If 5

ここから司クンお持ち帰り出来たんでしょうか?

そう簡単には・・・(^_^;)

想像してる方にはもれなくドS倶楽部の認定証をお送りします。

冗談ですよ~。認定書なんて作ってませんから(^_^;)

本気で作る気になってたりして・・・。

*

「ついてこないで」

立ち止まったと思ったら振り返って怒った顔がつぶやいた。

まあ、俺も大人気なかったって思ってるよ。

だからってしょうがねえだろう。

男たちが牧野に話しかけるだけでどうしてこれだけ腹立たしくなるか。

自分でもコントロールできなくなるんだから。

俺としてはずいぶんおとなしかった方だと思うけどな。

大体牧野は誰にでも愛想がよすぎるんだよ。

牧野に睨まれてるのに、やっと俺を見たって、喜んでるだからどれだけこいつに惚れてるのか分らない。

「帰る方向が同じだけだろう」

「道明寺の屋敷はそっち」

牧野が指さしたのは俺の帰る方向じゃなくてノロノロと車道を走らせてついて来る高級車。

「お前を一人で夜道にほうりだすなんて出来ねえだろうが」

「いつも独りで帰ってるもん」

「おい、いい加減機嫌直せ」

グイと牧野の腕を掴んで引き寄せた。

強気な瞳は俺を否定するように睨んだままだ。

グイッと顎を掌で持ち挙げた直後牧野の手のひらが俺の唇を塞いだ。

「ヘンなことしないで」

「別にキスしたかっただけだろうが」

腕を必死に突っ張ってどう見ても俺が牧野を襲ってるようにしか見えねェ。

ここで叫び声でも挙げられたら痴漢に間違えられそうな俺。

声を上げないところはその辺はこいつも気を使ってるのかもしれない。

「テッ」

足を思い切り踏まれた。

「俺に会いたくなかったのか」

足の痛みを堪える間に牧野は飛び跳ねて俺の腕の中から逃げ出した。

「昼間会ったもん」

「どこで?昼間は俺会社だったぞ」

今朝空港についてそのまま本社に出社。

ようやくスケジュールが空いたのは夕刻前。

俺を訪ねて本社に牧野が来たって報告は受けてない。

受付と秘書室の前をアポイントもなしで俺の前に通されるのは牧野だけの特権。

「テレビの中で今とは別人みたいな威厳たっぷりの大人な道明寺を見てたもん」

それは録画だ。

「彼氏にしたいナンバー1とか上司にしたいナンバー1とか噂されるのもあれならわかる」

真ん前にいる俺を否定するように牧野がつぶやく。

どっちも俺だろ。

「鈴木さん、きっと立つ瀬ないよね」

「噂になったらかわいそうだよ」

「道明寺が自分でばらすから」

その原因はお前だろう。

ぶつぶつ言ってもいまさら遅い。

「心配するな人のうわさも四十九日って言うだろう?」

「それを言うなら七十五日!四十九日は法要!」

ホウヨウって抱擁か?

考え込む俺を無視して、くるりと背を向けてズカズカと地響きをたてそうな勢いでまた牧野が歩き出した。

これで俺まで背を向けてお前の後を追わなかったら、なおさら機嫌が悪くなるんじゃねえのか?

手がかかる奴だよ。ホントに!

牧野の2歩に1歩の俺の歩幅。

街灯に照らされて映し出され影は重なって仲よく一つになってる。

出来るなら影じゃなほうがいいに決まってる。

「なぁ、お前どっちの俺が好きなんだ?」

右足を一歩大きく踏み出したままバランスを崩したように牧野の身体が揺れた。

「大丈夫か?」

差し出した腕が身体を支えるように抱きとめる。

「たく、これだから目が離せない」

「どどど道明寺がいきなりスキとか聞くから」

キョドッとなって視点が定まらない牧野は耳朶まで真っ赤に染まってる。

こいつの怒りを解くのはスキとか愛してるの言葉の方が有効なんじゃねェの?

それならいくらでも言ってやるぞ。

クスッとしたむず痒い感覚が心の奥から身体に流れてくる。

「・・・で、どっちが好きだ?」

背中から抱きしめて胸の前で腕を交差させて唇が耳朶に触れるようにつぶやいた。

「・・・」

「言えよ」

「言わない」

中越しで見えない表情。

「照れるな」

「照れてなんかないから」

牧野の体温が上昇して行くのを触れあったままの身体で俺に伝えてる。

ドクンと高鳴る心音も牧野の胸に触れてる腕にまっすぐ聞こえてくる。

「爆発するんじゃねぇの?」

「へっ?」

「お前の心臓」

首をそらせて牧野が俺を見上げた。

そのまま触れあった唇がチュッと軽めの音を鳴らす悪戯なキス。

「二週間ぶりだッ」

パクパクと声にならない声を上げて動揺を見せる牧野に笑みがこぼれる。

キス一つでそこまで焦るな。

今度はククッと遠慮なく俺の唇から声が漏れた。

さぁ!この後♪ この後♪

引っ張るなぁ(^_^;)

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拍手コメント返礼

b-moka

御疲れ様です♪

どっちが好きかなんて聞かなくてもわかってるのにねぇ~

それを聞きたがる子供っぽいところがたまらなくツボなんですよね。(笑)

西田さん日記も喜んでいただきうれしいです。

プンちゃんのママ様

パスワード届いてホッとしました。

つくしちゃんはどっちの司もスキでしょうけど、どっちも嫌いって言わせたいなぁ~。

司君はムッとするだろうけど(笑)

ゆっちゃん様

素直なつくしちゃんたまには見たい。

一番思ってるのは司君でしょうか(笑)