花に嵐のたとえもあるが・・・おまけのはなし5

 *

「・・・もう・・・寝た・・・の?」

遠慮がちに響く牧野の声。

「寝るわけねぇだろう」

慌てて布団の上にあぐらをかく。

牧野に気付かれないように股間の上に枕であてた。

結構きつい体勢。

女には分かんねえだろうけど自分からは動けそうもなかった。

そうは言っても牧野から俺に近づく気配は全くなし。

「髪を乾かしてくるね・・・」

「待て・・・」

立ち上がりかけて立ち上がれずに座りこむ。

無情にも俺を置いてふすまを開けて洗面所へと向かう牧野をなにも出来ずに見送った。

髪が濡れて様が、身体が濡れて様が関係ねぇんだけど。

早く準備が出来過ぎた俺の体が恨めしい。

落ち着け・・・

別の事を考えよう。

今日は珍しく歩いたからくたくただ。

牧野も足が痛いとか言ってたもんなぁ。

マッサージとかいいんじゃねぇ?

俺がしてもらう・・・。

いや牧野の体を俺がマッサージ!

上から・・・下から・・・まん中まで。

ウッ・・・

ダメじゃねーかぁぁぁぁぁ。

全然の収まんねぇーよぉッ。

「どうしたの?」

前かがみの俺を覗き込むように目の前で牧野が布団の上にちょこっと座る。

心配そうに大きく見開かれた瞳。

温泉で温めれた身体がまだ赤く色づいている。

鼻先に嗅ぐ石鹸の清潔な匂い。

すべてが俺を刺激する。

「牧野・・・」

「俺・・・」

「我慢できねェッ」

ガバッと牧野を押し倒す。

完全に飢えているオオカミ状態。

「ちょっと」

牧野の反応なんて気にすることもできなくて、はだけた胸元に顔をうずめこむ。

オッ!ブラつけてねぇぞ。

牧野の心遣い?

思わずうれしさがこみ上げた。

胸からも袖口からも裾からもどこからも素肌に入りこめる状態に本能がかきたてられる。

「やさしくなんて出来そうもないから・・・」

「ごめん」

一応謝って牧野の唇に自分の唇を押してた。

無我夢中。

貪りつくとはこのことか。

抗う素振りも観念したように収まって牧野の腕がそっと俺の背中を抱きしめた。

潤いの中に導かれ想いのままにつき進む。

時折漏れる牧野の甘い吐息に励まされる様に大胆になって動きが増長される。

胸の鼓動が激しくリズムを刻んでパタッと止まる感覚が押し寄せて果てた。

「次は大丈夫だから・・・」

「大丈夫って・・・なにが?」

「やさしくするから」

「ば・・・か・・・」

胸元に顔をうずめて小さく牧野がつぶやく。

俺の視線からは牧野の顔は隠れて表情は見れない。

きっと真っ赤にしてるんだろうな。

そして愛しさがとめどなくあふれ出す。

「顔・・・見せろ」

胸元から顔を上げようとしない牧野をしょうがないからそのまま抱きしめた。

蛇の生殺しはこの辺で御開きとなりました。

ゆ~るい甘ですがこんなもんで~

まだ続くお話は考えておりますが(^_^;)

書くかどうかは気分次第という事で♪