Troublemaker 番外編 5
Troublemaker 番外編 4からの続きです。
-From 1-
*
「蓮にい、牧野の肩抱いてるぞぉ」
俺の言葉に司のバイクがスピードを上げカーブを曲がった。
あいつ結構バイクの操縦うまいじゃねえかぁ。
俺の記憶じゃバイクの操縦なんて家の庭で中坊の頃転がして遊んだ程度のもののはずだ。
司の運動神経やっぱハンパじゃねえッ。
感心しているうちに蓮にいの車の止まるパーキングに司のバイクが近づく。
このままじゃ蓮にいの車にぶつかる!
そう思った瞬間、司のバイクが左にスピンして急停止した。
バイクから降りた司がヘルメットを取る姿が目に映る。
「司・・・蓮にいの前に自分の面を現したぞ」
隣で双眼鏡で眺めいていた類に慌てた素振りで俺は知らせた。
「自分から後付けていることばらしやがった。早すぎるんじゃねえか?」
「・・・・」
「そのつもりで実況中継してたんだろう」
ちょっとの沈黙の後、双眼鏡から目を離さずに類が喋った。
「ばれたて?」
やっぱ類にはばれてたか・・・・
俺の慌てる演技は全く類には通じなかったみたいだ。
「ばれないようにするんだったらパーキング手前のカーブで止まるよう司に指示すれば済むわけだしね」
「えらく司の肩持つと思ったら遊ぶつもりだったんだ」
まあこんなもんだろうけど・・・そんな雰囲気で類はいつもの調子で一つあくびをした。
「類、お前は蓮にいから何か聞いてるのか?」
「いや、何にも聞いてない」
俺の問いに澄ました感じで類が返事をする。
類の奴・・・
最初は先頭切って牧野の為にいろいろやっていた感じがした。
でも・・・
会長が用意した相手が蓮にいだと知ってその後からやけに落ち着いて蓮にいの出方を見守っている・・・
俺はそんな気がしてならなかった。
そんな類の様子に俺はあのパーティーの終盤から不思議と危機感が薄れていた。
「蓮にいが司から本気で牧野を奪うとは思えないから・・・」
俺の気持ちを察したように類が俺に視線を向けた。
蓮にいは昔から俺達の兄貴分で・・・
親に反抗して家を飛び出て成功した蓮にいには俺達のあこがれの存在的部分がある。
そんな蓮にいが桜井の会長の言いなりに動くとは思えない。
そんな分析が類の根本にはあるのだろう。
確かに俺もその部分では類と同意見だ。
それに・・・
桜井会長がどんな手を打ってこようと、司と牧野が別れる必要なんてどこにある!
必要ねえじゃねえか!
司の行動力考えたらそんな気分になっていた。
「司が牧野を蓮にいから奪い返したみたいだ」
類が双眼鏡を俺の手に渡す。
「なあ・・・類・・・俺達の役目終わりだよな・・・」
「ヘリ降りてもうチョイ、そばに行ってみねえか?」
下界の様子を確認しながら俺は類をチラッと見る。
「ヘリ近くに下ろせる?」
俺の言葉に類が反応してパイロットに指示を出した。
ヘリは旋回すると双眼鏡から見下ろしていた場所から遠ざかって行った。
-From 2-
「司は相変わらず強引だね」
舘林さんは道明寺の態度に機嫌を損ねることなくにっこりほほ笑む。
「俺はまだつくしちゃんと話したいことあったんだけどなぁ」
口笛吹きだしそうな軽い調子で舘林さんが言った。
「話だけなら牧野の肩抱く必要なんてねえじゃねえかぁ!」
道明寺は私を抱く腕の力を緩めることなく眉を吊り上げ顔をしかめる。
舘林さんは余裕十分な態度をくずしていない。
「ちょっと腕の力抜いてもらえると助かるんだけど・・・」
道明寺の胸に顔をうずめる状態の私は道明寺が舘林さんの受け答えをするたびに圧迫感で息もうまく出来ない状態に陥って来ている。
このままじゃ窒息するっーーーー
これが目下私の大問題だ。
いくら道明寺が眉を吊り上げ怒りを露わにしても舘林さんはすんなりそれを交わす感じであしらうことが明白な分、
道明寺には悪いが、ホッとしている。
待てよ・・・
舘林さんと喧嘩にならない分、その怒りは誰に向けられる?
