ANSWER 49
二組のカップルが入違ってご対面(^^♪
どうなる?
ここは薫子ちゃんの天然ぶりを爆発させたいような気もします。
「ついてこないで」
「別に、行く方向が一緒ってだけだから」
さっきから私たちは一定の距離を保ったままで歩道を歩く。
あるくスピードをホンの少し落としたのは時々怪我した脚のテンポが止まるように聞こえたから。
振り向くと澄ました顔がクスッと小さく笑みをこぼす。
痛みはないというよ強がり。
私が見ると足の幅が広くなり私たちの距離を詰める。
だからまた私は足を速めて歩きだす。
これで何度目?
もうっ!気になるから横に行っちゃおうか?
いやいや、ここはこのまま無視。
無視しなきゃ。
頭の中で何度せめぎ合う思いは私をイラつかせてる。
この状況にいたたまれない。
足を怪我してなきゃ、さっさと私を追い越して先輩は帰っちゃうよね?
追い越さないんじゃなく追い越せないから私の後ろをずっと歩いてる。
背中に感じる視線。
あの事故のことを思いだしちゃう。
動けない私を守って励ましてくれたあの事故のことは・・・
今でも鮮明で・・・
先輩がいたから安心できたってこともあるから・・・
先輩は冷たくなんてなくてやさしい人だって見なおした瞬間。
私を助けてくれたヒーローに感謝する気持ちや好きって気持ちがあったってそれは不思議なことじゃない。
好き・・・
って!
私!今好きって思った?
先輩を?
それは、ない!
私が好きなのは佑だよ。
どうして佑と大内先輩を間違えちゃったかな。
「おい、邪魔」
いきなり耳元で聞こえた声。
「えっ?」
声の方向にすぐさま顔を向ける。
腰を折って耳元まで顔を近づけてきてていた大内先輩。
大きくふりかかえった左の頬までわずか数ミリの距離で先輩の唇に触れそうになった。
「立ち止まって、なにぶつぶつ言っていた?]
触れいないられてもいない左頬を左手で抑える。
「当たってないだろう」
少し不満げな表情が先輩の唇を尖らせる。
「息が触れたし、生暖かくてびっくりしたから」
「顔は真っ赤だぞ」
見た目はアイドルになれる整っているその顔が鼻先まで近づく。
「イタッ」
ピンと指先で弾かれた鼻先。
「勘違いするぞ」
微笑んだ口元をくっきりと結んだ口元。
まっすぐに私に注ぎこまれる視線。
動けなくなくなった。
「舞」
その声は私の意識を動かすために押されたスイッチのよう。
「佑・・・」
視線の先に佑がいた。
佑の斜め後ろに見えたのは本城さん。
その本城さんが佑の袖口をギュッと握ってるのがわかる。
「あっ・・・」
二人の姿が周りの景色の中に強調的に浮かび上がってくる。
何がいいたいのかわからなくなって唇が動かなくなった。