復活LOVE 11

もしもシリーズいかがでしたでしょうか?

相葉夫妻のように一度別れて復活LOVEするもしもシリーズも書けそうな気もしますが、まずはこのお話を進めます。

2nd LOVE SP相葉の恋模様 【青の時間】3     ゆか様作

~little summer~

🎵

君の為なら少しくらいの無茶さえ

頼ってほしいと思えるから

ここは天国じゃなく 夏の夕暮れ

何度も微笑みがこぼれてく

君がいれば それだけで

🎵

「…子ども?」

わ、私のここに??

そういえば、不規則だったから気にしてなかったけど…。

そっと、お腹に手をあてる。

…真と私の…。

病院のベッドに腰掛けて、真が紅く染まった顔のまま、言う。

「まだ、確実じゃないけど可能性的な話な…1度見てもらうほうがいいって。

まぁ…実際に出来ていたら…」

現実問題、厳しい。

真は来年春から新社会人で、警察学校の寮に入る話もある。

まだまだ結婚して生活なんて…無理だろうし。

私も大学がまだある。

いろんな気持ちが一気に来て、パタパタと涙が溢れて、私の手に落ちた。

「…無理…決まってる…よね」

自分で言った台詞に、自分で傷ついてる。

バカみたい。

真は、黙って下を向いたままだった。

翌日

真と特に会話しないまま、一緒に産婦人科を受診した。

1人で行くつもりだったのに…な

「おめでとうございます。

もう直ぐ3カ月入るわよ」

女医さんはにっこりと笑顔で、産まれるのは3月の終わりね、と告げた。

おめでとうございます…か。

…結婚してからの妊娠なら、きっと嬉しい気持ちが大きいんだろうな…

3月下旬…

私たちはどうなってるかな…

病院を出た後、カフェに入る気も無く、公園の木陰のベンチに2人して座り込んだ。

まだ、暑さが残る季節だけど、木陰での風が心地良かった。

「…大丈夫か?」

真がミルクティーのペットボトルをくれた。

「…うん、ありがと」

冷たいペットボトルを手に我に返った気分。

…きっと、私の形相が余程だったのだろう。

でも…

…ホントにいるんだ…。

今の状況を考えると、大変な事はわかってるのに、ふっと顔がほころぶ。

…これが母性ってやつなのかな?

学生の身でありながら、ありえないんだろうけど、もう、私の中で2人で生きることが必須だった…から…

「…あのね…真、…」

今の私に出来ること

…伝えなきゃ、いけないこと。

彼には彼の人生がある。

「…俺さ、昨日一晩すっげー考えた」

「…え…?」

「蘭、お前はどうしたい?」

俺1人の意見だけを突き通す訳には行かないからって…

それ…ズルいよ…

「…今は…わからない。

…けど、真の負担になりたくない…から」

「…俺の負担?」

「…うん。

これから春には新しい生活があるでしょ…わ、私もまだ…学生だし…」

「…そっか」

…真は…どう考えたのかな…

この子をどうするか?

産んでからどうするか?

…答えが出てこない…

解決策なんか出てこない…よ…

長い沈黙が続き

真が深いため息をついた。

…そして

「じゃあ、家族になろうよ

テレビから流れる歌みたいに、真が、さらりと言った。

…え…?

…いま…なん…て?

思わず、真の顔を見た。

真は私の左手を握りしめ、ちらっと私の顔を見て、俺の話を聞いて。と、ゆっくり話し始めた。

「…正直な話…俺も今は不安のほうがデカイ。

あまりに急展開過ぎて…な。

春からの新しい生活や、俺の仕事のこと。

そこに子どもの父親としてのこと。

俺自身まだまだガキだし、学生の身でありながらこの状態。

おまけに、お前と結婚して子ども産まれるなら、稼ぎもまだないし、どうやってお前たちを養うのか?と蘭のご両親に言われたら返す言葉もない」

…だよね…

「でも…俺は」

「…でも…?」

「いくら考えたって、俺の未来はお前との未来でしか描けなかった。

…きっと、蘭がいない未来は…俺の中ではありえないんだろうな」

と、真は笑っていった。

だから、俺のこと気遣って、俺の前からいなくなるだけはやめてくれよって。

「…真」

「…ただ、もし産むなら、俺は男だし、あと半年足らずで卒業だからいいけど…

蘭、お前にはまだまだ大学生活がある。出産するなら休学も必要だろう。

子どもが産まれたら、尚更好奇心から中傷する奴もいるかもしれない」

大学…

「…でも、苦労を承知で俺と一緒にいてほしい」

私の手を握る、真の手が僅かに震えていたことに気づいた。

…ずるい…

「…お前の苦労は、俺が背負うから」

ずるい…よ

私の顔を見て、真が優しい声で

「俺は…蘭と一緒にいたいんだ。

決めたんだ。

…この先お前を離すつもりはないし。

もちろん、お腹の子どもも。

…だから、家族になろう…」

私の決心なんか…

こっぱ微塵じゃない…

「…返事は?」

キュッて、繋いだ真の手に力が入る。

…涙で…

「…ずるい…よ…

わ、私…ホントは…」

「嫌とは言わせないからな」

…いい…の?

…私、

一緒にいて…

いいの?…

3人でいて…いい?

