嫁入り騒動

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第1話 嫁入り騒動

                       作 那美さん

ユーリがヒッタイトに来て早いものでもう20年。

カイルとの第一子は流産という悲しい結末に終ったが、その後・・・

ユーリは4人もの可愛らしい子供達に恵まれた。

デイル・ピア・マリエ・シンという愛らしい子供達。

ユーリは愛する夫と4人の子供達に囲まれて毎日幸せに暮していた。

「お誕生日おめでとうマリエ」

今日は第1皇女・マリエ姫の8歳の誕生日。

皇帝一家全員でお祝い。

この時代に誕生日なんて風習を作ったのもユーリである。

そして…父親のカイルは、「マリエ‥これは父様からの誕生日プレゼントだよ」

カイルがマリエに渡した小さな籠から出てきたのは小さなネコ。

『ミャァ~~ミャァ~~』

「わあ可愛い!お父様!マリエがネコが欲しかったの覚えててくれたの?ありがとうお父様!大好き!」

chu!!

マリエはカイルの頬にキスをする愛娘の可愛らしさにカイルはニコニコしている。

カイルはマリエを抱きかかえる。

本当に嬉しそう。

「いいな姉様!僕も僕も!父さま僕も!」

末っ子のシンも甘えだす。

「シンの誕生日はまだ先だろう?今回は兄様で我慢するんだな」

デイルは最近、大きくなってきたシンを抱き上げると肩車してやった。

キャッキヤッとはしゃぐシン。

「ほ~ら今度はピアに抱っこしてもらえ」

デイルはピアにシンを渡す ピアはちっょと戸惑ったけれどシンを抱っこする。

「ピア兄様って父様そっくりだね!デイル兄様も父様そっくりだし、でもマリエ姉様と僕は母様に似てるよね!」

幸せな家族。

ユーリはデイルが生まれてからとっても幸せだった。

けど…

この一家に大変な事件が…

ある日の執務室。

ユーリがカイルに会いに行くとカイルは真っ青になっていた。

「ちょっとカイル?どうしたの??」

「ユーリ…おまえラムセスと何の契約をしたんだ」

「約束???」

「これを見てみろ!ラムセスからの書簡だ!!」

「どれどれ…ええっ!?」

『ようユーリ!元気にしてるか?おまえんとこの皇女‥8歳になったんだって?

俺との契約覚えているかな?おまえの娘を俺の息子の嫁にもらうって話。

俺の息子は今年で14歳‥おまえの皇太子と同い年だぜ!

なかなかいい釣り合いだよな!まあいい返事待ってるぜ!

                   ウセル・ラムセス』

「そんな…あれ本気だったの?どうしよう…」

さあ皇帝一家の運命やいかに!?

第2話  とりあえず、元老院召集だ!

                            作 しぎりあさん

「約束って、いつの間に・・」

「ちょっと待ってよ、私なにも・・・」

 否定しかけて、ユーリは考える。娘を嫁に?う・・ん・・した、かもしんない。

「どうなんだ、ユーリ!」

「・・・なんか、そんな・・・記憶が・・・」

「なにぃっ!?」

 カイルは椅子を蹴倒して立ち上がった。一瞬で顔色が赤くなり、青くなり、白くなった。

「どうして私に黙って、そんな大切なことを決めるんだ!」

「だ、だって、あの時はまだデイルも生まれてなかったし、ラムセスだって独身で」

 珍しく言い争うような両親の声に、柱の陰から、そっと覗く者がいる。

「・・ねえ、ラムセスって、誰?」

 話題の中心のマリエ皇女だ。お嫁入りなんて、まだ全然現実感がないので、のんきなものだ。

「エジプトの将軍で、世継ぎのいない現王の最有力後継者候補だよ」

 皇太子ともなれば、現在の世界情勢にも明るい。デイルはそっと妹に教える。

「その人の所に、マリエ、お嫁に行くの?」

「違うよ、マリエがお嫁に行くのは、その人の息子だよ。デイル兄さまと同じ歳だって」

 ピアがささやく。将来の近衛長官候補だって、世界に詳しい。

「デイル兄さまと、おんなじ?」

「とにかく、マリエは一生嫁には出さない!」

「な、なに言ってるの、カイル!」

 それじゃあ、あんまりマリエがかわいそうだ。ぐるぐる部屋の中を歩き回るカイルの後をおって、やっぱりユーリもぐるぐる歩くはめになる。

「ねえ、カイル、冷静になってよ。この書簡だって、正式な文書ってわけじゃないんだし、ね?」

「・・だ・・」

「は?」

元老院だ。元老院を召集するんだ!」

 カイルの声が響き渡った。

第3話 会議・・・?

                         作 あかねさん

「皇帝陛下、いったい何の騒ぎですか?会議はまだ先のはずじゃ・・・。」

「うるさい!!帝国の一大事だぞ!!」

カイルは、本当に、ほんっとうに怒っている。

まぁ、マリエの結婚相手がまだ他の人物ならこんなにもならなかったろうに。

「カイル、とにかく落ち着いて。まだ、お嫁に出すと決まった訳じゃ・・・。」

「出さないといっているだろ!!特に、ラムセスの息子なんかのところにはな!」

シーン・・・。

今までざわついていた元老院諸君が静かになった。

多分今の、「「ラムセスの息子の嫁」」がいけなかったんだ。

「陛下、それは誠ですか!?今エジプトと婚姻関係を結んでおけば、なんの問題もなく・・・。」

元老院は、この結婚に賛成みたい。

まぁ、まだちょっとはやいから婚約くらいに・・・。

ユーリも賛成気味。

「ユーリ、お前も賛成って顔をしているな。まだ8歳の娘を、エジプトに嫁がすのか!?」

「だーかーらー。まだ正式な書簡じゃないでしょ?ラムセス呼びなってばぁ。」

「父様、私、結婚しなきゃいけないの?」

マリエは、目を潤ませながら聞いてくる。

ユーリそっくりの顔で、こんな顔されちゃ・・・・・。

本来カイルは、ラムセスなど二度と顔を合わせたくないのだが・・・。

「しょうがない。元老院、書簡を作れ。ラムセスに、ハットゥサまで来るように、とな。正式な書簡だからな!!」

ユーリは内心ワクワクしていた。

久しぶりにラムセスに会える。

第4話   久しぶり

                             作 セイラさん 

「ひさしぶり、相変わらず元気そうね 」

ユーリから話し掛けられたラムセスは、思わず目眩がした。

何故なら、あの日別れた時と、姿かたちがまったく変わらないユーリが目の前に立っていたからだ。

「ユーリ、お前も元気そうだな」

いったいどうなっているんだ?

ヒッタイトの皇妃は、何時までも若々しいと言う噂は聞いていたが、これはなんだ?