西門さん?の・・・訳ないよね・・・
やっぱり・・・めちゃ至近距離で束縛されている私かな・・・・
不安になってきた。
「あっ!お前っ俺の腕の中にいるのがそんなに嫌なのかよ!」
いつもより1オクターブ低めの声が私の耳元で響いた。
やっぱり・・・
道明寺のイライラ感・・・
私に襲ってきたっーーーーーーー。
誰もそんなこと言ってない!
私の思いそのまま口にしたら、いつもの私達の喧嘩の始まりで・・・
その展開が今まさに目の前まで迫ってきている。
ここでそのままいつものパターン演じたら・・・
道明寺とけんか別れになって・・・舘林さんと帰るはめになりかねないじゃないか。
そうなったら最悪だよ。
グッと唇を噛みしめる。
「そんなことない、ただ息ができなくて・・・道明寺が来てくれてうれしいよ・・・」
上目づかいでそっと顔を上に向ける。
道明寺の瞳がやさしい感じに彩られ表情が和らぐ。
おーーー私も大人になったもんだ。
これでいつもの展開回避!
成功だ!
ニンマリする顔を道明寺から隠すため視線を元の状態に戻す。
「牧野!すげーかわいい」
「そんな顔俺以外には見せんなよっ」
上機嫌に急上昇した道明寺の腕に力が込められた。
「苦しいっーーーて、さっきから言ってしょっ!」
我慢できずに力いっぱい両腕で道明寺を押しのけてしまっていた。
しまった!ヤバイ!どうなる!?
せっかく上昇させた道明寺の機嫌損ねてしまった・・・よね?
よろけた道明寺を見つめる私の横で舘林さんと西門さんの馬鹿笑いの声が聞こえていた。
-From 3-
「お前らおもしれぇー」
総二郎がゲラゲラ笑っている。
蓮にいまで「クスクス」笑い声上げていた。
うれしいなんて言いながら俺を突き放すなんて・・・
牧野!うれしいなら抱きつくのが普通だろうがぁーーーーーーーっ。
相変わらずこいつの反応理解不能。
突き放した俺に、しまった!みたいな顔をしてドギマギした感情をあいつの瞳の中に見つけてしまった。
牧野の不安そうな表情にグッと拳を握りしめその中に怒りを押し込める。
こいつのこんな表情見せつけられると無下に怒りを向けられない状態に陥ってしまう。
俺も少しは成長したもんだ。
「つくしちゃんもう少し俺に付き合ってくれない?」
笑いを押し殺しながら蓮にいが俺の目の前で牧野に手を伸ばす。
完全に俺は無視じゃねえか。
蓮にいの伸ばした腕めがけて空手チョップ振りおろしてやった。
牧野が蓮にいの手を取るとは思わないが蓮にいの態度にムシャクシャ腹が立つ。
さっきから腹立てたり、それ落ち着かせたり、牧野の言葉に喜んだり・・・
ジェットコースターに乗ってるよりも感情の起伏が激しい感じだ。
たまんねーっ。
牧野の事考えるとこうなるから総二郎らに遊ばれて笑われる。
解かっているが自分じゃどうにもなんねえ。
それに今回は蓮にいまで加わっている。
蓮にいにも遊ばれているだけじゃねえのか?
そんな気がしてきた。
「蓮にい、話ならここでいいだろう。牧野と二人っきりなんて金輪際させねえからな」
冷静を装いながら怒りの感情押し殺し言い放つ。
「おーーーこわっ」
「司なに焦ってんの、お前の彼女口説こうなんて思ってないから心配するな」
ビビってないくせにわざとらしい態度で蓮にいに鼻で笑って軽くあしらわれた感じだ。
今はそんな心配してねえよ。
ただ・・・
やっぱり・・・
牧野が俺以外の男の側にいるのは気が休まらねぇし気にいらないだけだ。
それが誰であろうと関係えねぇ。
「こいつが俺以外のやつと俺の見てねえところで一緒にいるのは気にくわないんだ」
「・・・・それが蓮にいでも、こいつらでも・・・」
そう言いながらチラッと総二郎に視線を投げる。
「ヒューッ!司も言うねえ」
俺の死角の方からあきらと類が現れた。
「お前ら、ヘリから降りたのか?」
「もう、ヘリ必要ないでしょう」
類がクスと笑いやがった。
「牧野どうする?司は俺達が牧野と一緒にいても気にくわないんだって」
「司以外とは口もきけなくなるかもなぁ~」
「司が本気になったら牧野の束縛・・・半端じゃぁねえかも~」
あきらが何気なく牧野の側によると耳元に顔を近づけてニヤリと俺を見た。
あきらぁぁぁーーーっ
わざとやってんじゃねえっ!
