第3話 木漏れ日の下で(完)

木漏れ日の下で 9

* -From 1 - 「もう帰る」 「まだいいじゃん」 ソファーから立ちあがった私の腕を西門さんが掴んだ。 ここにいても落ち着かない。 悪いのは道明寺なんだからと心の中で呪文の様に繰り返していた。 この3人プラスαーの1人。 悪ふざけ過ぎだぁぁぁぁぁぁ。 ど…

木漏れ日の下で 8

* -From 1 - 私たちは居場所を変えた。 逃げるためでなくこれから先に進むために・・・。 なんてサスペンス調で言葉がよぎる。 大衆のにぎやかな居酒屋から落ち着いた雰囲気のしゃれたお店。 誰にも会わないように通されたVIPルーム。 「すげ~」 と横で…

木漏れ日の下で 7

* -From 1 - 「その判例、そんなにすごいの?」 公平に言われなければ気がつかないままに睨むように目の前の書類を見つめてた。 判例は文書偽造の詐欺事件。 悩むほどの難しい問題ではないんだけど・・・・・。 私の頭の中は別なことで頭がいっぱいだ。 これ…

木漏れ日の下で 6

* -From 1 - 「代表、私の方につくし様からメールが送られてきたのですが・・・」 西田は迷惑だとでも言いたげだ。 「なんて言ってきた?」 「私に送られてきたメールの内容はたとえ代表にでも教えられません」 相変わらず頭の硬いやつ。 どうせ仕事が忙しい…

木漏れ日の下で 5

* -From 1 - 「じゃ、またな」 修習所で車から私を下ろして道明寺を乗せた車は街の中へと姿を消した。 見えなくなるまで車を見送る私の心の声が離れたくないって聞こえてる。 このままついていきたと思う気持ちを打ち消す様に踵を返して前を向いて歩きだす。…

木漏れ日の下で 4

* -From 1 - 折角の気分がオジャンになった。 大学の同期かなんだかは関係ねぇ。 こいつがつくしに好意を寄せてるのが気に食わないだけだ。 さっさとあきらめればいいのによッ。 いまさらつくしとどうこうなろうなんて思っちゃいないよな? 思ってたらどうな…

木漏れ日の下で 3

* -From 1 - 脱ぎ捨てた服を拾って身につける。 黒のアンダーシャツの上に漆黒のダウンジャケット、下半身を覆うのも黒のジーパン。 「カラス・・・」 グフッと吹き出すようにつくしが笑う。 夜の闇に紛れる様に足音も立てずに廊下を歩いた。 入口は警備員を…

木漏れ日の下で 2

* -From 1 - 身体の下に腕が差し入れられて抱き起こされてもぼんやりしていた。 ギシッと軋むベット。 迫りくる唇に気がつかないほどに・・・。 息もできないほどに荒々しく塞がれる唇。 な・・・・ッ? 状況が分からず手足をばたつかせる。 シーツの上に押…

木漏れ日の下で 1

花より男子F その後のお話第3弾です。 つくしの司法修習後期の始まりが設定です。 2か月の別居生活。 『100万回~』の前期の別居とは少しは違ってくるのか? どうなのかな司クン(^_^;) *実際の司法修習とは違っていてもそこは花男ということで大目に見ても…