 若々しいなんてモンじゃない!ぜんぜん年取ってないじゃないか… 

どう見たって…16か17くらいだぞ。

「どうしたの?ラムセス?長旅で疲れたの?ぼーっとして」

ムルシリが他に側室を作らないはずだ。

4人の子持ちとは、信じられない。

「いや 昔に戻ったみたいで懐かしくてな」

「そう?ならいいのだけれども」

その時二人の後ろから声がした。

「ラムセス将軍!!話は、元老院との会議が済んでからにしてくれ。最も会議などしてもしなくても、娘をやらん事は同じだがな!!」

「カイル そんな喧嘩腰にしないで。 アッ、 ラムセスまた後でね」

そう言うとユーリはカイルを引っ張って行った。

第5話  言っておくけどね

                        作 しぎりあさん

うーむ、しかし昔と変わらないユーリを見ると、恋心再びってか?

控えのまで腕組みをするラムセスに、女官が飲み物をすすめる。

カップに注がれるワインを身ながら、ちらりと観察する。

しかし、ヒッタイトの女はガードが堅い。第一服装が閉鎖的っていうか・・もう少しこう、薄い布とか、胸元をあけるとか・・

良からぬ考えに浸るラムセスを、物陰から観察する3対の瞳。

「・・ねえ、あの方がラムセス将軍?」

「いまは、エジプトの宰相だって」

ひそひそ、ささやき交わす。

「・・・ね、背の高さ、父さまくらいね」

それに、お顔だって父さまに負けていないわ。

マリエは少し赤くなる。

なんたって、ファザコンだ。

あんな父親持つと、そうならないのが不思議なくらいだが。

「息子のセティって、父親似だって」

ピアがどこで仕入れてきたのか、ささやき返す。

「だめだ、そんなヤツ」

デイルが不機嫌そうに言う。

彼はもちろん、シスコンだったりする。

「あの顔を見ろ。すごく、女好きそうだ(するどい・・)あんなところにお嫁に行っても泣くだけだぞ、マリエ」

不機嫌な顔が、これまた父親に生き写しだ。

ピアが、兄の矛盾に気が付いた。

「だって、マリエがお嫁に行くのは、ラムセス将軍じゃなくて、その息子のセティだよ?」

「女好きの息子は、女好きだ」

 ・・・決めつけていいのか、デイル?

君の父親だって相当のモノだったはず・・

「なんだ、さっきから・・・」

「うわっ!!」

ラムセスがのぞき込んでいた。ごしゃごしゃ喋っていたのだから、気づかれてもあたりまえだ。

「あ、あの・・僕たちは・・・」

弟妹を後ろにかばいながら、デイルが言い訳をしようとしたが、ラムセスはそれを無視した。

ただ視線を、一心にマリエにむける。

(・・・ユーリ!)

似ている、なんてものじゃない生き写しだ。

みつめられてどぎまぎしたマリエがピョコンと頭を下げた。

(これが、マリエ皇女!?・・・欲しい・・息子の嫁に!!)

第6話  ややこしい

                           作 あかねさん

「初めまして、ラムセス宰相。僕、第一皇子のデイル・ムワタリです。」

ラムセスがマリエをじーっと眺めていたのが気に入らなかったデイルは、

その、無言の時間を自ら破った。

「・・・あぁ、お前がデイルか。うん、ユーリに似てるな。じゃぁ、そっちは

 ピアか?・・・ムルシリ似だな・・・。やっぱりマリエが、一番ユーリに似てい   る!」

ラムセスは、マリエを抱き上げた。

ユーリ、この皇女、必ず嫁にもらう!

「ラ~ムセス!そろそろ会議の時間よ。・・・あら、三人とも。ここにいたの。

 マリエ、いいじゃない。だっこしてもらってるのぉ。」

「ユーリ、だっこしてあげよっか?」

結局、本物の方がラムセス的にはいいわけで・・・。

ユーリは一生懸命断ったのだが、じゃぁ、会議室まで!というラムセスの言葉に

見事、同意してしまった。

「じゃぁ、子供達。いってくるわね。」

ユーリはラムセスに抱かれながら、部屋を去っていった。

「・・・なんだあの男。母様を、母様を抱き上げてるなんて!・・・ハディ!」

デイルは、ハディをおもいっきり呼んだ。

「なんですか、デイル様?」

「あの、ラムセスとかいう奴と、母様はどういう関係なんだ!?」

第7話  いわんこっちゃない。

                       作 しぎりあさん

会議室では、大騒動が始まっていた。

ただでさえ元老院にマリエ皇女の嫁入りを勧められて不機嫌な前に、にっくきラムセスに抱き上げられて、最愛の皇妃が現れたため、皇帝がぶちきれたのである。

「ラムセス~許せんっ!!」

 玉座を蹴倒し(よく蹴倒すヒトだ)かけよると、そのままユーリの腕をつかんだ。

「ちょちょっと、カイル!?」

「なんだ、ムルシリ!?」

 ラムセスも、ユーリを奪われまいと、足をしっかり掴む。

「い、痛っ、痛~いってば」

 ふたりの間で綱引きの綱状態になって、ユーリが悲鳴を上げた。

「皇帝陛下!」

 元老院は騒然となった。大国エジプトの実権を握る宰相と、自国の皇帝が綱引きを始めたのだから、当然か。

「お願いですから、皇妃陛下をお離し下さい!」

「痛いよ~っ」

 唐突に、二人が手を離した。

投げだされた形になって、ユーリが落下するのを、今度は二人してダイビングキャッチする。

「いやああぁぁ」

遊んでいるような(しかも、皇妃を使って!!)皇帝と宰相に、周囲はおろおろするばかり。

「ふむ・・ユーリ様が痛がるのを知って手を離されたようですが・・同時ですから、どちらが本当の母親か決められませんな」

「イル・バーニ殿!なにをのんきなことを」

床に転がったまま、ユーリの身体を抱えて口汚くののしりあうオリエント二強のトップの姿に、(どう、ののしっているのか、なんて書けません)頭を抱える者、呆然とする者、涙ぐむ者、声援を送る者。いまや、元老院は阿鼻叫喚に包まれていた。

その時。

「静まれ!!」

凛とした声が響いた。 

第8話  子供の発言って・・・

                               作 あかねさん

「これは、デイル皇子。」

デイルの突如の登場に、みんなはさらにおろおろする。

デイルだけじゃなく、ピアもマリエも一緒だ。

マリエはラムセスが気に入ったらしくて、のんきにてをふっている。

「父様、母様がかわいそうですよ。・・・母様、大丈夫ですか?」

倒れている皇帝(父様)と、エジプトの宰相(ラムセス)を無視してデイルはユーリに手を貸す。

ユーリはデイルに助けられて、走ってカイルとラムセスに遠い所へいった。

「2人ともバカ~!手に、あとついちゃったじゃん!」

「母様、大丈夫~?」

ピアとマリエは、母様(ユーリ)の方へかけていく。

「父様も宰相も、自分の席に戻ってください。会議はどうしたんですか!」

「デイル、しかしなぁ、こいつは母様を・・・・!」

「だって、ラムセス宰相が将軍の頃、母様と恋人だったんでしょう?

それを、父様が奪ったんでしょう?いつまでも、母様の昔の男に未練を残すのはよくないですよっ!」

しーん・・・。

今までざわざわしていた会議室内が、一瞬にして静かになった。

まずい・・・非常にまずい。まずすぎる・・・。

ただでさえ機嫌の悪い皇帝。それに追い打ちをかけるような、子供の言葉・・・。

しかも、最愛の皇妃について・・・。

このあと、皇帝、皇妃不在で会議ができなかったことはいまでもない。

第9話  対決!将来の敵!

