FIGHT!! 22

おはようございます。

とうとう大晦日ですね。

今年1年間たくさんの方にお越しいただき感謝しています。

私の妄想もとどまることを知らず、その妄想が膨らむコメントにメールとずいぶんと助けられて?過ごした1年でした。

今年書いた記事数517件。

2010年より増えてる状況でした。

来年はどんなお話がいくつ書けるのか挑戦!← しません。

まずは連載を終わらせなきゃなぁ~。

皆さま良いお年をお迎えください。

とにもかくにも来年もよろしくお願いいたします。

*

「つくしちゃんはそんな子じゃない」

ドアを開けようと握ったノブを回してわずかに開いたまま固まった。

聞えたのは和也君にしては珍しい力のこもった声。

この年でつくしちゃんと呼ばれるのも何となく照れる。

その上そんな子って・・・どんな子?

後ろにはドンと感じる威圧感が私を押す。

「司・・・」

振りかえって見あげて身構えた。

「話を全部聞いていて何も言わないなんて人が悪いとしか言えないじゃないですか」

不安げな声はきっと道明寺の影響力に怯えたもの。

言い訳もできない!

どうする!

どうなる!

自然と参加者で顔を見合わせる雰囲気はきっとさっき私たちがいなくなった瞬間から続いていたのだろう。

運ばれた料理につける箸も止まっているみたいだ。

「つくしちゃんはそれを根に持って仕返しをするタイプじゃない」

流石和也君。

私の性格はしっかりわかってくれてるみたい。

初めてあなたに助けられてる。

カメの恩返し?

恩返しはツルだよな?

それでもそうだそうだと胸の中で打つ相槌。

「どちらかと言えば悪口を言われても気がつかないお人よしですよ」

それって・・・

褒め言葉には聞こえないよ和也君!

「よく分かってるじゃねぇか」

聞えて来たのは上からの低めの声。

「青池さんって、よく道明寺夫人のこと知ってらっしゃるんですね」

何か裏がありそうな仕掛けを込めた声はさっきまでこの場を取りしきっていたボス的存在の女性。

英徳の事なら何でもお聞きになってみたいな威圧感を漂わせていた。

「あっ・・・幼馴染なんです」

そう言って照れた表情は十代の頃のよう。

「僕の初恋で、今でも好きで・・・」

「たぶんつくしちゃんの初恋も僕じゃないのかな、なんて・・・」

ざわつく部屋の空気。

いじめられっ子だった和也君を持ち前の正義感で守っていたことはある。

でもそれは恋心じゃなく弟を守る姉の心境。

「いじめたらだめ!」

両手を広げた私の背中で震えていた和也君。

男女逆転なら初恋の思い出にもなるだろうが絶対ない!

「へぇ~」

「今でも好きだってよ。上等じゃねぇか」

冷めた声は背中に突き刺さる。

「お前の初恋って類だったよな?」

こと初恋の話になるといまだにこの人の機嫌は悪くなる。

「俺の初めては全部お前」

普通初恋って幼稚園とか小学校とかの幼い頃の淡い恋。

16歳が初恋の私もずいぶん遅いけど、私が初恋だと言い張る司を半分疑ってる。

司の場合は恋もいじめもごっちゃになってる節がある。

気にいった相手に悪戯しかけるタイプだ。

自分で気がついてない初恋ってのもあるんじゃないんだろうか?

私もほとんど全部初恋以外はあなたが相手です。

それでいいじゃない。

見つめても司の機嫌は直らない。

「類が初恋ってのも腹が立つけど、こいつが初恋って言うのはもっと気にくわねぇ」

「それは和也君の勘違いだから」

思いっきり否定する私は何に怯えているのだろうか?

「類に対する思いも勘違いとかじゃねぇの?」

それは・・・

間違いなく花沢類が私の初恋で・・・。

あの時私を苛めていた司に恋心を抱いたらマゾだよ~。

「司が初恋」

言えれば楽だよなぁ。

強張ったまま笑顔を向けても『遅せぇよ!』の突き刺す視線。

「もしかして・・・青池さんと道明寺夫人て・・・」

その夫人て呼び名が何となく卑猥に聞えてくる。

昼ドラのドロドロ感への期待の空気。

浮気!不倫!家出に離婚まで一気に話が作られてそうですよ!

相手はどう見ても気弱な人のよさそうな風貌の和也君。

私の後ろの道明寺総裁は完全に憎々しげな表情で威圧感抜群の風貌を完成させている。

タイプの全く違う二人。

だから和也君に対してそんな感情は微塵も持ったことない!

司がそんな心配してないのは一目瞭然。

嫉妬じゃなく浮かんでるのは不機嫌この上ない表情。

「なんだかしょうもない勘違いされてるね」

私の声はかき消すような風がそのままドアを開けて部屋に一歩踏み込んだ。

リザードの風は一気に部屋の中の空気を凍らせる。

「失礼」

ツカツカと部屋に進んだ道明寺が私の置き忘れたバックを摑んで引き返す。

凍った氷の床がひび割れる様な錯覚。

「こんな奴に妻を奪われるようなへまじゃない」

ドスッ!と、天井から氷柱がテーブルを突き刺したような衝撃。

不愉快だとひと睨みでくぎを刺す。

もう一言もしゃべりませんの状況が暗黙の中生まれてる。

ピクンと体が震えたのは私も一緒だ。

和也君だけが事の成り行きに気がついてないのか、ついていけてないのか・・・

きょとんとした表情が出来上がってる。

きっと一番ここで幸せな性格だよ。

そのまま一陣の風は私の腕を巻き取ったまま何事もなったようにその場を吹き抜ける。

そして・・・

私も何事もなかったように保護者と付き合うのはきっと無理だ。

そんな思いを感じながら司に手を引かれるままにホテルを後にした。

拍手コメント返礼

ゆっ**様

こんにちわ。

ありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。

ゆめ***様

昨年中はいつも暖かい拍手コメントありがとうございました。

今年もよろしくお願いします。

ゆげ様

問題はそっちじゃないでしょうと司に突っ込みながら楽しんでますよね(笑)

紅白!

私も二人が並んでるだけでテンション上げてました。

「俺が紅組勝たせてやる!」そんなことは言わないだろうけど・・・(^_^;)

頭の中で想像して楽しんでました。紅白でこんな楽しみがあるなんて♪

ことしもこんなあほな私ですがお付き合いをお願いします。

Gods&Death様

紅白見ながらのコメントありがとうございます。

我が家は旦那と娘は布団の中に~一人でのんびりと私はテレビを見てました。

寂しい年越し~

今年もよろしくお願いします。

サワ**様

『長編になってもついてくる』

心強いコメントありがとうございます。

今年もよろしくお願いします。