君じゃなきゃダメなんだ 26

久々に更新したと思ったらこの展開。

「どうなるの~」的な感想をいただいております。

あり得ない!って展開があるのが花男ですからお許しを~。

あんまり続きをお待たせするのも悪いのと「なおピン」様の今日のイチ押しということで続けて更新させてもらいました。

*

それは突然で・・・

なにが起こったのかわからなくて・・・

あきらが私をかばう様に覆いかぶさった瞬間に突然感じた鋭い痛み。

視線の端で知らない男の人が宙を舞って遠くに飛ばされていくのが分かった。

その右手には赤く血の付いたナイフ。

私・・・刺された?

「葵」

震えながら私を呼ぶあきらの声。

今にも泣きだしそうで・・・。

いつもは自信に満ち溢れて、カッコよくて、やさしいあなたがそんな顔するなんて・・・。

悪い気がした。

「だいじょうぶ・・・」

元気にそういいたいのに力がいらなくて強がれないみたいだ。

「だいじょう・・・ぶ・だから、あきらは・・・大丈夫だよね」

私を抱きしめてる腕も振るえていて、もしかしてあきらも刺されたって心配になった。

「俺のことはどうでもいいッ」

痛みと出血とで気が遠くなる中、私を強く抱きしめらるあきらの必死な気配だけを感じてた。

気が付くと、白い壁に囲まれたベットの上。

お腹に感じる鈍い痛み。

寝返りもうてそうもなくて天井を眺めてる。

顔だけを横に向けると点滴のチューブにつながれた自分の腕。

その手のひらをしっかりと包み込んでる大きな手のひら。

温かい。

それが傷の痛みを軽くしてくれてるみたいに感じてる。

「葵?」

指先から伝う様に見上げた視線。

心配そうに私を見つめてるあきら。

「ここ、病院?」

「大丈夫か?気分は?痛くない?」

コクリとうなずいてほっとした表情がすぐに不安そうに変わった。

「あなたの方が死にそうな顔してる」

そっと体を横に動かしながら右手で触れるあきらの頬。

体動が響く私の傷の痛みよりあきらのほうが瀕死に見えてしまう。

「ごめん・・・」

悲痛そうな声。

頬に当てていた手の甲に重なるあきらの手のひら。

身体の熱を奪っていく冷たさ。

「どうして、あきらが謝るの?」

「君を守れなかった」

責めることはないのに・・・。

そう慰めても、きっと、あきらは悩んで自分を責めるんだろって気がする。

「私をかばって、あなたが刺されたら私も自分を責める」

「普通、姫を守るのがナイトの役目だろう」

「それじゃ、治るまでしっかり面倒見てもらうから」

あきらの指先が私の前髪を優しくなぞる。

クスってようやく小さくあきらが笑った。

「私を刺した犯人は?」

「まだ」

「でも絶対つかまえる。絶対許さない」

「お前をこんな目に合わせたやつ」

ベットにうつ伏せて見えない表情。

それでもあきらにしては珍しく怒りに体を震わせているのが分かる。

「それは、警察の仕事でしょう?」

「警察だけには任せてない」

「もう二度と俺たちを狙いたくないって思わせてやる」

本当にそこまでやるの?

ドラム缶に犯人を入れて海に沈めそうな冷酷さでもやりそうな雰囲気。

あきらの違う一面を見た気がした。

「こんな思いは1回で十分だ」

「二度とおまえを失うって思う想いはしたくない」

優しい声もやっぱりまだ少し震えてる。

「大丈夫だから」

今日何回この言葉を私は口にしたんだろう。

「傷は思ったより深くなくて良かった」

「でも、痛いよ」

「だから俺が刺されたかった」

「普通刺されたがる人いないでしょう」

「葵の代わりなら何でも」

「女性の方が痛みには強いって知ってる?」

「男性より経験する痛みは多いんだから」

「いざとなったら男は弱いって今回のことで身に染みた」

情けないくらい動揺したって照れくさそうな表情をあきらが浮かべる。

警察も救急車も浮かばないくらい焦って何もできなかったって告白するあきらは意外すぎる。

でも・・・

あきらの腕の中で私は意外と安心できてた。

刺された恐怖も痛みも思ったより辛くなかった。

刺されたのが私でよかったって本当に思った。

私よりあきらの方が・・・

身体の痛みより心の痛みの方が・・・

辛いのかもしれない。

「ごめんね」

小さくつぶやく。

どうしてお前が謝るって意外そうな顔。

「心配かけたから・・・」

涙が出そうになった顔を隠すように掛け布団を頭の先までかぶって隠した。

今回は葵が助かった結果だけをお知らせするお話です。

気になる犯人は~この後の続きで♪

拍手コメント返礼

b-moka

葵ちゃん無事に生還。

瀕死にしたらそれこそ恨まれそうで~。← 誰に?

あきらが本気で怒ったらどうなるんでしょうか?

それこそ魚のえさ決定!

司より怖いかも(^_^;)

美優様

とりあえずは葵ちゃんは無事でした。

無事ってわけじゃないか・・・。

>ど・どって腹に風穴・・・

司じゃなかったかな?

Sの会会員第一号は美優様?

なおピン様

UPしましたよ~。

なんだかこの更新方法癖になりそう。

話が大体出来上がってるときはそれほど迷わないんですが、どうするか考えてないときはどれを書くか迷ってるんですよね。

決めてもらうと書きやすいって言うか、自分を追い込めるからいいかも♪

せっかく幸せな気分が一日で思わぬ展開。

犯人の動機・・・それは~

またの続きで~。

ゆげ様

>あきらくんが自分を責めてしまっているのを見て、辛いよね~(/_;)とウルっときました。

きっとそこは葵ちゃんも思ってる事と、この事件でますます深まる二人の愛♪

司なら本当に騒がしいだろうなぁ。

その前に犯人をその場でぼこぼこにしてそう。

その後で~

「牧野大丈夫か」

「大丈夫じゃないかも」

「どこ刺された!」

「お腹・・・」

「血・・・出てないけど・・・」

「えっ!」

「本当だ!」

「あっ!さっき買ったフランスパンに刺さってる」

「助かった」

みたいなオチのやり取りになりそう。

来週は出張なんですね。

お気をつけて♪

おかえりをお待ちしております。

じゅ*様

もしかして!

考えてしまいました?

すいません(^_^;)

十分Sですかね?やっぱり・・・。

後は犯人♪

hanairo 様

気になるのは犯人ですよね?さてどうなるのか?

早く更新しないと~

気だけが焦ってます(^_^;)