                          作 那美さん

ここは王宮…

さっきの会議を中断してカイルとデイルが居た。

「すみません父様…まさかラムセス宰相の方が母様に手を出していたなんて…」

カイルはあれからデイルに真相を話してやっとユーリの所有権は最初から自分に在った事を理解してもらったのである。

「分かればいいのだ…あれそういえば…」

キョロキョロとカイルの顔が動く。

「どうしたんですか父様?」

「いや…マリエの姿が見えないが…」

よ~く見ればこの部屋に今いるのはカイル、デイル、ピア、シン…

ユーリは会議の中止を元老院に伝えに行っているから…

やっぱりマリエの姿がない

「どこに行ったんだろマリエ…」

ちょっと不安なデイル(だって彼はシスコン…)

パタパタ

「お父様~」

噂のマリエが部屋に急に入ってきた。

しっかりラムセスの手を引いている。

かなり…いやめちゃくちゃ不機嫌になるカイルとデイル。

「マリエ…ラムセスと何をしていたんだ?」

「お父様!お兄様!マリエ、セティ様のところにお嫁に行きます!」

「なんだと!!」「なんだって!!」

同時に声を上げるカイルとデイル。

「だって~セティ様は私のことを大切にしてくれるっておっしゃってるんですって!」

マリエは騙されている!

そう思った彼はマリエをラムセスから引き離すと…

「僕の妹に触るな!!」

そう…マリエにベタベタするラムセス。

そしてマリエを奪おうとしているセティに嫉妬したのは、父のカイルの方じゃなくなんと兄のデイル!

「デ…デイル?」

さすがのカイルも自分のセリフ(まあ妹が娘に変わるけど)を言われて、やや呆然…

「に‥兄様‥落ち着いて‥」

11歳のピアが14歳のデイルを必死に止めようとしているがデイルは止まらずマリエに近づく。

「お兄様ぁ?」

デイルはラムセスからマリエを取り返すとしっかり抱き上げる。

「マリエ!この宰相はとんでもない女好きでエジプトに妻妾が30人も居るんだぞ!

その息子は僕と同い年のクセにもう正妻1人と妾7人も居るんだ!

マリエはそんな女好きの奴の妾の一人になりたいの!?」

デイルはマリエにそう言う。

デイルの威厳(?)にしばし呆然としていたカイルだがデイルの言葉にはっとした。

「ラムセス!きさまの息子に正妻が居るなんて聞いてないぞ!

正妻が居るっていうことは…きさま!マリエを息子の側室にする気だったのか!?

ふざけるな!マリエはヒッタイトの皇女!皇帝と皇妃の第3子!ヒッタイトで2番目に地位が高い娘だ!」

カイルが激怒する!

そしてラムセスは…

「ちっ…デイル皇子の奴…どこでセティに正妻が居るって知ったんだ?セティの側室に迎えて、いずれ俺の側室にしようとしてたのに…」

「なんだと!ふざけるな!おまえなんかの側室に大事な娘をやれるか!」

余計怒り出すカイルの横を通り過ぎて、デイルがつかつかと歩いていく。

そして…

デイルは何と剣を引き抜くと刃先をラムセスに向ける!

これでもデイルは剣術はカイルの手ほどきを受けているので、いまやヒッタイトでカイルの次の剣の使い手なのだ!(ちなみに次点は次期の近衛長官・ピア皇子でしょう)

「女好きのセティになんかマリエをやるもんか!諦めてとっととエジプトに帰れ!」

デイルはセティに明らかに敵視を持っている。

まるで将来の戦争を彷彿させる状況だ。

一方 デイルに首筋に剣を当てられているラムセス。

彼は黒髪・黒目のカイル似の少年に…不思議な脅えを感じていた。

(この俺がこんなガキ皇太子に震えを感じるなんて…)

ラムセスがデイルに対して脅えを感じる理由。

それはデイルのあまりのシスコンぶりになのか…

それとも…

第10話   君といつまでも

                                 作 しぎりあささん

「これは、皇太子殿下・・エジプトの宰相に刃を向けるとは、どのようなおつもりでしょうかな」

 内心の動揺を押し隠して、ラムセスが言った。

「どのようなつもりもない。マリエは渡さない」

 デイルは固い声のままこたえる。真剣な表情は、確かにこの黒髪の皇子が、現皇帝と同じ強い意志の持ち主であることを示している。

(・・・ったく、親子して他人の恋路を邪魔したがる奴らだ)

 ラムセスは両手を上げた。いくら頭に血が上っているとはいえ、皇帝ならまだ分別も付くだろう。カイルを振り返る。

「・・・デイル、宰相閣下から剣をひけ」

 不本意きわまりない、と言う顔でカイルが命令した。

「他国の、要人に無礼だぞ」

 一瞬、唇をかみしめそれでもデイルは剣を収めた。ただ、強い目線はそらすことがない。

「ラムセス宰相閣下。妹のマリエは、どんなことがあっても嫁がせるつもりはありません」

「おや、これはこれは。兄君は、妹君を一生独身で閉じこめておくおつもりですかな」

 それも、いいかも・・とカイルがつぶやいた。娘かわいさに血迷っている。

「妹の嫁ぎ先は、私が決めます。エジプトで側室暮らしをさせるくらいなら、私の妃にします」

「デイルっ!エジプトと違って、ヒッタイトでは兄妹間での婚姻は禁じられている!」

 落ち着いてみえて、皇太子も実は血迷っていた。カイルは、慌てる。よく似た親子だ。

「かまいません」

「私はかまうわよーっ!!」

 叫んだのは、もちろんマリエ皇女だ。

「お兄さまも、お父様も、ついでにラムセス宰相も・・ばか~っ!!」

 言うと、手近の物を投げつけ始めた。8歳児とはいえ、コントロールはなかなかのものだ。

「マ、マリエ、やめなさい!!」

 花や花瓶や、石板や、飛来物を避けながら、カイルが言う。

「う~ん、さすがだマリエ皇女。切れ方がユーリそっくりだ・・」

「ユーリを呼び捨てにするなっ!!」

第11話   大事な大事な

                         作 あかねさん第12話

ゴンッ!!