この確信犯がぁぁぁぁぁーーーーー。
また余計なこといいやがって。
毎回毎回どういうつもりだ!
「チッ」思いっきり舌打ちする。
「そっ・・・それは困る・・・」
牧野がぽつりと漏らす。
怒りを今まで押さえていた分、身体がブルブル震えだす。
てめえらみんなぶんなぐるぞっーーーー
そんな気分になってきた。
-From 4-
「そろそろ真面目な話をしようか」
舘林さんが笑いをおさめ真顔になった。
F3の表情からも笑いが消え、舘林さんに視線が集まる。
道明寺だけは眉をピクピクひきつらせたまま私の元へ歩み寄ってきた。
「真面目な話ってなんだ。今までに真面目な話はしてないのかよ」
警戒心をみなぎらせて道明寺が舘林さんに食ってかかる。
下手なこと言わせねえぞっみたいな感じを道明寺は全身から放出させている。
道明寺は不機嫌さが増して舘林さんを睨みつけたままだ。
「世間話程度が終わったところで司が現れたからなぁ」
舘林さんは「フッ」とため息交じりの表情に変る。
それでもやっぱり舘林さんは余裕アリアリの態度を崩してはいない。
確かに・・・
車の中でも、パーキングに止まってからもたいした話はしてないはずだ。
車の中で道明寺が以前と変わったて話しをして・・・
舘林さんは道明寺の事すごく理解してるんだと気がついた。
そして・・・
私達の邪魔をするつもりはないと言ったんだっけ・・・
これってすごく私達には重要なことだよね。
パーキングについたら頭の上んで飛んでるヘリ見て・・・
舘林さんが変なこと思いついちゃって・・・
いたづら小僧に変貌した感じになった。
そして・・・
道明寺にみせつける様に私の肩に手を置いた。
結局ヘリに道明寺は乗ってなく・・・
ヘリから道明寺が飛び降りてくる様な事にならなかったのは不幸中の幸いだ。
バイクが突然つ込んではきたけれど・・・
はて?
何のために舘林さんは私達に付き合ってるのだろうか。
一つの疑問がプカッと私の頭に浮かぶ。
道明寺で舘林さんが遊んでるのは否定しないが、私のジー様の満足度は舘林さんの行動で上がっているのも事実だ。
ここにきて真面目な話って何なに?
今まで言ったことは嘘だ!なんて・・・告白じゃありませんよね?
これ以上かき乱す様な事がありませんようにと祈る気持ちで舘林さんを見つめる。
「桜井の会長は真面目につくしちゃんの事を大事に思っているよ。あの人あまのじゃくだから・・・許してやって」
ジー様・・・許せって・・・
なんだかわけがわからずキョトンとなってしまった。
「つくしちゃんが本当の孫だとわかって、会長は本当の事つくしちゃんに告げるかどうかずいぶん迷ったみたいだよ」
「君達いい家族みたいだったから、つくしちゃんがうけるショックの事考えてたみたい」
今まで本当のパパとママだと思っていたのにそれが足元から崩れ落ちたショックは大いにある。
ないはずはないじゃないかぁ。
何ら変わりがない関係を装っている雰囲気が少し垣間見える現実。
私にじゃなく・・・
桜井の祖父母への遠慮が牧野の両親に見えているのだ。
それが私をせつなくさせる。
そのまま告白されなくても私は困らなかった。
貧乏な家の娘の方が金持ちのお嬢様より私にはお似合いだ。
その方がどれだけありがたかったか・・・本気で思う。
顔をしかめる私を見ながら舘林さんは話を続けた。
「会長が本当の事を告げる決心をしたのは司に原因がある」
「君達が婚約してるということが関係してるんだ」
「牧野の家から嫁ぐより桜井の家から嫁いだ方が肩身の狭い思いしなくてすむという親心かな」
舘林さんは言葉を一つ一つ選んでゆっくりと諭す様な感じでジー様の代弁をしているようだ。
それじゃぁ私達のこと認めているて事じゃない。
どうしてそこから婚約なしにする話しにつながる?
