HAPPY LIFE 20

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「よく飲んでんなッ」

俺の帰ったのも気がつかずにつくしはソファーに座って駿に授乳中。

「あっ、お帰り」

駿から視線を外さずに背中越しの声。

駿が生まれたばかりの頃は「見ないで」って隣の部屋に移動してたものだ。

今は俺が覗き込んでもテンデ恥ずかしがらねぇ。

今、俺は肩越しに見てんだけど。

つくしのおっぱい咥えたままの駿と目があった。

僕んだってみたいな目で見るなつーの。

吸いついてない方の胸も小さな手をおいて、今ギュって掴んだぞ。

チビ助のくせに俺に対抗的すんじゃねぇよ。

早くハイハイ卒業してからにしろっての。

駿のほっぺをツンツンと人差し指で突っつく。

咥えてんの早く放せよなッ。

「そろそろ母乳も卒業させないといけないんだけどね」

ようやくつくしが顔を上げて俺にほほ笑む。

「いいよなぁ」

思わず口から出た言葉。

「えっ?」

「駿がうらやましいなんて思ってないよね?」

悪戯っぽい顔でつくしがクッと笑う。

「ばーか、思わねぇよ」

俺んだからなとは軽く駿を睨んだけどな。

「見惚れてた」

「いきなりなに?」

駿に授乳してるお前・・・。

なんつーか・・・。

これ以上にない優しい顔して、ほほ笑んで、俺にはそんな顔させられねぇーもんな。

俺にはさせられねぇ穏やか過ぎる顔。

見ている俺もうれしくなる。

子供を産んで綺麗になったって照れくさくていえねぇけど、ニ度惚ぼれだ。

授乳が終わった駿をつくしから抱き取る。

「少し重くなったか?」

「順調に体重は増えてるけどね」

あたり前だろ!

一番いいもん食ってるし、俺らの遺伝子受け継いでるこいつが貧弱なわけねぇ。

駿を抱き上げた両手を頭の上にまで伸ばしてあやす。

「キャッキャ」と上がる声。

「あっ!まだゲップをさせてないよ」

慌てた様に駿を抱き取ろうとつくしが腕を伸ばす。

「あぁ?」

バシャ!

駿を俺の顔の高さまで下ろした瞬間に鼻にかかるミルクの匂い。

「プッ」

やられた・・・。

吐いた不機嫌さなんて全くなくてケロッとしてる駿の表情。

さっき俺が睨んだ仕返しじゃねぇよな。

「もう」

けらけら笑いながらタオルで俺の顔を拭くつくし。

「いいよ、拭いたくらいじゃ臭いがとれねぇ」

「駿!一緒に風呂に入るか?」

喜ぶように手足をバタつかせる駿。

駿を抱いたまんま浴室へと向かう。

「ミルク飲んだばかりだよ」

「吐いたからいいだろう。それにこいつもミルクくせーし」

「駿からミルクの匂いするの当たり前じゃない」

ダメだと言うわりには俺の後ろから素直につくしがついてくる。

「たまには3人でってどうだ?」

握ったつくしの腕を胸元に引き寄せた。

カンタンに引き寄せられるきゃしゃな体。

右腕につくしで左腕には駿。

楽に支えられるぞ。

「ばーか」

小さく動いた口元がクスッと照れくさそうに笑った。

拍手コメント返礼

hanadayori様

拍手1番ありがとうございます。

どうぞキリ番も狙ってみてください。

頻繁に設定してますので♪

キリ番お知らせのカードが表示されることを願っております。

また明日もよろしくお願いします。

しずか様

授乳の後にゲップをさせるってもう作業の一旦ですよね。

私も顔にかけられたことはないですが・・・(^_^;)

うちの娘は飲むのが上手でだったのか、ゲップもそこまで出なかった記憶があります。

もうちょっとしたらご懐妊♪になるのかな?

つくしチャンの職場復帰が遠くなる。

hanairo様

ありがとうございます。

このお話はまだまだ続きそうです。

いろんな要望が多くて♪

第二子懐妊に出産に子供が幼稚園、小学校に家族旅行♪いったいどこまで続く?