ひときわ大きな音がしたかと思うと、マリエの叫び声が聞こえた。

「きゃ~~~~~~~!!!!!!母様!!!!!!!!」

ユーリは、マリエが切れるとこうなる事を知っていたので、ピアとシンを避難させようとしていたところだった。

しかしそのとき。

運悪く、カイルのよけた花瓶がユーリの身体に直撃したのだ。

「「ユーリ!?」」

大事な妃の身体に、大きな花瓶が当たってショックなカイル(よけなきゃ良かったね)

大事な恋人(自称)に、大きな花瓶が当たってショックなラムセス(原因はおまえ)

大事な母に、大きな花瓶が当たってショックなデイル(君も、少しは原因なのよ)

大事な母に、自分の投げた花瓶が当たってショックなマリエ(・・・。)

こうなってしまっては、マリエの嫁入り騒ぎではない。

「・・・う・・・いった・・・・・。」

頭に当たらなかったから良かったものの、かなりいたいはずだ。

「ユーリ、大丈夫か?医者だ!医者を呼ぶんだ~!!」

「母様、ごめんなさい、ごめんなさい!!!!!!」

「・・・・大丈夫・・・(かな?)今日はもう遅いから、この話は明日にでも

 ・・・つっ・・・しましょうか。デイル、あとはよろしく。」

いうことをすべていって気がゆるんだのか、ユーリは意識を失った。

「ユーリ、しっかりしろ!大丈夫か?」

「・・・・・。」

意識がないから、ユーリは返事ができない。

第13話  あのね,マリエ

                          作 友美さん

ユーリが気を失ってから約半日・・・・

もう夕刻である。

やっとユーリが目を覚ましたのだ。

「母様大丈夫ですか?????」

心配そうに聞くディル

「ええ大丈夫よ・・・。それよりディル・・・マリエを呼んできて・・・。」

「ハイわかりました。(今ごろ部屋でないてるんだろーなー・・・・)」

一方マリエの部屋

「どうしよう・・・・・お母様を失神させてしまったわ・・・・・・

あー心配だけど原因は私のあるから様子は見に行けないわ・・・・・・」

((コンコン))

「はい・・・・どなたですの?????」

「マリエはいるよ・・・・・。」

「入ってこないで!!!!ディルお兄様!!!}

入るなっていってもねー・・・,ともかく母様がお呼びだよ・・・。あとさっきは悪かったな。勝手に・・その・・・妃にするとかいっちゃって・・・・・。」

「わかってくださればよろしいのですわ。さあお母様のところにいきましょう。」

((コンコン))

「お母様失礼致しますわ。マリエです。」

「マリエ・・・。少しは落ち着いた??????」

「ハイ・・・・それよりお母様さっきは申し訳ございませんでした・・・・

皇女が物などを投げて・・・・・」

「いいのよ・・・・。それよりマリエ母様のはなしを聞いてくれる??????」

「あのね,マリエ。母様ね,マリエが好きになった人なら反対はしないわ。

それがたとえ,この国でいう奴隷だろーが,ラムセスの息子でもよ。」

「母様!!!セティとの婚姻だけは反対してください!!!!!」

叫ぶディル君。ちょっとは落ち着いたほーがいいよ・・・・。

「別にマリエがその人のことがとっても好きで,側室でも愛人でもいいって言うなら別にいいじゃない!!!私たち親が決める事ではないわ。もちろん!!!あなたもよ!!ディル!!!」

「さすがお母様わかってらっしゃるのねー!!!」

「ですが,母様・・・・・」

「ディル少し落ち着きなさい。でもね,マリエ。もし好きな人ができてもね,その人を振り向かせるのにヒッタイト皇女という形肩書き使うのはやめなさい!!

あなたの恋愛はあなたで手に入れなさい!!!」

「はい!!お母様」

マリエが元気に返事をした。

「そうわかったならいいわ。このことは母様の方から父様とラムセス宰相に言っておくわ。」

第14話  本当の”好き”

                        作 あかねさん  

「・・・あのね、母様。私、エジプトへ嫁ぐのは止めようと思うの。」

デイルがしょぼんとして去っていった後、マリエはユーリにいった。

「え!?だって今さっき・・。」

「うん・・・でもね、私、母様のようにほんきで好きになってなかったのかも。

 本当の好きが分かるまで、まってようとおもうの。」

「マリエ。・・・うん、今はそれでいいの。」

一方デイルは、カイルの所に来ていた。

カイルはユーリの側にいたかったが、デイルに引き離されたのだ。

「父様、母様はマリエをエジプトに送るそうです・・・。」

「何!?ユーリがそういったのか!?・・・いったい何故・・・。」

「ほぉ、ユーリはやっぱり俺のことが好きなんだな。ムルシリ!マリエ皇女と、

 ユーリと両方もらっていってやる!」

しかしカイルは、もうその場にはいなかった。

第15話   かんちがい

                              作 友美さん

「ユーリ聞きたい事がある!!マリエをエジプトに嫁がすのか???」

カイルがすっごい形相でユーリに問いただしています。

勘違いってすッごく怖いですねー・・・・・・

「はい??だれがそんなこといったの????」

「ディルがそう報告にきたんだよ!正気かユーリ????」

「ばかねー、ディルたら・・。あのね,カイル。私はね,嫁がすなんていってないわ。

マリエが本気で好きになった人と結婚した言っていってもね,私は反対しないって言ったの。それがたとえラムセスの息子でも,この国でいう奴隷で持っていったのよ。」

「そうだったのかーって私は反対するぞっ!!!!」

親ばかもいいとこってくらいに力の入った言いよう・・・

「なにいってんのよ・・・・。あともうひとついっておいたわ。

好きな人ができてもね,ヒッタイト皇女って言う肩書きを使うのはやめなさいって。

ホントに好きな人は自力で落としなさいって。それがたとえ他国の王子でもね。本気で好きになった人にね,妻妾いっぱいいてもマリエがそれでいならいいじゃない。」

「-さっきから聞いていればっ!!!私は反対だっ!!!」

(相変わらずの親ばかとゆいうか過保護というか・・・あほらしくなって来たわ・・・・・)

ユーリの嘆きはすごいようです・・・。

第16話   一件落着

                           作 あかねさん

「じゃぁ、結論からいわせてもらうわ。・・・マリエ、嫁ぐの止めたんだって。」

もう少し事実を隠しておきたかったのだが、うるさいので仕方がない。

カイルの表情はとたんに明るくなり、ニコニコし始めた。

「そーかそーか。嫁がないのか!いいことだな!!!では今日は、ラムセスさようなら

 パーティーでもするか!!はっはっはっ~~~~~~。」

カイルは一人でご満悦。

デイルにも、あとでいっておいてあげなきゃな。

「(心の中)でもデイルが、あんなにも反対するとは思わなかったな。

 カイルそっくりだなぁ・・・。かわいそう、デイルの子供。」

「ラムセス~さよ~なら~パーティ~!!!」

カイルは喜び、ユーリはため息をついている。

そんな2人の様子を、影から見守る影が・・・。

「どうして陛下は、ユーリ様が落ち込んでいらっしゃるのに喜んでいるんだ!?」

「さぁ、それは分かりませんけど・・・。」

ハディとイル・バーニ。それにキックリとリュイ&シャラだ。

マリエ皇女のお嫁さん騒動で、一番の被害を受けたイル・バーニ。

今はホットした様子だ。

「しばらくは、何もおこらないことを祈ろう。」

しかし、そんなことは長く続くはずがない。

「母様!!セティ様がお着きですの!」

第17話  セティ登場!!

