FIGHT!! 20
いよいよつくしちゃん幼稚園ママゴンとの対決!
別に対決させなくても~。
ねこままさんのリクエストはつくしちゃんが道明寺つくしだとは気がついてない展開でとの要望。
ばれるところが醍醐味ですよね。
でも話を作る私は大変なんです。
イメージをうかべて言葉にする作業。
PCのキーも時々間違って打ってるし変換が違っていることもしばしば。
手書きが一番間違いないんだろうけどなぁ。
そう思いながらまた見つけた誤字。
はぁ・・・。
皆様からいただけるコメントと拍手が活力です。
それでは続きをぷちっとどうぞ♪
*公共の乗り物の方が時間が正確だから楽なのよね。
自分の考えを尊重して司の最初の言いつけを簡単に破る。
ばれても「しょうがねぇな~」程度の小さな不機嫌さですむはずだ。
せっかくだから地下鉄の駅までは車で送ってもらった。
そのまま午後の仕事に向かうつもりだから紺のジャケットにタックスカート。
金色の弁護士バッチを襟につけたあまり目立たない装い。
私の持ってる服の中じゃ上質な方。
結婚したての頃に着ていた大量生産のリクルートスーツはいつのまにかクローゼットから消えて無くなっている。
一点もののオーダーメードの服が並ぶクローゼット。
こんなにいらないんだけど。
スーツを選びながらいつも思う。
1度来た服は2度と袖を通さない。
そんな金銭感覚が身につくのは私には死んでも無理だ。
片手には大きめのサイズの封筒も入るビジネスバック。
なめし革仕様。
ビジネスバック片手に食事会に現れるの・・・ほかにいるわけないよねと苦笑気味。
駅から歩いて向かうホテルメープル。
入り口で私だとバレちゃうとベルボーイからフロント。
フロントから支配人へと伝言ゲームが始まるからこそっりと人目を避けてエントランスに向かう。
司と一緒だと一歩足を踏み入れただけで、その場の空気が変わって人目を引くからすぐに責任者が飛んでくる。
私一人だとバレる度合いは寸断に低くなる。
そのまま運よく到着したエレベーターに御客と一緒に飛び乗った。
「何階をご利用でしょうか?」
にっこりとほほ笑んだ女性従業員。
「あっ・・・」
小さく上げた声を飲み込んで丁寧に頭を下げられた。
ばれた・・・。
「ここで降ります」
目的地に到着する手前でエレベーターを降りる。
あとは非常階段で最上階へ。
息を切らせて駆け上がってついたフランス料理店。
なにやってんだか。
入り口で英徳のと言いかけたところですぐに案内された奥まった個室。
ウェイターがドアを開けた瞬間に一斉に集まるいくつもの視線。
それは足元から頭の先まで一通り通り過ぎて興味がないようにテーブルの中央に戻った。
上座の席に集まった数名の集団から離れて座る一番隅の席。
私の存在は忘れたように途切れた会話を再開させている。
「道明寺の奥様、今日いらっしゃるんですよね?」
ギクッとなって緊張が走る。
ここで自己紹介した方がいいのか?
「道明寺様の奥様って、確か・・・超庶民でしたよね」
私たちとは生まれが違うとでも言いたげな見下した表情。
このあたりの嫌味は見慣れてる。
「入園式のとき、私F4の皆様勢ぞろいで目が離せなくて奥様のお顔みてないんです」
「まあ!私もそうなんですの」
「滅多にない目の保養でしたよね」
「そうそうあの輝くF4から目が離せなくても仕方ありませんわよね」
「道明寺の奥様と言えば婚約発表のときのお写真!ありえないて感じでラーメンほうばってたし」
「お顔立ちもはっきりしませんでしたよね」
5年前の婚約発表で使われた大口でラーメンを食べた写真。
過去の遺物でそろそろ忘れされてもいいはずだ。
ここでまた生きてるとは思わなかった。
私がその張本人です!
手を上げるタイミングが逃げていく。
「私、ラーメンーなんて食べたことございまさん」
「あたりまえですわよね」
「道明寺のお坊ちゃん道明寺様に瓜二つでしたよね」
「あのまま成長されれば義理の息子って可能性もありますわね」
「顔立ちから言えばうちの娘が似合いだわ」
3歳の子ども相手に考える話題じゃない。
早すぎだっ!
それに保護者の付き合いでいっぱいいぱいなのに親族の付き合いができるわけない。
話が弾む間に少しづつ埋まっていくテーブルの席。
一つだけぽっつり空いている。
きっとそこに座るのが道明寺の奥様の設定になっている上座の席。
あんなところに座る気分にはならないよ~。
目の前に座った一人の女性。
品のいい服に品のいい微笑み。
それは冷たさと侮蔑気味な失笑を併せ持つ。
「あら、お仕事されてるんですか?」
「ええ、まあ、この後も仕事のものでこの格好で失礼します」
負けるもんかと意志ものせてにっこりと笑顔を作る。
「忙しいんですね」
それは思いやってる感じじゃなく卑下する声。
「共働きで大変なんですよ」
開き直ってばれるまで道明寺って名乗るつもりは頭の中から消え失せた。
言いたいこと全部吐き出してもらおうじゃないのッ!
