white day side story 5

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こんなにうれしかったことはない。

毎月憂鬱でしかないお客さんだったのに。

なにやら腹部の違和感と下着の湿った感触でトイレにと走った。

確認して思わず飛び出す「ヨシ!」の掛け声にガッツポーズ。

やった後で慌てて周りに誰もいないことを確かめた。

個室だ―つの。

トイレを飛び出した勢いのまんま道明寺に飛びついた。

「道明寺、始まったよーーーーー」

思わず泣きそうになってグッとこらえる。

私に抱きつかれたまま座り込んだ道明寺は声を発するのを忘れた様に気の抜けた顔になった。

「やー今回はドキドキだったな」

今の私はこのまま道明寺にキスしたい気分だ。

「どうかした?」

「まあ・・・良かったな・・・」

歯切れの悪い声。

「妊娠してた方が良かったの?」

覗き込むように首を横に動かした。

「そしたら結婚すんだろう」

ふてくされた様に道明寺が口をとがらす。

「あーーーーもう、情けねえ」

「調子狂われされっぱなしだ」

道明寺の右手が動いて首に巻き付いて抱きしめられた。

「お前が喜んでるの素直に喜べないんだ」

「うん」

「不安だったの知ってるのに、ごめん」

「うん」

「本気で結婚したかったんだからな」

「うん」

それしか言葉を知らないように同じ言葉しか出てこない。

「後2年しか待たないからな、そんときは逃げんなよ」

きっと・・・

何と返事をしても、言葉なんかじゃ伝えられないくらいに愛してる。

「もう、これからはちゃんとしてくれないとダメだからね」

しばらく抱き合ったままのぬくもりの中でやっとそれだけつぶやいて抱きしめた。

心臓が口から飛び出しそうになった。

「それ? 今からか?」

「今からって・・・」

身体をずらして私をじっと見つめるまなざし。

「もっと抱き合いたい」

期待感いっぱいの哀願する子犬の様。

「だから今度はちゃんとするから」

成犬になって好物を目の前にダラダラとヨダレをたらしそうな表情に変わった。

もう!

ヤダ!

さっきの『愛してる』取り消したい。

「覚えてる?」

「ちゃんとしてくれないとダメって言ったのはしっかり覚えてるぞ」

ニンマリと緩む頬。

ヨダレ垂れたか?

「そうじゃない」

「今、私生理なの。出来るわけないでしょう」

彼氏の前で生理をこんなに連呼させられるとは思わなかった。

恥ずかしすぎる。

「バカッ」

思い切り両手で道明寺の肩を押した。

「イテッ」

ドテッと床に頭を打ち付けられる鈍い音が私たち以外に誰も居なくなった廊下に響いた。

ち**様リクエストのつくしちゃん目線はこんな感じでいかがでしたでしょうか?

後は・・・神様?

堕天使じゃなく怠天使類?

ち**様~どんなお話か思いつきませんよ~(^_^;)