                               作 マユさん

こちらは謁見の間…

「ムルシリ2世陛下とユーリ皇妃様には初めてお目にかかります

僕は宰相の息子・セティと申します」

セティはカイルとユーリに向かって頭を下げる

「…初めまして…はるばるよくいらっしゃいましたセティ殿…」

まったく本心と逆のことを言うカイル こめかみに青筋が立っている

「ようこそセティ様」

ユーリはセティにニコッと微笑みかける

セティはポッと顔が赤くなった

「で!本日はどういうご用件で!?」

ものすごく口調がきついカイル、そうとう腹が立っている

「はい エジプト王から父上への伝言と未来の妻に会いに来ました」

20数歳も年上のカイルに平気でそんなことを言うセティ…さすがはラムセスの子供である

ますますこめかみがたっていくカイル

その様子をじっと見詰める3対の瞳あり

「(ヒソヒソ)へぇ~あの人がセティって奴なんだ~始めてみたよ」

「(ヒソヒソ)あたりまえだろピア 僕たちはあいつの父親に会ったのだって、つい先日なんだぞ!」

「(ヒソヒソ)未来の妻ってマリエのことなのかなお兄様?」

「(ヒソヒソ)冗談じゃない!誰があんな奴に可愛い妹をやれるか!」

「(ヒソヒソ)兄様!落ち着いて!わっ天幕が!」

バサーーーッ

三人が隠れていた天幕が外れて床に落ちた

「…………おまえ達…どうしてここに………」

あっけに取られたように静まり返る謁見の間

その中で一番早く動いたのはセティだった

「あなたがマリエ皇女ですね!初めましてセティと申します

どうぞお見知りおきを」

マリエの前にひざまずき手を取るセティ

マリエの顔は赤くなる

(わぁ~セティ様ってラムセス宰相様そっくり~金色の髪と整った顔立ちが素敵~)

男といえば父親のカイルとシスコンの兄・デイルに甘えん坊な兄・ピアとまだお子様な弟・シンと父親の側近くらい知らないマリエにとって

こう迫力のある歳も近い男性にじっと見つめられては心臓がドキドキする

「父に聞いていたよりも、何てお美しい方だ…どうぞ末永くよろしく…」

セティはマリエの腕を掴んで引き寄せるとマリエに口付けた!

周囲がわっとざわめく!!

マリエのファーストキス(いやもしかしたらカイルかもね)がセティに奪われてしまった!!

第18話 似たもの親子

                       作 あかねさん                               

「あらぁ、なんて積極的なのかしら!!

ねぇ、陛下。

やっぱりマリエの夫はこんな感じの人じゃないとね!!

ラムセスによく似てるわねぇ。」

ユーリはきゃっきゃっと喜んでいるし・・・

当のマリエは呆然としているし・・・

ピアはひゅーっと口笛を吹いているし・・・

セティはうれしそうにしているし・・・

カイルとデイルは今にも怒り出しそうだし・・・・・・・。

皇后陛下、もしかしたらあなた様が私の母上かもしれなかったんですね。

 こんなにお美しい母上なんて、自慢ものですね!!」

「やだぁ、お上手ね。」

「やっぱり、セティもそう思ったか?・・・おやおや、ムルシリ2世。なにをそんなに

 怒っているんだ?おやぁ、デイル殿下も。」

ラムセスのおどけた口調に、カイルは我を取り戻したが・・・・・。

「セティ、ユーリにはもう口づけたか?」

「まだですよ、父様。」

そんなぼそっとしたラムセス親子の会話を聞いて、カイルはぶちきれた。

「ラームーセース!!お前、我が皇女に何をするんだ!!!!」

「俺じゃないってば。」

「同じ事だろう!?お前らは親子そろってわたしのものをうばってくのかぁ!!??」

ラムセスはユーリ、その息子のセティはマリエ。

カイルにしてみれば、そんな親子許せるはずがない。

「もぉ、カイルったら大人げないなぁ。こんな子供に。いいじゃないの、キスくらい。」

「よかないぞ!!!ったく、今日の会議は終わりだ!!とっとと失せろ!」

「もぉ。ごめんねぇ。セティ君、お部屋を用意したから案内するわね。」

ユーリはセティを連れて会議室を出ていった。

ピアは、怒りでわなわなと震えている兄と父親を引きずって部屋を出た。

その際カイルは、マリエもひっぱてきたが。

「やだぁ、セティ様ってかっこいいじゃない。これならお嫁にいってもいいわね。」

第19話  わかっているのか?

                             作 友美さん

「おまえセティに嫁ぐってことは妾になるんだぞ?!?!それをわかっていってるのか?」

ディル皇子は妹の言ってることを間に受けてしまったようです。

「兄様、母様もおっしゃってたじゃないの。

私が心のそこから好きになった方なら反対しないって。

それに結婚相手は私が決めるわ。

兄様が決めるコトではないわ。」

「しかし・・・・」

やっぱりなっとくできないようです。

「兄様、諦めた方がいいよ。

マリエ本気みたいだから。

ねえ、マリエはセテ殿のことが好きなのか?」

ピア皇子が兄をなだめてから聞きます。

「うーん・・・そうですわね。友人として一緒にいるなら楽しくて好きになれるかもしれませんが、恋愛館では論外の方ですわね。

私、ああいう方はタイプではございませんの。

ですからとつぐつもりはございませんわ。」

「なんだ。そうだったのか。まあ、確かに友人としてなら一緒にいて楽しいやつなのかもナ。」

「そうですね。セティ殿はユーモアがある方ですから。」

兄弟妹(きょうだい)で話がまとまったようですねー

***************************************

「父様!私はマリエ姫とは婚姻をしなければいけないのですか?」

「あたりまえだ!そのためにきたのだからな!」

「-・・父様!この縁談・・なかった事にできませんか?」

第20話 解決?またまた波乱?

                        作 あかねさん

「何をいっているんだ、セティ。お前、この日が来るのを俺がどんなに待ちわびたか・・・・。」

「分かっていますよ、父様。

・・・だから、今だけでも。

マリエ姫はまだ、幼いですよ。それに私にはもう・・・・・。」

そう。

セティ君には、もう御正妃がいるのだよ。

「確かに、お前の正妃になってもらわないと困るんだよな・・・・・。

 !!よし、俺に良い考えがあるぞ。」

翌日。

ラムセスは、謁見を申し出た。

セティと一緒に・・・・・。

「なんだ、ラムセス宰相。・・・わたしはこれでも忙しいんだから、手短に話せ。」

「ンも~、カイルったら。昨日からこうなんだから。まったく・・・・・。

いいのよ、気にしなくて。時間はたっぷりあるから。」

ぶすっとした顔で、皇帝の席に座っているカイル。

マリエにキスしたセティも許せないが、その親がラムセスだということが、もっと許せないのだ。

「・・・実はですね、今日はセティとマリエ姫の縁談をお断りに・・・・・。」

ピクッ。カイルの眉が動いた。

「お断りだと?そっちから、かけてきたんだろーが。・・・まぁ、それは好都合。

 ささとエジプトにお帰り下さいな。」

顔はにこやかだが、カイルの口調はかなり厳しい。

「いえ。セティとの縁談は、なくなりましたが、私にはまだ息子がいるんですよ。

セティとは2つ離れた、マリエ姫と近い年齢の子供がね。

その子は、まだ正妃も何ももっていませんからねぇ・・・・・・。どうですか?」

「どうですか?じゃぁない!マリエはまだ嫁に出さないといってるだろう!?」

ガタン、とイスから立つとラムセスに飛びかからんばかりの勢いでカイルはいった。

「・・・カイル、落ち着いてください。・・・・・・・そうね、ラムセス宰相。

会ってみるだけでも・・・・ここへよんでいただける?」

「ユーリ!?お前は何を好きこのんでラムセスなんかの子供にマリエを渡すんだ!

