最上階の恋人 6

おはようございます。

桜の開花も聞かれる今日この頃、私のところではいつもより開花が遅れてる感じです。

昨日は類君の誕生日。

自分の誕生日も気にしてないような類君ですが、つくしからお祝いされたら喜ぶんだろうな。

そんなお話を書きたかったのですが・・・

忙しさに追われて連載分を執筆するのが精いっぱいな春休み期間。

朝早くこそっと起きてPCの前に座っています。

まだ誰も起きてこない金曜日の朝・・・(;^ω^)

5時から書き始めているのよ~。

司君、総ちゃんからの連絡でどうなってるでしょう?

想像できちゃいますよね。

それでは続きをぽちっと押してお楽しみくださいませ~♪

 *

デスクの上に無造作に置いたスマホ

気にしないようにしてるつもりなのに、なぜか視線に行ってきやがる。

早く仕事を終わらせようと集中したいのにその集中が途切れる瞬間。

あいつはまだ、会社にきてねぇよな?

来たら連絡があるはずで・・・

迷わねぇように。

すぐに最上階に来れるようにSPの一人をあいつの迎えに向わせてもいる。

俺様をまたまた待たせるつもりか。

あいつはほんと、時間通りに現れたためしがねぇからな。

ぶるっと振動がスマホからデスクに流れる。

待っていたとばかりに出るのはシャクだ。

10回はコールを数えて腕を伸ばす。

「あっ、司?」

司って総二郎か?

確か午前中にも連絡をとったはずで、今日は総二郎に用はねぇし・・・

「なんだ?」

うざい感情がそのまま声になる。

総二郎と話してる暇があればその分、仕事を進めたい。

西田に押しつけられた仕事の容量は牧野に会うまでの時間に終わりそうもねぇ量。

これ以上邪魔すんじゃねぇよ。

「会社には今着いたところ。

ちょうど牧野と一緒になってさ、

司に会う時間を明日に変更してほしいって連絡を、俺が知ったのさっきだったから。

もう向かってる途中だったんだよな。

牧野に会えるのに俺に会わないってことはないよな」

「切るぞ」

言いかけた声をとぎらせるには十分な内容は一方的につづられる。

総二郎!

てめぇとの約束は明日に変更したのに、なに会社にノコノコ来てるんだッ!

『牧野に会えるのに俺に会わないってことはないよな』

総二郎の最後の言葉があいつの行動の理由なのだろう。

牧野に会うこと最優にするのは当たり前だろうがッ!

「総二郎ッ わざとだろうッ!

牧野と俺との時間を邪魔すればどうなるわかってんだろうな。

そこ動くなっ」

怒鳴り声とともに睨みつけたスマホ

返事のしなくなったスマホを感情のままに壁に投げつけた。

大きく音をたてて床に転がったスマホ

その音に西田が敏感に反応して姿を現す。

その後ろには緊張感を漂わせる千葉の顔も見える。

「何でもねぇよ」

床に転がったスマホを何食わぬ顔で拾い上げた西田に不愛想な声が出る。

「壊れてますが?」

電源の入らないことを確かめて真っ黒な画面を俺に確認させるように西田が向ける。

「代わりをすぐに用意しとけ」

そのまま西田の前を通り過ぎるように足を動かす。

「どちらへ?」

「仕事なんてしてられねぇから。

そこをうまく調整するのが、秘書の仕事だよな」

やりたくもねぇが西田に向けて初めてやった。

壁ドン。

見つめるというよりは凄みを付けて睨みつけて、見下ろす。

西田じゃなきゃきっと壁ずり落ちて座りこんでるだろけどな。

目の前のおっさんは全く顔色を変えねぇ。

「承知しました」

俺の腕の下からするりと抜けて、その横に居場所を映した西田の何事もなったような声。

デスクの上の散乱具合はまだ終わっていない仕事。

そんなデスクを見ることもなく西田は頭を軽く下げる。

仕事の終了部分は全く気にしてない態度。

終わってねぇのは把握済みって感じ。

これでも20分で3分の1は終わらせたんだからなっ。

感謝しろよ。

「俺を探すな」

「それでは、つくし様をお探しいたします」

ムカつく西田の声が背を向けて歩きだした俺の後ろで聞こえた。

総二郎より、西田のほうがムカつくぞッ!