第14話 DOUBT!!  17

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全部敵を誘いだすための罠。

簡単に言えばそうなる。

その為にSPの数を減らして相手が行動を起こしやすいようにした。

なんなくその罠に誘い込んでそこから首謀者を捉える。

問題は解決して一件落着。

「道明寺は知ってたの?」

返事によっては許さない!みたいな構えを見せる牧野。

あいつらは説明だけしてさっさと姿を隠しやがった。

あとは二人でごゆっくりって・・・

そんな雰囲気じゃねーぞ。

「バカッ」

「俺が知っててお前を囮にするわけねえだろう」

ここは力強く否定する。

「もう、怖かったんだからね」

薬をかがされて!

記憶がなくなって!

気がついたら知らない部屋で!

愚図ってグジュグジュになる顔。

鼻水まですすりだす。

そんな責めんな俺のせいじゃねぇ。

・・・やっぱ

原因は俺だから、俺のせいか。

助けに来た時は俺の知らねえ男と和んでいたように見えたっけどな。

思い出したらムカッときた。

ここは気持ちを押し殺して慰めたほうがいい。

分かっていても気持ちを閉じ込めるのは苦手だ。

「助け待ってるようには見えなかったけどなッ」

牧野を責める様に言葉を出しながら胸の奥が「やってしまった」とつぶやいてる。

「私が悪いの!」

「そんなことは言ってない。俺意外の男とべたべたしてんじゃねーよ」

「べたべたしてないでしょう」

気の強さが徐々ににじみ出てきてつり上がる眉。

防戦!攻防!

完全に抱き寄せるタイミングを外してる。

「帰る!」

「はぁ?」

「車止めて」

「ここ高速だぞ」

不満を有りありにのせたままの表情がそっぽを向く様に車の窓ガラスを見つめた。

「お前がいなくなって、どれだけ慌てたか・・・」

「心配してたんだからな」

「一晩中探したんだぞ」

さっきの言葉を取り消したい一心で反応を見せない牧野を横目に見ながらハンドルを握る。

「お前に何かあったら俺、生きてねえぞ」

「大げさだね」つぶやいた声にクスッ笑う声が混じる。

「ありがと」

何とか機嫌直ったと胸をなでおろす。

このままあのマンションに戻って抱きしめあおう。

高鳴る思い。

牧野の右手がそっと俺の左手を包むように握った。

運転手つきの車にしておけばよかった。

伝わる温もりに体中が熱くなる。

すぐに抱きしめられないのは拷問だ。

「事件は解決したんだよね」

「ああ、もう心配いらない」

「それじゃ家に戻ってもいいよね」

うれしそうな声が助手席から響いてる。

俺達二人の部屋。

新婚気分満載で楽しかったよな。

それなのにお前はもういいのか?

俺には足らないぞ。

この際もっと・・・

こう・・・

仲よく・・・

邪魔されずに・・・

「久しぶりにママたちに会える」

ハミングするように聞こえてきた。

そんなに喜び露わにするんにすんじゃねぇーーーーーッ。

結局・・・

俺達のマンションを素通りして牧野の家族のもとへ牧野を送り届けた。