FIGHT!! 13
怪しい雲行きの入園式。
早く終わらせて帰りたいだろうなつくしちゃん。
まだF3の出番が少ないと思ってる私。
ここからどう進めるか迷っています。
*「何やってる?」
左の腕に体重を全部乗せてしがみつくつくし。
流石に重い。
「威嚇した後は手が出るかなぁ・・・なんてね」
駿の入園式で暴れるほどガキじゃない。
駿も抱き上げているんだ。
子どもの前でバカなことはしない。
親としての自覚。
「俺を見くびるな」
ここ数年人を殴ったことはないだろうがぁ。
俺のひと睨みで刃向おうとする奴はほとんど黙り込むパターンが常識化されつつある。
俺に意見するのは西田に類、総二郎、あきらにタマ。
最大級はつくしお前だ!
って・・・結構いるな。
俺の目の前で「つくしちゃ~ん」なんてすり寄るタイプの奴は初めてだ。
大体俺が隣にいるときは俺に遠慮してつくしに声をかけるのもためらいがちになるのが普通の大人の反応。
青池和也の顔のほころび方は俺を無視してる態度に見えてしまう。
こんな苦々しい思いは子どもの頃からも感じたことがない。
「おっ~親となると違うね」
「高校時代のお前なら教室が廃墟になっている」
そこまでひどくないだろうと、総二郎とあきらを否定できないつくしに出会う前の俺。
道明寺の力がなければ刑務所行きだ。
「周りの保護者はどうやら司の高校時代を知ってるらしい」
類の言葉が示す通りなぜか教室の片隅に身を小さくして固まっている保護者。
遠巻き状態になって俺を見つめる。
オリのない荒野で距離を必死にとって猛獣から身を守ろうとする緊張感が漂っている。
「見ちゃダメ」
子どもの両目を母親が手のひらでふさいだ。
まだ何もしてないだだろうがぁ!
こそこそと教室のドアから出て行こうとする塊が俺の視線にピタッと動きを止めた。
少しでも動いたら襲われかねないとでもいうように身体の震えを抑えようと必死だ。
襲わねぇよ。
この状態を意に介せずの輩は一人。
つくしとの再会を無邪気に喜んでいる。
幼馴染だったという男だ。
つくしの周りにいる類、総二郎、あきらだけでもウザったい。
それでもある程度の配慮は見えるから安心できる。
青池和也の場合は『つくしちゃん大好き』光線を出しまくりじゃないか。
気に入るわけがない。
懐かしそうに喜んだつくしの表情が今はほとんど硬くなってひくついているのがわかる。
つくしの考えは俺の不機嫌さより無頓着な空気の読めないやつを心配してるのだろうけど。
「行くぞ」
「えっ」
「もう入園式は終わったんだろう」
右の腕で駿を抱きあげたまま左手でつくしを掴む。
少しでも青池和也からつくしを引き離したいのは単なる嫉妬。
俺以外相手にするはずないのにつくしに向けられる好意的視線はいまだに排除したくなる。
つくしが青池和也を振り向くのも拒んで足早に教室を出る。
後にした教室でハーと一斉に漏れた安堵のため息。
「俺の講演は今からだけど」
後ろからにっこりと笑顔を作る総二郎。
「お前の講演なんて聞かなくてもわかる」
今日のこいつらほどわずらわしいものはない。
「失礼だな。親友なら普通出席して俺の相手方を務めるとか思わないのか?」
「あきらも類もいるだろうが」
「お前が一番華があるよ」
総二郎とあきらがタッグを組んだ。
「司が出なければ牧野に頼む手もあるんじゃない?駿が出ても可愛いかも」
類まで手を貸した。
「なにをたくらんでる」
こいつらが一つになるときは絶対裏になにかあるんだ。
今までの経験でそれは立証ずみ。
すべて俺とつくしのために動いてるという実績もあるからは無下にできない。
「挽回する必要あるんじゃないか」
「せっかくの入園式がこれじゃなぁ」
「駿もこれじゃ楽しくないよな?」
総二郎の講演で楽しくなれるとは思えない。
大体茶道自体が侘び寂の世界で眠くなるだけだ。
「面白そう~」
嬉しそうな反応見せるなッ!つくし!
駿まで「やるッ~」って、有りか?
駿につくし二人を盾に取られた状態では拒否できない。
無理に連れて帰ろうとしたら拗ねた顔が絶対二つは出来上がる。
そして「司、お前だけ帰れ」と類らに言われる俺。
帰れる訳がない。
シミュレーションは少しずつ俺を身動きできなくする。
結果は最初から決まってるようなのもだ。
まだ帰れそうもない。
3人の涼やかな笑顔が俺を見つめる。
見たくねぇ。
お前らのその勝ち誇ったような顔!
何をさせられる!
急に不安になった。
拍手コメント返礼
sa*****様
この先は~。
いろいろ考えすぎてまとまらない状態で~
考えすぎて禿げそう・・・(^_^;)
もう少し考えます。
b-moka様
嫉妬しなきゃ司じゃない!
いつまでこの感じなのでしょうか?
30歳過ぎたら落ち着くのかな(^_^;)
ダンディーな司もいつか書きたい気もしますが・・・。
書けるのが先か書けなくなるのが先か・・・。