 親がラムセスなんだぞ!ユーリに似たマリエを、息子の嫁にしておくだけで収まるわけないだろう!????!!!??」

ちっ、するどいやつだな・・・・・。←ラムセス心の叫び(?)

「いいじゃないの、会ってみるくらい。

マリエが気に入った人でいいんだから、人選は 広げるべきだわ。・・・じゃぁ、よろしくね。

私は子供の所へ行くから。

あっ、セティ君。まだここにいるようなら、子供達のお友達になってよ。」

ユーリは、セティに手をさしのべた。満面の笑みで・・・・。

「喜んで!じゃぁ、父上。」

ユーリ様って、本当におきれいな方なんだな・・・・・。

弟の嫁なら、僕にとっては義妹か・・・・・。

ユーリ様に似たマリエ皇女・・・・・・・・。

いいなぁ・・・・・・・。

第21話 三つどもえ

                              作 しぎりあさん 

よく考えてみる。

美しいマリエ皇女が、セティの弟シプタハの正妃になる。

シプタハは喜ぶだろう。

父上は・・・

どうも、ユーリ様にご執心だ。

そのユーリ様にそっくりなマリエ皇女に(今は子供だが、やがて美しい大人の女性に成長するだろう)

食指を動かさないとは限らない。

そして、自分は・・・

けっこうユーリ様が好みなわけで・・

とすると、大人になったマリエ皇女に、やっぱり手を出してしまうかも知れない。

とすると、将来的にはマリエ皇女を囲んで、兄弟親子で三つどもえ!?

では、マリエ皇女を自分の妻にすればどうか?

そうすれば、すくなくとも、父と子との二つどもえですむ。

いや、シプタハのヤツが、兄の妻に手を出さないとは限らないし。

するとやっぱり三つどもえ・・

いっそ、父上の妻に・・・

しかし、若く美しい父親の側室と息子の過ちはよく聞く話だし・・・。

セティは、悩んだ。

悩んで悩んだ末に、名案が浮かんだ。

「ユーリ様!!」

「あ、あら、なに?」

「もう一人、皇女を産んで下さい!!」

皇女を兄弟で1人づつ。

父上はユーリ様そのものをもらえばいい。

これで、トラブルはなくなるぞ!!

第22話  喧嘩ご注意!

                             作 あかねさん

「い、いきなり何を・・・・・。」

今セティ達は、デイルの部屋にいた。

デイルはセティがここにいることを快くは思っていない。

「(なんであいつが、この部屋にいるんだ!しかも、母様となかよさそうに!

  僕なんか今日、話してもいないんだぞ!!)」

今のセティの発言に驚いたのは、どうやらユーリだけらしい。

それもそのはず。

子供達は幼いながらも、すでに承知していたのだ。

『母様と父様がいれば、これからどんどん兄弟が増えてくねv』

「ですからですね、ユーリ様。つまり・・・・いや、待てよ。その前に

 父上に・・・・ぶつぶつぶつ・・・・・・。」

セティはまた一人でぶつぶつ言い始めた。

ユーリはそんな姿を見て、微笑ましくなった。

デイルやピア、もちろんシンは、こんなふうにぶつぶついわない。

思ったことを、(それがどんなに矛盾してようが)すぐにいってしまう。

ユーリとしては、子供が悩んでいるところに

「どうしたの?」

と、声をかけてみたいのであって・・・・・。

「何を悩んでいるの?セティ君。」

「えぇ・・・。唐突に聞きます!ユーリ様、父上・・・ラムセス宰相のこと、

 どうおもってますか!?」

この発言に、一番に反応したのはデイルだった。

「どうおもってますか!?じゃぁ、ない!母様、嫌いですよねぇ?」

「わたしは、ユーリ様のご意見を聞きたいんだ!」

ぎゃぁぎゃぁと、けんかが始まった。

2人とも父親がち父親なだけに、口が悪い。

『あ~あ、もしかしてこの子達も一人の女性を奪い合うのかしら・・・・・。』

そんなとき、だった。

「なんの騒ぎだ!これは!!」

カイルが、ラムセスと一緒に現れたのだ。

第23話   リベンジ

                        作 しぎりあさん

「父上、セティのヤツが失礼なのです」

「他国の宰相のご子息をヤツ呼ばわりはいけないぞ、デイル」

 カイルは一応たしなめた。娘に言い寄る浮ついた息子なぞヤツ呼ばわりでももったいないくらいだが。

「でも、よりにもよって母さまを口説くんですよ!!」

 正しくは、母さまを父親の嫁にと口説いたのだけど、そんなことはこの際構わなかった。皇帝を本気にさせるには、皇妃のことを持ち出すのが一番だ。

「なにっ!?」

 皇帝と宰相が同時に叫んだ。

「若造の分際で、ユーリに手を出しただと?」

「セティ、おまえは俺をさしおいてっ!」

 二人して、詰め寄る。共に背が高いので、迫力がある。

「ちょっと、カイルにラムセス!子供相手になに言ってるの?」

 ユーリがかばった。

 セティは、デイルのはしょった言葉を補足するより、目の前に立ったユーリの背中にすり寄ることを選んだ。

(ああ、ユーリさまって、良い匂い・・・)

 じつは、それはカイルの移り香なんだが、カイルにすり寄ったことのないセティには分かるはずもない。

 うっとりしているセティに、3人の男(皇帝、宰相、マザコンの皇太子)の怒りが爆発する。

「離れろ~!!」

「やめてよ、二人とも・・ついでにデイルも。セティ君はあたしを口説いてなんかいないよ」

 背中にセティを貼りつかせたまま、ユーリは言った。

「ただ、もう一人女の子を産んで欲しいと言っただけで」

「お前に子供を産ませるのは、私だけの特権だ!!」

「それは違うな、ムルシリ!いつまでもユーリを独り占めできると思うな!」

「お前なんかに言われなくても、父さまと母さまは毎晩子作りに励んでおられる!!」

「なにを言うのよデイル////」

 セティは、ユーリの肩に腕をまわしながら、形勢不利を見て取り、父親を味方に引き入れることにした。

「ボクは・・・ただ、ユーリ様みたいなお優しい方が母さまだったらいいな、と」

 まあ、とユーリはつぶやき、ラムセスもうなずいた。

「そうだな、セティ。俺はお前にまともな母親を与えなかった。すまないと思っている」

 なにしろ、ラムセスの家には、妻妾が多すぎた。子供だって混乱するだろう。

「そうか、ユーリに母親になって欲しいか。いいだろう」

「良くないぞ!!」

 雰囲気に流されかけているユーリを見て、カイルが叫んだ。 

第24話   親子作戦会議

                           作 こまきさん

切れたカイルはラムセス&セティを蹴っ飛ばして部屋からたたき出した!!

(オイオイ・・・・)

しか~し!

