ドッカン !! 42

おはようございます♪

新年を迎え2日目、いかがお過ごしでしょうか?

新年のあいさつを主役二人が忘れていた事に気が付いた私(^_^;)

慌てながら別館の方で一応新年のあいさつをさせてます。

我が家のつかつくは相変らずであいさつになってないんですけどね。

今年もにぎやかに始動開始したいと思います♪

「代表・・・」

数分後携帯の発信元の報告を受けて絶句。

「なんだ所長だったんだ・・・」

俺の横でホッとしたため息を甲斐が洩らした。

右手には俺が壊した携帯の代わりの真新しい携帯を握ってる。

「これは壊さないでくださいよ」

両腕で抱え込まなくてもとらねェよ。

お袋の学生時代の同期でつくしの上司。

高校の頃の俺の悪行もすべて知ってんだよなあのおばさん。

俺をこわがらない数少ない人物の一人で苦手な分類に入るからまずい。

どうせなら素直に実家に帰れよ。

「甲斐、所長の家は知ってるか?」

「知りません。それよりここで帰っちゃだめですか」

遠慮がちに甲斐がつぶやく。

つくし一人でも厄介なのに俺の苦手な小姑タイプが二人だぞ。

甲斐でも少しは役に立つ気がする。

逃がすか!

発信元の住所に車が到着。

路肩沿って止まった車の前には似たような黒塗りの高級車が止まってる。

開いた後部席のドアから路上に一歩踏み出し腰を上げる途中で腰が中途半端に止まった。

何でここにいんだよ!

コツコツとスキのない靴音が目の前1メートルで止まった。

「意外と、早かったのね」

「こんなとこでなにやってんだよ」

「岬に会いに来ただけなんだけど・・・」

言葉を濁しながら首を斜め上に動かしてマンションの窓をおふくろがちらりと見上げてる。

俺がなんでここにいるかは承知してるって言ってる態度。

フッと優雅な笑みを浮かべて俺をじっと見つめる視線。

昔みたいに威圧的に冷たく命令的に強く出られた方が反抗しやすい。

柔らかくて楽しげな表情のお袋に俺が不機嫌な表情を浮かべても拗ねてるだけの態度にしか見えない気がした。

「このままじゃ、部屋にも入れてもらえないかもね」

「一晩ほっとけばつくしさんの気持ちも落ち着くんじゃないの?」

「つくしに会ってたのか?」

「驚いていましたけどね」

所長の家でばったりおふくろに会ったらつくしもそりゃ驚いただろう。

意外におふくろに会ってまずいって心の変化が起きて、俺のもとに帰ろうとか思ったとかあるんじゃないか?

「過度な期待はしないことね」

まだ俺は何も言ってねェぞ。

「つくしさんには味方をすると言ってきましたから」

そう言ったおふくろは取り出した携帯のボタンを押す。

「あっ、岬、マンションの入り口で司に会ってるのよ」

何度かうなずいたおふくろは携帯を切って俺に向き直る。

「せいぜい、頑張んなさい」

応援というよりけしかけられてるような気がする。

ピンと伸びた背筋のままに車に乗り込んだお袋。

無言のままに見送った俺。

おふくろの奴、甲斐まで連れて行きやがった!

ぽつんと一人残された俺を街頭の明かりが照らす。

「なんでここまで、来るのよ」

後ろからか突然聞こえてきた甲高い声。

「お前が家出するからだろうがぁ」

「お袋まで巻き込むんじゃねェよ」

「そそそれは、私も予想外だったんだから」

怒った声が焦った感情を見せる。

俺の方が焦ってんだよ。

ゆっくりと振り向いた俺の目の前で強気な瞳が見つめてる。

「なっ、なによ!」

一歩足を踏み出した俺から一歩後ずさりのつくし。

数度繰り返して玄関の階段に踵がぶつかってつくしの膝がガクッとなった。

危なっかしいやつ。

延ばした指先でバランスの崩したつくしの腕を掴む。

「こんなとこで尻もちつくなよな」

「ついてないし」

気の強い態度のままにほんのりと色づく頬。

クッと強く結んだ唇のプックリとしたふくらみ。

誘ってんじゃねェぞ。

唇を重ねたくなる。

「おふくろが俺に頑張れってさ」

「なに、応援されてんのよ」

「まだ、怒ってんのか?」

「怒ってるの決まってるでしょ」

息が肌に触れあう距離でつくしの温もりを感じてる。

「お前の膨れた顔も好きなんだよな」

頬を軽くつまんで指先に感じる弾力。

離れて会わないでぐずぐず思ってるより側で言いあってる方が俺たちらしいって思わねェか?

「司法修習の間は我慢してやるからそれ以外は俺から離れんじゃねよ」

胸元に感じるつくしの息遣い。

感じるままに抱き寄せた。

「グッ」

カエルが押しつつぶされたような声。

色気のねェ声。

「ちょっ!ここ歩道!」

わずかなすきまから逃す様につくしの声が聞こえる。

「お前の顔はほかの奴には見せねェよ」

だから煽るような表情を作るな。

俺たちの横を通り過ぎるまばらな人影。

気にするように眼球を動かしていたつくしの瞼が顔を俺の胸にうずめたままガシッと閉じたのが分かる。

「顔が上げられない」

消え入りそうに零れた声がどうしようもなく俺の心の中をくすぐる。

しばらくこのままでいよう。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

プンちゃんのママ 様

あけましておめでとうございます。

ご心配おかけしましたが、無理のきかない年になったと痛感。

子供に手がかからなくなると気も緩みますね。

今年もどうぞよろしくお願いします。