ソラノカナタ 13

1日日を置いての更新です。

ドキドキも少し落ちつた感じでしょうか?

だから司は?あの携帯の相手は?早く!!!

どうなるか気になって落ち着いてない?

すいませ~ん(^_^;)

*

わずかに部屋を照らすオレンジの穏やかな明かり。

ぼんやりと目に入ったテレビの画面には天気予報が映し出されてる。

今日は晴れ。

つーか、気分は最悪だ。

ブルッと頭を払って身体を45度起き上がらせる。

ベットの端に座るバスローブを着た背中。

まきの?

それにしては流ちょうな英語で携帯でしゃべってる。

肩を覆った髪はブロンド。

チラリと俺に移した視線。

その横顔は夜のラウンジで親しそうに俺に声をかけてきた女。

時々クッスと漏れる声。

酒を飲んで・・・

急に眠気に襲われた。

そのまま部屋に俺は運ばれたのか?

SPは何してんだ!

素肌に直に触れる冷気は頭の中を徐々に鮮明によみがえらせていく。

この部屋で服を脱いだ記憶はない。

「あっ起きたみたい」

「昨日は楽しかったわ」

女の指先が俺の胸元をなぞる。

赤く塗られたマニュキュア

「触るな」

不愉快さのままその指を払いのけた。

女は微笑みを浮かべたまま携帯を俺の耳に近づける。

「もしもし・・・誰?」

それは間違いなく牧野の声。

俺が聞き違えるわけがない。

携帯は見覚えのある俺のモノ。

そのまま携帯が俺から離れて女の横顔に近づいていく。

「1107号室にいるから」

言って切られた携帯。

「一番最初に表示された発信番号にかけてみたの」

女の不敵な笑い。

「俺は何もしちゃいない」

「彼女に通じるといいわね」

ベットから降りて女に背を向けて脱がされたスラックスに足を通す。

そして素早くワイシャツに手を通した。

乱暴されたって言ったらどうかしら」

ベットに腰かけたまま女は足を組み直す。

「なら調べてやるよ」

「お前の体に俺の触れた痕が残ってるかどうか、病院で調べれば一発だろ」

「来い」

本来なら触れるのも嫌な相手の手首を摑んで部屋の出口に向かった。

荒々しいしぐさのままに開けるドア。

開いた先に足が進まず止まった。

牧野・・・。

一瞬にして乾く喉。

声が貼りついたまま出てこない。

「ど・・・う・・みょうじ」

そのまま牧野は言葉を失ってる。

ワイシャツを羽織ったままの肌蹴た胸元。

その状態で俺はバスローブのままの女の腕をつかんでる。

どう考えても勘違いする状況だ。

ゆっくりと俺の腕から力が抜けて女の腕を離してた。

「何でもないから」

「・・・そう・・・」

呆然としたままの表情がつぶやく。

俺の声は牧野に聞こえてるのだろうか?

「牧野!」

「もういい」

牧野に伸ばした腕はそのまま宙を切り行き場を失っている。

バシッと音が響いたのは俺の頬。

そんな悲痛な顔で俺を見るな。

頬の痛みなんて感じなかった。

同時に光るフラッシュ。

逃げようとする男を俺のSPが捉えて床に押し倒した。

「そういうことか」

男に気をとられた隙に牧野は早足で俺の前から遠ざかる。

追いかけたい気持ちを抑えて女を睨んだ。

男のデジタルカメラに映し出されてる部屋に女に抱きついたまま入る俺の写真。

ソシテ乱れた服のままバスローブの女に見送られて出ていく俺。

極めつけは牧野の平手打ち。

説明を付ければ喜びそうな週刊誌のネタが仕上がってる。

こんなスキャンダルが流れたら今回の仕事はうまく行くはずがない。

女を使った計略は今に始まったことじゃない。

回避するために牧野を連れてきたことは今回は裏目に出た形だ。

「パパラッチまで呼んでるとは用意周到だな」

「誰に頼まれたか容易に想像はつくよ」

今回の仕事で道明寺グループが排除されれば残るのはアメリカの大企業だけ。

「せこいことするよな」

このお返しはたっぷりとやらなければ気が済まない。

牧野を巻き込んだことを後悔させてやる。

この件で一番の被害を受けたのは間違いなく牧野だ。

傷付けたのは俺か・・・。

俺がお前を傷付ける様なこと出来るわけねえだろう。

分かれよ。

牧野の幻に言い訳してる俺。

笑えねぇよ。

「タダで済むとは思うなよ」

女を振り返って投げつけた声はとてつもなく低くすごみを帯びてる。

牧野の事が絡むとどこまで冷酷な感情が湧き上がるのだろ。

女はズルっと腰を抜かしたようにドアから床に滑り落ちてしゃがみこんでいた。

「いたんなら助けろよ」

SPが俺を牧野のいる部屋に俺を連れて帰れば防げたぞ。

「そこまでは判断できかねますので・・・」

俺が今まで女を連れ込んだことないのは知ってるだろうがぁ!

「魔がさすってこともありますし・・・」

SP達は俺から視線を外してる。

今さらSPを責める筋合いじゃないとは分かってる。

「大丈夫でしょうか?」

一人のSPが牧野の走り去った廊下を遠目に見詰めてぽつりとつぶやいた。

牧野の説得の方が難しそうだ。

拍手コメント返礼

b-moka

雪なんですね。

こちらは雨のせいか暖かいです。

この状況で一番厄介なのはつくしちゃんですよね。

どう解決するのかなぁ~ ← 他人事?(笑)

そんな他人事みたいに考えてちゃだめんですけどね。

ゆげ様

そういうことでした♪

ドキドキ収まったようでよかったです。

司と類には嫌ですよね。

ほかの女性がちらつくの。

俺も?と類が寂しそうに思うのかなぁ(^_^;)

これからどうなるかはもちろん簡単には行かせません!

王子も居ますしね♪

じゅ*様

浮気はありえないけどこれはつくしちゃんが勘違いしてもしょうがないですよね。

疑惑はしっかり払拭しないと大変ですよね。

司の頑張りどころ♪

Gods&Death様

めっちゃ冷酷な司とつくしに誤る甘えた司の激しい落差。

確かにみたいかも♪

でも甘えるまでは遠い道のりだぞ~。

ひつじ様

お忙しいそうですね。

メールの返事は気になされずにどうぞ。

つか×つくの前向きで素直が真情は好感が持てますよね。

ソシテだからこそ起こるやり取りにトラブルが面白いと思ってしまいます。

他人には冷酷で切れる司もつくしのためだと辛抱強くなるところは私も印象的です。

な**様

ここで一番の失態を見せたのはSP?

やっぱり司にせめられるのでしょうか?

少しかわいそうな気もします(笑)

魔がさすってことはつくしに対しては司はないですよね。

そうであってほしいと思っています。