Happy Valentine(boys編 2)

翼とくれば次は佑君。

いや・・・舞ちゃんサイドで・・・

でも佑君が気になるの~

どっちで行くかは続きをぷちっと押して楽しんでくださいね。

PWのご連絡。

すいません~

PW申請メールため込んでました。

確認して返信いたしましたがもしかしたら返信忘れあるかもしれません。

今日の申請の分まで終了してますので、返事がない方がいらっしゃいましたらお手数ですが再度申請をお願いします。

 *

「気が付かなかったのかな・・・?」

吹き抜ける突風は部屋の入り口に立つ舞の顔を左から右に向けさせた。

翼に舞は見えてなかったって思う。

この部屋からは見えない音楽室にいるはずの槇の姿だけをと捉えてた。

「あっ、佑。

すずからもらったチョコまだ開けてないの?」

「これ?」

またがった体勢から座りなおして舞を真正面から見つめる。

他の子からもらったチョコを食べてないって、責められるっていい気分じゃないんだけど・・・

「それより、まだ舞からもらってないけど?」

槇からもらった箱を見せつけるように舞の目の前で左右に振る。

カラカラと小さく動くチョコの音。

「折角のチョコが割れちゃうじゃないの」

俺の指先から取り上げられたその箱をしっかり握ってる舞の指先。

「食べてもいいんだ」

「チョコに罪はないから、それにすずからのチョコには友チョコ意外の意味はないしね。

ほかの子からだったら許さないけど」

「どうして?」

「だって・・・」

息を吸い込む感じに次の言葉を飲み込んで黙りこむ舞。

「だって?」

舞の声を聞きたくて舞の言った言葉にそのまま疑問符をつけて繰り返す。

意地悪だなって自分でも思う。

それでもほかの子からチョコをもらわないでって拗ねる舞が見たいんだ。

「私の食べたらほかの子のなんてまずくて食べれないんだから」

背中に隠していたちらりと見えたリボン。

グイと胸元に押し付けてきた赤い包み紙。

今すぐ食べてと願うように俺を見つめる舞。

自分の見たかった舞とは違うけどそれはそれでうれしくなる。

舞は気が付いてるのだろうか?

槇からもらったチョコは舞のに取り上げらてしまったこと。

食べるどころか所有権は取り上げられた瞬間に舞に移ってしまってる。

舞のバレンタインのチョコを食べる選択だけが今の俺には残ってないってこと。

親友でも・・・

友チョコでも・・・

無意識に舞の感情が嫌だって言ってるんだよ。

「なに、笑ってるの?

早く開けてよ」

椅子に半身を寄せるように舞が目の前に迫る。

思わずのけぞりそうになって椅子からずり落ちそうになった。

「食べるから」

近づき過ぎッ

心臓がさっきから落ち着きなく胸を持ちあげる。

どうしようもなく触れたくなる気持ちをさっきからどれだけ誤魔化してるのか、気づきもしない無邪気さ。

追い打ちをかけるように近づいてくるから始末に悪い。

リボンを解いて包み紙を開く手の震えには気づかないでほしい。

緩やかに椅子から離れた空気の流れにホッと息が漏れる。

「どう?」

覗き込んできた舞の頬を撫でるように落ちる髪を舞が無造作に掻き上げる。

チョコの匂いを打ち消す舞の甘い香り。

「時間をかけて作ったんだから」

クッキーにチョコで描かれた似顔絵。

俺?

「誰だかわかる?」

「翼・・・」

一瞬言葉を失ったような舞の唇が継ぐむ間。

「この似顔絵が自分じゃないって言われたら落ち込むけど」

指先で大事につまみ上げたクッキーを舞との間に持ちあげて眺める。

クッキーが隠した舞の表情は不機嫌に口を尖らしてるかもな。

「もう、本当にわからないかと思った」

クシャッとなった表情は首筋をかすめて、耳元で聞こえる舞の声。

クッキーを落としそうになった。

えっ。

おいッ。

心の準備が・・・

いつも突発的過ぎるんだよ。

落ち着きかけた心臓がまた騒ぎだした。