ジェラシーを情熱に変えて 11

10話のお話はもっとF4の会話を深く書きたかったのですが中途半端に終わって更新してしまいました。

短いと感じちゃった自分もいます。

ここからつくしちゃんサイドの話でどう嫉妬させるかがカギ!

違うよね。

ここでカギを握るのは桃井さんですからね。

この後司にもっとけちょんけちょんにされるまで暴走させましょう。

桃井さん無事かしら?

 *

輝くサークルの輪の中にいつもいるのは私だと思っていた。

そうなんだ・・・

いつもF4が周りにいる私はこんな感じで見られてたんだ。

その中心で感じていた暖かな空気。

いつも私が笑っていられたのはこの人たちがいたから・・・

渋い表情を浮かべる道明寺横で場の空気を乱さないように調整する美作さん。

道明寺をからかう素振りを見せなながら、実はちゃんとツボを抑えてる西門さん。

冷めた感じに見える花沢類は文章の濁点みたいな存在なのだろうか。

調和のとれた波長はすべて道明寺の為って思える。

不機嫌な道明寺にクスッとした笑みを返す西門さん。

しぶしぶな表情で自分の意を引っ込めてる道明寺。

話の内容はわからないけど・・・・

疎外感と寂しさと虚しさ・・・

すべてが胸の奥で渦巻いて乱れてる。

私がいるから道明寺は笑っていられる。

それは私の独りよがり。

道明寺を幸せにできるの私だけ。

そんな思いは妄想。

私たち二人の間には花沢類も、西門総二郎も、美作あきらもなくてはならない存在なんだよね。

今そんな4人を離れた場所で眺めてる。

「どうした」

「牧野?」

「大丈夫か?」

「こっちこい」

4人の声がその中に私を溶け込ませる。

今は全く私に気が付いてない。

誰かが手を差し伸べてくれなきゃその輪のなかに入れない。

この4人は特別で・・・

輝いていて・・・

艶美で・・・

簡単に近づけない存在で・・・

遠くでその姿をみてため息をついて見惚れる存在で・・・

スクリーンの中だけに息づく美意識、名画。

私なんて道明寺のそばにいていいのかな?

そう思えば思うほど・・・

道明寺のそばにいるのは私じゃなきゃヤダって思っちゃう。

道明寺が私に向ける執着心。

他の女性は寄せ付けない拒絶感を見せてくれるから安心してた。

わかっているのに・・・

簡単に桃井さんに触れさせる道明寺がいつもと違うから・・・

心がざわつく。

「私を信じてないの!」

ちょっと知り合いの男子と話してる私に不機嫌になる道明寺に不機嫌な態度をとる私。

そんな道明寺が嫌なはずなの・・・

今の私は最低だよね。

それでも心のコントロールはうまくいかないってことに気が付いて・・・

冷静でいられないよ。

うつ向き加減でF4のそばを駈け出した桃井さん。

ぶつかりそうになった私に気が付いてクイと上がる顔。

「戻られたんですね」

戸惑いを感じたその表情は私だと気が付いた瞬間に強きな笑みを浮かべた気がした。

「ええ・・・まあ・・・」

時が止まって凍り付いたような時間が数秒。

そんな感覚が私たち二人の間には流れていたって思う。

「あの、ネックレス、大切なものなんですよね?

それ、捨てちゃっていいのかな?」

ふっと考えるような素振りを見せながら私の心を揺さぶるように上がる口角。

私の首から土星のペンダントを外した道明寺が上着の内ポケットに入れたことが思い出される。

その上着は・・・

捨てろって道明寺が桃井さんに渡してた・・・

嘘っ・・・。