次もぜひ狙ってください~
結構難しいですよね?
>優しい楓皇后様は想像できないしそれはそれで怖いけど、
私も同意見です。
後宮もいろいろあって難しそうですからね。
最近韓国の時代劇にはまってるので策略うずまくお話に流されそうな自分がいます。
そうなると終わらなくなる~。
りり 様
どの時代もどんな設定も楓さんは楓さんになってしまいます。
違う楓さんは想像できないけど見たい気はあるんですよね。
yumi 様
どんな障害があろうと乗り越えて二人の絆は強くなるんですよね。
それが見たくて二次を書き続けてる気がします。