邪魔者は・・・? 2
*邪魔者は・・・①からの続きです。
*「類お兄ちゃんの方がやさしい!」
「「えっ」」
俺と牧野の視線が一瞬交差して同時に子供をまじまじと眺める。
自分の言った言葉の重さなんて気にする様子は微塵もなくチューチューとくそガキはジュースをストローで飲んでいる。
スゲー面白くねえ!
このガキが類を知ってることも、こいつ自体の存在も、何もかもが気に食わない。
「なんで、このガキが類を知っている?」
自分でもびっくりするような殺気を帯びた言葉で牧野を睨んでしまった。
「道明寺がNYに行っていた時、頻繁にうちに遊びに来ていたから・・・」
「今でも時々来てるよね」
追い打ちをかけるように小生意気なガキは付け足した。
「今でもって・・・」
なんで俺の方が言葉に詰まる?
「なんか、うちが面白いて気にいっちゃったみたいで、進とも結構仲良く遊んでるよ」
「アハハハハ」
アハハハハて・・・笑ってる場合かよ。
俺は全然知らなかったぞ!
このガキが知ってるてことは俺より頻繁に牧野の家に類の奴が来てるて事だろうが。
類の方がお前の彼氏に思われてるんじゃねえだろうな、なんて疑問が浮かぶ。
普通あり得ねぞーーーーーー
眉間のしわが倍になった気がした。
「ジュースお変わり!」
「待ってて」牧野がドタドタと席を立つ。
おい!牧野!俺とこのガキ二人にしないんじゃなかったのか!
さっき確かそう言ってたよな!
あいつ・・・逃げやがった。
「ほかの男が出てきて慌てる様じゃこの勝負勝てないね」
目の前の小悪魔は、今にも鼻歌うたい出しそうな雰囲気だ。
「あっ」
俺が何の勝負してる!
何の勝負もした覚えねえぞーーーーーー。
「お前に心配してもらう筋合いはねえ!」
「フッ」て・・・
こいつ鼻で笑いやがった。
「俺に張り合おうなんて100年早えーぞ」
思わず立ち上がった俺はちょっと脅すつもりでテーブルを「バン!」と叩いてやった。
「子供脅してどうするの?ガキだね~」
このくそガキがーーーーーーー
俺の歯止めがプチっと切れかかる。
生意気そうな顔が突然眉をひそめたと思ったら泣き顔になって「ビェーン」と手のひらで目を拭き始めやがった。
「わっ、ワリー、ちょっと脅し過ぎたか?」
思わず慌てる俺。
「どーみょーじっーーーーー」
俺の背中からすさまじい殺気を感じる。
振かえるとジュース片手に俺を睨みつけてる牧野がいた。
「子供相手に何やってる!」
「信じられない!」
信じられないって・・・
俺から言わせれば信じられないのはこのガキの方じゃねーか!
「てめえがこんなガキ連れてくるからだろが!?」
俺の言葉に牧野が無言になり固まるのが分かる。
やべーーーー俺、言いすぎたか?
「わかった・・・しんちゃん帰ろう」
牧野が俺をこれ以上にないという目で睨みつけやがった。
ガキの手を引いて牧野は足早に歩きだす。
「おい、待て、牧野!」
置いて行くならガキの方だろうがーーーーーー
振り帰って俺にべろ出すガキが見えた。
司と幼稚園児しんちゃんとのバトル第2弾です。
只今のところ軍パイはしんちゃんですよね(^_^;)