真夏の一夜
久々に家族編行きます!
ちびっ子ジュニア久々だな~
もしかしたら今年初かもしれない・・・(;^ω^)
「お外、真っ暗だね」
台風直撃の夜。
絨毯の上に座り込んでるつくしの周りにじゃれついたままの舞と駿。
時折強く風に打ち付けられて揺れる窓ガラスの音にびくりと身体を震えさせながらつくしにしがみつく子供たち。
俺の膝も空いてるぞ?
翼はその横でミニカーを左右に動かして遊んでる。
窓を打つ雨音を強く打ち付ける強風のお殿もこの次男には関係ないらしい。
「この家はびくともしねぇよ」
核爆弾にも耐えられるシェルターも完備してっからな。
ポンと頭を撫でた俺を駿がじっと見つめる。
「しっかり準備してると思っても、その予想をはるかに超えるのが自然だよ」
ませた表情で俺を見つめる六歳の真剣な瞳。
その口調は俺に説教する時のつくしそっくり。
「何があっても俺がお前たちを守るんだよ。
心配するな」
朝になった台風も通り過ぎて夏の青空が広がるはずだ。
翼と駿と足して2で割ったくらいの性格がちょうどいい気がする。
翼は自分が危険なところにいても気が付かないような無鉄砲さがあると俺は思ってる。
これはこれで頼もしいかもしれねぇけど。
つくしが泣くぞ。
「翼は、怖くないのか?」
「んっ?」
膝の上に抱き上げた次男坊は俺の質問の意味が理解できてない表情を見せる。
「コアくないよ」
コアじゃねぇだろう。
こ・わ・い・だ。
言葉のいい間違いなんて気にしてない次男坊。
俺の右腕を道路に見立てて「ブーン」と言いながらミニカーのタイヤを滑らせる。
台風の怖さなんて微塵も感じてない無邪気な笑顔を俺に向ける。
「せっかくの休みなのに・・・」
久々の俺との休日を台無しにされて不満が顔に出てる。
「道明寺なら、嵐も逃げると思ってたんだけどな」
本気か冗談かわかんねぇ表情が俺を睨む。
「今度から、ジェット飛ばして外国に避難してしてやるよ」
結構マジに答える。
「そこまでは必要ないから」
焦った表情はしっかり俺のマジ度を掴んでる。
「いや、絶対日本から離れる」
「ごめん・・・言い過ぎたから・・・」
「俺は本気だ」
伸ばした腕は焦りまくるつくしを抱き寄せる。
つくしにしがみついてるままに舞も駿もぐいと引き寄せられて、大きな部屋とは対照的にかなり密集度は高い。
「べつに、ここから離れる必要はねぇよな」
冗談だと言いながらニンマリと笑う俺にムッとした感情がつくしの口元に浮かぶ。
こんな夏の夜も悪くない。
ぐいとと力を入れる互いの腕。
俺から離れようとする胸を押す華奢な腕に、そうはさせねぇと抱き寄せる俺。
素早くチュッと軽く重ねる唇。
うろたえるつくしが気にする視線は底辺を気にするように揺れる。
チビたちは気が付いてねぇよ。
ククッと自然と俺の口元がほころんだ。