これで諦めるはずのない親子。

親子作戦会議をそのまま廊下でしている。

しゅ~う念深いラムセスは何を考えている尾でしょうかねえ(笑)

その頃 カイル&ユーリは部屋で夫婦作戦会議をしていたとさ・・・・(笑)

「・・・・・・・・・・・・・。」

もの凄く長い沈黙・・・・・

ラムセスは今まであの手この手でユーリ誘拐をしていた・・・

これにうつてはあるのかねえ・・・・

「あっ!!!!!そうだ!!いいことおもいついた!!」

ユーリのデカすぎる声はどっかの

バカ親子(?)のろうかまでひびいていった・・・

「何!?」

と、仲良くラムセス&セティ&カイルは同時に

しかもとっても大きなお声で・・・・

「それはどんなことだ??」

と聞くカイル。

「あのね・・・・・(ごにょごにょごにょごにょ・・・)」

廊下で親子作戦会議をしているバカ親子は

部屋のドアにコップをあてひそかに盗聴していた・・・・

しかしきこえたのはすこしだけ

「・・・・・・・で、・・・ね?・・・・なら・・・・でしょ?」

・・・としか聞こえなかった。

しかも話の内容は全然・・・・・

「ほうほう、な~るほど!さすがは私の妃!!」

と高笑いしてドカ!!!っとドアをあけた。

もちろん(!)ラムセス親子にヒット!!!

・・・・・あ~いたそうなこと・・・

ニヤニヤとカイル&ユーリが笑っている・・・・」

おそろしー・・・・しかあああし!

めげずに、自分の部屋でまたまた親子作戦会議!!!

「・・・・・・・・ならどうでしょう?」

かわいらしい(?)セティの声が聞こえた・・・・

「おお!!それなら!さすがは我息子!!!」

ルンルン気分で部屋を出た二人・・・・

これまた恐ろしいなあ・・・・

ニヤニヤしているユーリがラムセスに話しかけた。

「ねえラムセス・・・・10・・・・だけあなたのつまになってもいいわよ」

「10分の間違いじゃないだろうな!?」

「ええ。」

やはりニヤつくユーリ。

早速今日から10・・・・妻になることになった。

?・・・・10・・・・・・?

――・・・10分後。

「さ、ユーリ。そろそろ政務に行こうか。」

「うん!そうね!カイル!」

???

「おっおい!何処行くんだよ!!!」

「何だ?」

「何だってユーリは俺の・・・・・」

妻・・・・!といいかけたときにカイルがラムセスの口をつかんだ。

「!?・・・ふぐっ・・・・・・おっおいユーリ見て・・・ねェでたすけ・・・」

「いいか?ラムセス。ユーリは10だけお前の妻になるといった。その10はもう過ぎたのだ」

「は!?」

「何いってやがる!まだ10日過ぎては・・・・・!!」

はっ!と気づくラムセス。

10ってもしかして・・・・・

「お・・・お前!10って10分のことか!?」

「そうよ?」

「10日なんて一言も言った覚えないわ」

「私は「ええ。」といっただけよ」

高笑いするユーリ。

どうなるか!ラムセス親子!

またまたユーリとカイルラムセスの

部屋にグラスで盗聴してるとこんな音が聞こえてきた。

「よし!セティ!荷物はまとまったな!」

「はい、父上!」

ガザ!ゴソゴソ!

「さて!出発するか!」

その言葉を聞いた瞬間

ユーリとカイルは目を丸くした。

「はぁ?なんで・・・?アッサリしてんのねえ・・・」

「さぁなあ、なんだたんだ?」

首をかしげている間に

カイル&ユーリの部屋に入ってきたラムセス。

「おやおや、一国の陛下が盗み聞きしてるとは

 珍しいものを見てしまったなあ。」

「・・・・・・・・・・。」

「じゃあ!てめ~らの盗聴したとおりだ!じゃあな!」

といってラムセスは行ってしまった。

「・・・・。」

長い長い沈黙の中やっと一言の言葉が出た。

「妖しい・・・・・。」

さてさてラムセス親子は大人しく帰るのか?

第25話  にわか怪盗・ラムセス

                         作 伊都さん

ラムセスと息子のセティはハットゥサの街の中で話をしていた。

「さすがのムルシリも王宮を出た後の俺たちの行方まではつかめまい」

「はい、父上。それでお持ち帰りのもの、三つともうまく持ち出せるでしょうか?」

「ひとつは簡単だと思うんだよな。

 もう二つがうまく持ち出せるかどうかが、俺たちの腕の見せ所だな」

「ええ。せっかく家に入った”元祖怪盗○○”を生かしておいて、

 そのうえで、盗みについての手ほどきを受けたのですよ。

 そう簡単にはつかまったりしませんよ。がんばりましょう、父上」

「よお~し!!この”にわか怪盗ラムセスさま”が初仕事を開始するぞ!!」

 王宮に忍び込む”にわか怪盗ラムセス”とその息子セティ。

「い、意外と厳重な警戒ですね。父上?」

「当たり前だ。なんと言っても王宮に忍び込んだんだぞ。

 そう簡単では面白くもなんともないじゃないか」

・・・すでにラムセスはすっかり怪盗の気分に浸りきっていた。

しばらく進むうちに、二人はかぎのある部屋へとたどり着いた。

「さて、開けるか。

 なあセティ。このとびらは、”金の針”、”銀の針”、”銅の針”のどれが一番開けやすいと思うか?」

「・・・そうですね。でも父上ご自身はどれだと思われますか?」

「う~ん、俺はだな・・・・」

くだらない議論を繰り広げる二人。

こんなことで、盗み出したいもの三つは盗めるだろうか。

そして今回登場しなかったユーリ達はどうしたんだ?

早くしないと”にわか怪盗ラムセス”の手によりこの王宮からなにか三つのものが盗まれてしまうぞ!!

第26話  ラムセス親子、誘拐劇!?

                              作 春菜さん

「そろそろいいだろう。やはり ~~~~が金の鍵。だろう。」

「やはりそうですね。ではさっそくまいりましょう!」

などとラムセス親子はヒソヒソと話していた。

今は夜・・・。

「まずてはじめに、マリエ皇女を・・・。」

と息子のセティ。

「いや、さきにユーリを・・。」

「ですが父上、ユーリ様は今頃、皇帝陛下と・・・・。」

「ええい、いうなセティ。思うだけでも腹が立つ!」

(父上、前ユーリ様が、父上のところにいたときなど皇帝陛下がおもわれていたの では?でもいったら怒られそうだからやめとこう・・。)

「では、さきにマリエ皇女を・・。」

 

闇の中の王宮で、何かがうごいた。(キャー、ラムセスにはもったいない言葉!)

マリエの寝室・・・

甘い香の臭いがただよってきた。

「う・・ん・・・?」

「マリエ皇女・・・。」

マリエが香の臭いにきがつき目をあけたさきには、布を口につけたセティがたっていた。

「セティ殿・・?」

起きあがろうとすると、手足がしびれて自分の意志ではおきあがれなかった。

「少々がまんなさってください。」

マリエの意識がうすれていった。

一方、ラムセスは・・。

第27話 続・ラムセス親子、誘拐劇!?              