「…私も…真がいい…」

涙が…止まらない…

「…うん」

真は本当に嬉しそうに言って、抱きしめてくれた。

真、大学4年

私、大学2年

の気配を感じながら、暑い夏が過ぎようとしていた。

「牧野、座って」

私の腕を掴んだのは花沢類。

私の手首を掴んだ花沢類は落ち着いた微笑みを浮かべてる。

すいこまれそうな澄んだ瞳。

きらきらと輝くビー玉の瞳は初めて会った時と何ら変わってない。

「でも・・・」

落ち着いて。

そんな花沢類の声が聞こえた気がした。

「君はこのデーターを2時間でまとめてくれるかな」

蘭さんに仕事を振る花沢類は上司の態度を見せる。

速やかにこの部屋から何事もなかったように蘭さんは出ていった。

わざと私から蘭さんを離した気がする。

「司から聞いてる」

蘭さんが閉じたドアを見つめていた私に花沢類の声が聞こえた。

「まさか、司のSPと関係があったとは思わなかったけど。

相葉って苗字もよくある苗字だしね」

「道明寺は蘭さんが花沢類の秘書だって知っていたってこと?」

「司も知ったのは最近らしいよ」

何事もなかったように花沢類は私に試食のスィーツを進めてくる。

「お前に不愉快さを持つってことは相葉蘭はまだ相葉に未練があるってことじゃねぇの」

隣の別室のドアから出てきたのは道明寺。

「来てたの!」

驚きすぎてそれ以上の声が続かない。

「類から情報を得ようと先に来てたんだ」

悪いかって開きなった表情を見せる道明寺。

「もしかして、さっきの花沢類の態度も演技?」

「牧野、俺に演技ができると思う?」

花沢類の声に道明寺はジロリと目じりをつりげた。

「こいつの口元についたクリーム舐めることなんて頼んでねぇからな」

「牧野が食べてるとおいしそうに見えるんだよね」

蘭さんの嫉妬より道明寺の嫉妬のほうが遥かに炎が大きく見える。

花沢類も道明寺を煽らないでほしい。

「これで、牧野は俺と相葉真の二人のどちらが本命なのかって彼女は思ったはずだよね」

それって最悪じゃない。

相葉さんと付き合ってるって思われて時点でもアウトなのに私は大嫌いな二股する女に思われたってことだよ。

私を好きなはずの道明寺と花沢類がそんなことを思いつく時点で腹が立つんですけど。

「あとは相葉蘭がどう行動するかってことだ。

相葉に忠告する行動に出れば二人は当然会うことになる。

そうなればまだ相葉に脈があるってことだし、後はあいつ次第だろ?」

相葉さんだけのためじゃなく諒君がいるからってことは道明寺は考えないのだろうか?

私なら二股かけるような女を自分の子供の継母にしたくないって思う。

「相葉さんのところに行っても復縁を考えてる理由にはならないって思うけど」

「先に進めるかどうかは後はあいつらしだいだろ。

俺たちが気をもんでもどうにもならねぇし。

口を出す必要も手を貸す必要もないと思うぞ」

すでに花沢類のところに来てる時点で道明寺も首を突っ込んでると思う。

言葉と行動が違うの気が付いてないの?

「司、もう一つのパターン忘れたないか?」

「んっ?」

道明寺が振り返るのを待って花沢類が言葉をつづける。

「相葉蘭が元夫じゃなく牧野に詰め寄る設定が抜けてると思う」

花沢類の言うことも一理あるよ。

蘭さんが私のところに来たら、その時は、私は道明寺と結婚していて、相葉さんとも花沢類ともなんにもないことを告げればいい。

そのあとは・・・

相葉さんの出番!

相葉さんが蘭さんに未練があるのは千葉さんからも聞いちゃってるから間違いない。

どちらにしても相葉さんが頑張るしかない。

とにかく第一関門がどちらに動くかだよね。

蘭さんが相葉さんにいくのか・・・

私に来るのか・・・

どうせならしばらく道明寺のそばを離れずにくっついたままでいようかしら?

そのほうが説明が簡単で済みそう。

「どうした?」

私に気見つめられてるのに気が付いた道明寺が私を見下ろす。

「何でもない・・・」

このまましばらく一緒にいよう。

言ったらどうなるかわかってるもの。

本当に四六時中一緒にいる羽目になるのは困る。

気が抜けないし落ち着かない。

「おい、俺とお前の関係をわからせるためにしばらく俺のそばから離れるな。いいなっ!」

グイと肩に回された腕が私を捉える。

もしかして・・・

道明寺っ!

それを狙ってたんじゃ・・・ないよね?

そんな道明寺の邪な考えが浮かんだ。

拍手コメント返礼

歩くみかん箱 様

類は素でいってますよね。

司が隣にいようとつくしちゃんとの時間をちゃっかり楽しんでる感じ♪

>へっすご〜い!!?坊ちゃんの策略だったのか〜〜!

相葉君とのことよりつくしとの時間を楽しく持つことを策略してたりしてね。

このままつくしが司のそばにいたら蘭ちゃん近づけないだろうな・・・(;^ω^)

スリーシスターズ 様

相葉君のことだけにしても速攻で動く司。

自分が幸せだと周りもうまくいくように応援してしまう心理が働くとかありでしょうか?

うんうん、他の理由疑っちゃいますよね。

>青の時代もよかったです。 学生時代の相葉さんは、ちょっと司くんみたいですね。 強引だけどものすごく優しくて、蘭さんだけを愛してる。 こちらも次があるといいです。

ゆか様♪コメントいただきましたよ♪

アーティーチョーク 様

元をただせば誤解の根源ははっきりしてるんですよね。

勘違いされちゃった責任はつくしでもんね。

そこに類がいつものように牧野と呼んじゃってますからね。

相葉さんとの関係ふたを開ければどってことないはずなんだけどなぁ。