ワケ解かんなくなってきた。
私の戸惑いをもろに察知してか舘林さんが「クス」と笑った。
「まだ意味解かんないか・・・」
「ショック療法て奴だよ」
「君の両親が本当の両親じゃないと知って悩むだろうから、それ以上の悩み事作れば考えなくてすむだろう」
「それで、司とのこと反対するふりをすることに決めたらしいよ」
へなへなと膝が崩れおちて地べたに座り込みそうになるところを道明寺が手を伸ばし支えてくれた。
道明寺に戸惑った表情が浮かんでさっきの怒りはどこかに飛んで行った感じだ。
あのジー様っ!
なに考えてるんだぁーーーーーーっ。
確かに御蔭で両親の事の悩みは私の頭からはブッ飛んでいた。
そのことではジー様の考えは威力を発揮したのは間違いない。
みんなをまきこんで・・・
F4から付き合いを申し込まれる傍目から羨望のまなざし向けられる状態作りだし・・・
舘林さんまでジー様に手を貸して・・・
車でドライブ連れ出され、ヘリ出動で追跡されるこの展開・・・
大げさすぎるっーの!
ムシャクシャ腹がったってきた。
私と道明寺はいいように遊ばれていただけじゃないかぁーーーー。
ジー様の顔がプカプカと私の頭に浮かんでくる。
風船に張り付いたジー様の顔をバシ、バシと思い切り殴って破裂させた。
クソジジーーーーーーーーッ
心の中で思い切り叫んでいた。
-From 5-
「なあ・・・牧野って、みんなに愛されてるよな・・・」
事の真相を聞かされて穏やかな表情で司と牧野を類が眺めている。
「類!お前が牧野に惚れてたことは知っているけど俺達まで一色単にするな」
総二郎が軽い調子で類の言葉に反論した。
「おやっ気がついてないの?」
「今回みんなが手助けする気になったのって牧野だからでしょう?」
「司に頼まれただけじゃないよね?」
言われてみれば確かにそうだが・・・
「俺達・・・・司にも牧野にも甘いかもなぁ~」
あきらが類に同調する様に総二郎の肩をポンとたたいた。
「それに一番気がついてないのがあいつだよ。つくしちゃんは司にはもったいない」
いつの間にかつくしと言い合いになっている司を横目で見ながら蓮が「クス」と笑った。
あいつらなんでまたあそこで言い合いになったんだ?
時々漏れ聞こえるつくしと司の声に総二郎が耳を傾ける。
「なに考えてる?まさか蓮にいの事じゃないよな」
「なんで今さらそっちにいくの」
「お前ポッとなってただろう!?」
あーやってらんねぇ。
相変わらずの喧嘩が始まってしまっている。
しばらくしてギャーギャー言い合いのじゃれ合いがなんとか収まって・・・
司が牧野を抱きしめてる姿が目に入った。
「一件落着だな」
総二郎とあきらが目を合わせてクスクス笑い出す。
「お前達これからどうする?車貸そうか?」
蓮が司に声をかけた。
「いや、遠慮しとく、こいつをバイクの後ろに乗っけて帰るわ」
司が機嫌よくにっこりほほ笑んだ。
「バイクの方が牧野と密着出来るなんて思ってるんじゃないの~」
あきらがからかう様に司に声をかけた。
「バカ野郎っ」
そう言った司の顔は耳まで真っ赤になっている。
図星か・・・
「ブハハハハハッ」
司とつくしを取り残した以外のみんなから笑いが噴き出す。
「行くぞ」
その場を早く立ち去りたい雰囲気の司に促される様につくしもバイクに腰を下ろした。
バイクのエンジンをかけ蓮の側にバイクを近づけ司がブレーキをかける。
「蓮にい・・・サンキュー」
「ありがとうございました」司に続いてつくしも蓮に頭を下げた。
「おー、司に礼言われるなんてこの先ねえかもな」蓮がにっこりほほ笑む。
走り去る司のバイクに向かって「泣かすなよ」と蓮は声をかけて見送った。
「俺達どうする?」
「振られた者同士慰め合いますか?」
4人の男達の間から誰からともなく機嫌のよい笑いが漏れて周りを包んでいた。
なんとかこれにて終了です。
本編よりも長い番外編になってしまいました。
番外編にならなかった・・・今はそんな気分です。
お付き合いありがとうございました。
ここで終了のこのお話のはずが・・・
バイクで立ち去った二人の行き先は?