「まあ、大変ね」
「でもそうやってご夫婦でお子様を英徳に通わせるといいこともありますわよ」
「私たちの付き合いに無理に合わせる必要はありませんから」
左横の女性の言葉を目の前の女性は相槌を打つように頷きを見せる。
子どもを英徳に通わせるために必死で働く夫婦の構図が出来上がってる。
全員似たようなお嬢様タイプが揃ってる。
今の自分の生活を自分の力だと勘違いしてる嫌いなタイプ。
人の価値は身に着けてる品物と家柄の基準でしかない。
まともな話ができる人種はいないのかぁぁぁぁぁ。
「そういえば、道明寺の奥様は庶民だそうだから、このようなフレンチをいただくのご無理かもしれませんわね」
大学に入学したばかりの私なら食事のマナーもダメだった。
笑われても仕方のない失敗。
あんなにフォークとナイフ並べなくても箸で十分だろう思いながら格闘した日々。
おいしい料理もほとんど味を覚えてなかった。
ラーメンの方がおいしーつの!
司のお母様に仕込まれた道明寺の嫁としての重圧との戦いの日々。
今では無難にそつなくこなしてる。
心配してもらう必要なし!
この人たちの場合は心配よりも私の無知なマナーを期待して笑いたいんだろうけど。
そうはさせるかッ。
「すいません!遅れました」
飛び込んできたのはスーツを上品に着こんでにっこりと笑みを浮かべる男性。
私の幼馴染の青池和也。
会話がぴたりと止まって墓場のような静けさが漂う。
ごくりと唾を飲み込む音まで大きく聞こえてきそう。
なに?僕、なにかした?
みたいな表情を和也君が私に向ける。
奥様達の視線は自然と一人の人物を探すために迷走してる。
消却法で移っていく視線。
それは少しづつ私に絞り込まれている。
いないと思って大いに噂してた相手がその場にいたという意外な展開。
ごまかしきれない様相に冷えていく空気。
ホラー映画なみの恐怖のインパクトがあるはずだ。
「邪魔だ」
立ち尽くす和也君の後ろから響く凛とした声が室内を突き刺した。
後光が差すような眩さ。
尊大な仕草で和也君を押しのけるように一歩大きく踏み出された長い脚。
流石に今日は奥様達も見とれる気分には浸れないらしい。
「どうしたの!」
素っ頓狂にあげて席を立つ。
一斉に注がれる視線。
目の前と横の奥様は小さく肩を丸めて俯いた状態。
「仕事の時間が早まったから俺様直々に迎えに来た」
コツコツと音を響かせた足音は私の腕をつかむと同時にぴたりととまる。
シーンと静まり返る室内を見渡す様に眺める鋭い視線。
予想通りだなとで言いたげにわずかに上がる口角が見えた。
「場を乱して申し訳ない。妻がいないと数十億の提携が無になりますので退室させてもらいます」
数十億のところを強めて言って私の肩にまわされる腕。
「失礼」
そのまま連れ去れらてしまった。
「どこから聞いてたの?」
「ラーメンとか、共働きとか、すげーな女の嫉妬」
「これでお前の存在感半端なく増したんじゃねぇ?」
たのしげな声が司の喉を鳴らす。
「わざとやったでしょう」
「ついでにここの支払いも済ませといてやったから」
頭上に乗せられた手のひらがクシャッと私の髪の毛を乱して喜んでいる。
携帯に電話すればすむことなのにッ。
わざわざ迎えに来て、姿を見せて、少し微笑みを向けただけでこの場を収めてしまってる。
道明寺代表の独断場。
これ以上こいつに手出しするなの威圧的制裁。
効果は絶大いなはずだ。
私の見せ場は全くない。
司に守られてしまった結果だけが神々と印象付けられてしまってる。
「時間が早まったってウソでしょう?」
わかるかと目を細めて見つめるまなざし。
時として私だけに見せる突拍子な優しさ。
それが無性に暖かく私を包み込んでくる。
包み込まれた腕の中で身体を寄せ合う様に下に向かうエレベーターに二人だけで乗り込んだ。
拍手コメント御礼
匿名様
ありがとうございます。
年末は思ったように更新できなくなると思いますが余裕のある範囲で更新したいと思ってます。
haru-haru様
水戸黄門の印籠並みの威力。
司の場合はその存在だけで周りがひれ伏す感じですけどね。
この快感が心地よいのはやっぱり日本人♪
さっちき様
おくさまがたの様子。
喪失感漂うお食事会。
誰もが無言の状態が・・・。
やっぱり気になりますよね。(笑)
書きます!
ゆめ***様
つくしがうらやましい!
本当です!
確かに司のような男性いないだろうなぁ・・・。
し**様
インフルエンザも流行ってきましたね。
今のところ私は元気です。
残された和也君どうなるんでしょう。
訳の分からないいままその場にいるのはかわいそうな気もします。(笑)
その後の食事会のリクエストいくつかいただいています。
どんな感じに仕上げようかな~。
ま**様
やっぱり登場させました。
司の登場まではねこままさまのリクエストでした。
わたしも今回は気に入ってる出来栄えに仕上がったと思っています。
行事のたびにどんな騒ぎになることか~
なおピン様
年末はすっきり爽快に深淵を迎えないといけませんよね♪
ということでうちのブログも今回を〆に~
よいお年を♪
早すぎだ~~~~~~。
こんな司を見せられたらつくしじゃなくても惚れてまうやろ~。
つくしがうらやましいくなりますよね。
って・・・物語だから書けるんです。
マ**様
今回は司の魅力が爆発的な感じで書き上げてます。
頭の中ではしっかり映像化。
紅白のワクワク感が広がりを見せて困ってます。
ゆげ様
消去法の張りつめた空気中、カッコよく司登場!
ドラマの中なら抜群にカッコいいだろうな~と妄想してました。← ほとんど病気だ~。
のだめ 様
司が颯爽と現れて、時代劇の最後の一場面的結末。
人気あるんですよね。