                           作 銀兎翔さん

さて、そのころラムセスは後宮のユーリの部屋へと向かっていた。

「・・・マリエ皇女の方はセティがうまくやっているだろうか・・・。

おっと、そんな事言っている時ではないな」

「ユーリ、ユーリっと」

しばらく歩くうちにユーリの部屋へとたどり着いた。

ラムセスは息を殺して、中の様子をうかがった。

「・・・・・? 何の物音もしない?

 けっ!!ムルシリの野郎の部屋か!?

 せっかくこの俺様がきてやったというのに・・・」

と扉をひらいた。

するとそこには、ユーリが一人で眠っているではないか!!

あまりにもぐっすり眠っていて、さすがのラムセスも気がつかなかったようだ。

「お!!ラッキーだな!

しかも邪魔なムルシリはいない! チャンスだぜ!」

とユーリのそばへ寄った。

そうしてユーリにマリエ皇女に使ったのと同じ香を使って、覚醒できないようにしてユーリを抱き上げた。

もちろん(?)

「おやすみ、ユーリ」

と、軽くくちずけをして・・・・

しばらくそのまま悦に入っていると押し殺したセティの声がした。

「いつまでやっているんですか、父上。

 はやく脱出しましょう!!

 あまりにも遅かったから、僕がもうひとつのものを、盗んできましたよ。」

「お、ごくろうだったな、セティ。

 それでこそ俺の息子だ!!」

と、ラムセスは労をねぎらった。

「よし、こんなところに長居は無用だ!

 脱出するぞ、セティ!!!」

 

セティがぬすみだしたもうひとつのものとは?

そしてラムセス一行は、無事逃げられるのか?

 

カイル!!どうする!!?

このままでは、愛妻ユーリと、愛娘マリエ、そしてなにかもうひとつの大事なものが盗まれてしまうぞ!!

第28話  私のっ・・・!!!

                          潤子★さん

そして・・・朝。

「大変だ~!!!」

後宮中の者を起こすような皇帝の叫びがきこえた。

その声に後宮中の者が集まってきた。

『父上、どうしたのですっ!!!』デイル皇子である。

ピア皇子や元老院も集まってくる。

「朝、起きたら枕元にこんな物が・・・」

カイルは、青ざめながらにぎっていたタブレットを差し出した。

デイル皇子は青ざめる皇帝からタブレッドを受け取ると読み上げ始めた。

そこには・・・

『3つのお宝はいただいていくぜっ★怪盗エジプトの・・・薔薇・・・』

それを聞いた瞬間静寂がおとずれた。

そして、その静寂を打ち破ったのは、カイルとデイルの叫び声だった。

「ユーリっっっ!!!」

『マリエっっっ!!!』

そして2人は、駆け出した。

そして、慌てて皆追いかけだす。

《バンっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!》

そして・・・

《いない~~~~~~~~!!!!!!!!!》

という2人の絶叫が聞こえた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それはそれでいいけど皆もう1つの宝を忘れているぞお~~~~~~~~!!!!

早くきずけっ!!!!

カイル!

デイル!

イル!!!!

それこそがっ君達が正式な関係である証だぞ!!!!!

第29話 目覚めれば...

                        作 moko☆さん 

さらさらという川の流れる音。

男性の話し声。

そのなかでマリエは目を覚ました。

もうろうとする意識の中、マリエはその声を聞いていた。

「...でも...しかし...」

段々はっきりしてくる声。

「...でも本当に良かったんでしょうか?他国の王妃と皇女をさらうなんて...。下手すれば国際問題ですよ...?」

マリエはゆっくり声のする方を向いた。

そこには、セティとラムセスの姿が。

「...セティ殿...?」

マリエはやっとの事で声を絞り出した。

セティはマリエに気がついたらしい。

「マリエ姫!お目覚めですか?体がだるいと思いますが、時間がたてば治りますから安心してください。」

「...セティ殿...母様は...?」

「隣で、まだ眠ってます。」

マリエは後ろを振り返り、初めて母がいる事に気がついた。

「ちょっとユーリの方が薬が効きすぎてな、もうすぐ起きると思うぞ。」

セティがいる方を見ると、ラムセスがいた。

「...う..ん...。」

気がつくと、ユーリが起きている。

「あら、マリエ。あなた、母様と一緒に寝てたかしら?

 ...あら、ラムセスにセティ君。エジプトに帰ったんじゃなかったっけ?」

「ユーリ様、落ち着いて聞いて下さい。実は、私と父上とで、ユーリ様とマリエ姫を誘拐したんです。」

「はぁ!?」

ユーリはがばっと起き上がった。

どうやら薬の効果が切れたらしい。

ユーリが外に出てみると、エジプトまですぐそこだった。

果たして、ユーリとマリエは本当にエジプトに連れていかれるのか?

第30話   どうする!?

                        作 作 moko☆さん 

さらわれた?

「お母様!わたし達どうなるの?」

「うん・・・なんとかしないとね・・・・・・」

ユーリはあたりを見まをした。

すると・・・

ユーリは、頭の中で、すばやく計算をした。

そして、何か思い切ったように肯くと、マリエに、声を低くして話し掛けた。

「マリエ、良く聞いてね。母様、考えたんだけどね、ここはもう、エジプトにいるも同じなの。

だから、もういっその事、逃げるのは止めて、しばらく休みましょう。」

「母様!!お気は確かですの!?」

マリエは、驚いたような声を出した。

それでも、声は押さえている。

「マリエ良く考えて。ここは海の上よ。

泳いで逃げるって言ったって、おなたはまだ泳げないでしょ?

それに、ここには、母様の古い友人がいるわ。

その人さえいれば、(たぶん)大丈夫だから。それに、マリエには、母様がいるわ。一人より心強いでしょ?」

「そ、それはそうかもしれませんけど...。」

マリエが意見するように言った。

「も...もしも..。もしもですよ。その母様のお友達がいらっしゃらなかったら...どうするんです?」

「ああ、心配しなくても、ちゃんといるはずよ。その人はね、ネフェルト。

ハトホル・ネフェルトっていうの。」

するとユーリは、今度は大声でラムセスに聞いた。

「ねぇ、ラムセス。ネフェルトはちゃんとあなたの家にいるんでしょ?」

「ああ、もちろん、いるよ。お前をさらって帰る、という書簡を送ったからな。あいつの事だから、今ごろ俺の家でのんびりしているだろうよ。ああ、着いたぞ。準備は出来てるだろうな。」

さらわれたのよ?もともと手ぶらなんだから、準備する物なんてないわ。」

と、ユーリはため息混じりに言って、

「さ、マリエ。行きましょ。」

と、マリエの手をひいて、微笑んで言った。

一歩エジプトに脚を踏み入れると、いきなりネフェルトがユーリに飛びついてきた。

「ネフェルト!!久しぶり!変わってないね。」

と言って、ユーリは笑顔で言った。

「ユーリも変わってないわね。」

とネフェルトも笑顔で返した。

すると、ネフェルトの隣に男の子が一人来て、

「はじめまして。ユーリ様ですね。私は名をシプタハと申します。」

と、きれいな顔立ちの男の子が言った。

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