短編でなんて思っていましたが追記としてUPしてました。
お許しを~
追記
道明寺の操るバイク後部席に横座りで座りシカっと両腕をあいつの腰回りに絡みつける。
なんでミニスカートを来ている時にバイクなんだろう。
せっかく舘林さんが車貸してくれるって言ったのに・・・
道明寺の何時もながらの強引さでバイクに乗るはめになっていた。
不安定に座る私はこれ以上密着出来ないぐらい身体をあいつに密着させるしかない。
二輪なんて自転車以外経験がなくバイクなんて初体験だ。
カーブ曲がるたびに必要以上に道明寺しがみつかなきゃ振り落とされそうだ。
道明寺っ!わざとじゃないでしょうねッーーーーー。
そう思いながらもまた道明寺にガシッとしがみつく。
パンティー見えてもいいからまたがった方が身の危険はないかもなんて考えてしまった。
しばらくするといくらかバイクに慣れてきた私はほどなく走りの体感をちょっと楽しめるようになってきた。
道明寺の背中から伝わる体温は私を安心感もたらしてバイクの軽い振動と風の中を突き進む感覚は気持ちよく、
癖になりそうな心地よさを生みだしている。
「バイクの方が牧野と密着出来るなんて思ってるんじゃないの~」
背中越しに聞いていた美作さんの言葉を思い出す。
それもたまにはいいか・・・
なんて気分になってきた。
きっとヘルメットをかぶっていなければ、メェーいっぱいに顔ごと上半身すべてをギュっと道明寺の背中に押し当てているに違いない。
「このまま帰るのはもったいねぇな」
「うん」
吹き抜ける風の音とバイクのエンジン音に大声で話さないと会話できないのがちょっと難点だ。
バイクは東京湾に進路を変えて走りだす。
ついた先はレインボーブリッジと東京タワーが見えるお台場海浜公園
「へぇ、道明寺がこんな一般なデートスポット知ってるなんて意外だね」
「まだ夜景は無理だけどな」
二人にっこりほほ笑んだ。
「お前のジーさんには脱帽だわ」
「あんなに焦らされたの久しぶり」
「お前は俺のもんで、大学卒業したら結婚できるのが当たり前で、お前がほかの男にとられるなんて考えてもいなかったもんな、ホント焦った」
照れくさそうな表情を道明寺が私に見せる。
「俺・・・お前のジーさんに感謝してる。御蔭で牧野がどんだけ大事か思い知らされたから」
久しぶりに真面目に真剣な道明寺の熱い視線を向けられてつま先から頭の先まで急激に熱が放出される感じに包まれる。
「道明寺・・・」
名前を呼んで答えるのが精一杯でうれしくて言葉が続かない。
寄り添う様に道明寺の肩にコツンと頭を乗せた。
道明寺が腕をやさしく私の背中にまわしそっと抱き寄せる。
道明寺はとびっきりの笑顔を見せると私の唇に唇を合わせ、そして少し手荒いくらいに私の身体を抱き締めた。
えっ?
こんなんじゃない?
ご希望はまだこの先ですか?
せっかくだから夜景を二人眺めて食事して♪
そのあとの
次こそは短編で・・・
書くのかな?
拍手コメント返礼
ココちゃん 様
気に入っていただけて、うれしいです。
何時も拍手コメントありがとうございます。
りん 様
PW申請ありがとうございました。
初期の頃からの作品もたのしんでいただきありがとうございます。
桜井家番外編を久しぶりに書きたくなりました。
桜井会長好きなんですよね。