ジェラシーを情熱に変えて 3

おはようございます。

ようやく寒さが増してきましたね。

もう半袖は片づけて大丈夫かな?

3話からいよいよ時間が巻き戻ります。

つくしちゃんの嫉妬の原因はどこだ~

ということで、つくしちゃんに覆いかぶさったところで司君お預け状態に突入!← ここで久々のドS倶楽部が行動開始?

お☆様は最終話までご勘弁を~

 *

「いらしゃいませ~」

どどっとお店の中に入りこんできたダークスーツ集団におかみさんも優紀も私も言葉が止まる。

そして二人の視線はダークスーツ集団から私に注がれた。

お迎えよ

声に出ない二人の考えが私の頭の中に飛び込んきた。

私も浮かんだ強制的な強奪。

道明寺の放った刺客。

高校の時からバイト継続中の「千石屋」

唯一ここだけは道明寺の邪魔は入らない。

私と道明寺の関係を十分に把握してるから突然にダークスーツの男たちが現れても慌てるそぶりもない「千石屋」主人のおかみさんとバイト仲間それも私の親友の松岡優紀。

この二人も慣れたもの。

慣れていいの?

そう思っている私が一番慣らされちゃってる。

気分はほとんど身体を横に担がれてベルトコンベヤーに載せられて迎えの高級車に入れられる気分。

そんなわけはないが逃げださないようにしっかりと前後に左右と無言で囲まれてしまってる。

「お迎えにあがりました。どうぞ」

強面の顔にそう言われてガクッと肩を落として腰に巻いていたエプロンを優紀に「行ってくる」と渡した。

どうせなら気心が知れて私をむやみに緊張させない千葉さんとか相葉さんを迎えに来させてほしいよ。

首都高速に乗っかった高級車。

なんとなく長距離を移動しそうな予感。

今更どこに連れていかれようが驚きはしない。

中華料理を食べるだけで上海まで連れていかれたこともあるもん。

それより今日のバイト代がなくなったことが私には重要。

来週一週間はもやしで過ごそう・・・

その分思いきり食べてやる。

いつの間にか眠ってしまった私は「着きました」との声で目を覚ます。

車のドアを開くドアマン。

足を地上に下したのはお昼前。

輸送時間は二時間ってところか?

道明寺系列のホテル。

ずらりと横に並ぶ従業員が一斉に頭を下げる。

この出迎えはいらない気がする。

道明寺がいないときはやめてほしい。

萎縮気味に背中を丸め速足でその前を通り過ぎた。

その私の前に立ち止まるる淡いピンクのスーツの女性が3人。

「お待ちしておりました」

促されるままに連れていかれたのはビューティーサロン。

ここで全身磨けってことか・・・

たまに来るこの時間もいまだに慣れない。

素肌をさらして、なにやらいっぱい塗りこめられて揉まれる。

確かにマッサージは眠気が切るほど気持ちいい。

そして道明寺の選んだドレスと化粧で出来上がるいつもとは違う私。

もう!

今回はどんなパーティーなのよッ。

事前情報なし。

情報があってもなくてもそんなに変わらない気もする。

「これなら、道明寺様も満足されるとおもいます」

鏡の前に立つ私を自分の力量に満足するようににこやかに立つ女性。

「素敵ですよ」

「肌が赤ちゃんみたいに白くてきめが細かくてこのドレスを引きたてますよね」

「ありがとうございます」

なんとなく・・・

私じゃなくドレスをほめられてる気がする。

一方的に私をほめ倒してくるのは私と年がそんなに変わらなそうな女性従業員。

私が話す隙もないくらいに弾丸のごとくほめちぎる。

ちょっと疲れるタイプ。

よくもまあ、平凡な私をほめられるよ。

それは木っ端ずかしくなるような・・・

ハリウッドスターでもここまでほめられないっ思う。

道明寺の婚約者とともなるとこのくらいほめないとダメってこと?

困惑気味の私を察知したように上司の女性も苦笑い気味の表情を見せる。

「今日は一日、この桃井がお世話させていただきます」

あっ・・・

ちょっと疲れるタイプの女性はここぞとばかりに満面の笑みで会釈をわたしに向けた。

「桃井あずさといいます」

ちょっと鼻にかけた声で首を傾げる表情。

可愛く見せる仕草。

社会人になってもやってる人いるんだ・・・

「精一杯、お世話させていただきます」

胸元で両手を握りしめて腰をくねらせる。

えーと・・・

それって私にも可愛く見せたいってことなのかな?

代えてほしい・・・

そう言いだせないまま私はホテルの一室で道明寺の到着を待った。

 

拍手コメント返礼

りり 様

迷惑の中心はこの女って感じですよね。