大みそかの夜の憂鬱

今年もいよいよ今日で終わりますね。

今年中もたくさんの方と仲よくしていただき楽しく二次を書き続けることが出来ました。

感謝カンゲキ雨嵐~

新年に向っての抱負。

たくさんのお話を今年同様お届けして一緒に楽しんでもらえたらと思います。

新しい、楽しい出会いが有ることを楽しみにしています。

来年もよろしくお願いします。

ひー

*

「今年は1枚にしてよね」

12月の年の瀬も迫ったある夜につくしに念を押された。

「まだお金の価値もわかんない幼児に札束のお年玉を渡してどうするの」

今年の正月、駿、舞、翼に渡そうとしたお年玉。

この俺が最愛の子供に贈るんだぞ。

これでも少ないって感覚をつくしは分かってくれない。

子供達に渡る前につくしに取られた特製にで作らせてぽち袋。

破れそうな状態に膨らんでしまってた。

つくしが確認しないまま両手でガシッとまとめて持ったぽち袋。

「ウソッ」

一瞬両手が重たいと言いたげに下がってつくしが絶句。

「いくら入ってるの・・・・」

「言わなくていい!!」

言葉を発する前に遮られる俺。

代わりにつくしが子供達の前に差し出したお年玉。

薄い・・・

小さなぽち袋には子供達が夢中なんだって流行らしいキャラクターが印刷されてる。

それじゃたいした額のお金は入れらねェじゃねか。

「ありがとうございます」

小さな頭が3つ背の高い方から順に下がる。

綺麗な波を作って今度は翼から頭が上がった。

開けていいかと確認するあどけない瞳が俺を見つめる。

「いいぞ」

駿の頭をクシャっと撫でる。

「わ~い」

嬉しそうな笑顔がはじける。

ポチ袋から取り出したのは1枚だけ・・・

それも千円札。

それを喜べる駿は俺の子か?

たったそれだけで何が買えるんだ!

舞はまだ入ってねェか覗いて袋を下に振っている。

パラパラと銀色に輝く硬貨が10枚。

「舞は足らないって言ってるみたいだぞ」

「3歳児がお金の価値がわかるわけないでしょう。舞は数がいっぱいあれば喜ぶんだからいいの」

それって・・・

騙してることにならねぇのか?

翼は・・・

ぽち袋が乱暴に破けて中の硬貨が床にチャリンと音をたてて転がった。

500円硬貨2枚。

「翼は大きい方が喜ぶんだよね」

質より量ってつくし譲り?

つくしの場合は食い物だけどな。

小さくても三人三様の性格はしっかり出来上がってる。

道明寺の家に生まれて育った俺は小さいころから1万円札しかお金じゃないと思っていた。

つくしと付きあう様になったから財布の中に硬貨が転がるようになったんだ。

その感覚の俺からしたら一枚っていったら1万円だろうって思う。

新年最初にもらうものは豪華がいいって思わねぇのが不思議。

納得のいかないままに時間はすぎて後12時間もすれば除夜の鐘が響く。

大みそかの今日まで仕事を入れんじゃねェぞ西田!

愚痴の一つも言いたい相手は隣の部屋で仕事に余念がない。

俺よりたぶん忙しい専属秘書。

「代表、届きました」

その信頼する秘書から俺に渡された封筒。

封筒を開けて中身を取り出す。

「また、つくし様を怒らせるんじゃないですか?」

「あいつは一枚なら良いって言ったんだよ」

「意味が違うと思いますけが」

「1枚は一枚だ」

取り出した名刺サイズの長方形。

指で扇型に並べてニンマリする俺。

これなら1枚だしかさばらない。

キャラクターの印刷された小さなポチ袋も準備した。

あいつらの好きなキャラクターはリサーチ済みだ。

金色に輝く三枚のカード。

ローマ字で刻まれた文字はもちろん子供たちの名義。

「必要ないと思いますけどね」

「いいんだよ、俺が満足するから」

西田のため息なんてなんとも感じねぇ。

一枚は一枚だ!

だよな!つくし!

不機嫌にむくれるつくしを見るのもスゲー楽しみ。

子供の喜ぶ顔よりそっちが見たいって思う俺。

今年も平和で、しあわせに、過ぎていくことを俺は確信した。

「来年も、私は苦労しそうです」

小さくぽつりとつぶやく声。

だから!

西田!

俺の横でため息つくんじゃねぇよ!

お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

ソフィ様

 あけましておめでとうございます。

今年も一緒に楽しんでいただけたらと思います。

おせち料理はいかかでしたか?

私は旦那の実家で意外とのんびりとしてました。

みぽお 様

子供って光物好きですよね(笑)

こんなお年玉もらったら・・・

幼児には無用の長物ですよね。

私なら大喜びで使いまくります。

現実にもらったら意外に使えない小心者かも(^_^;)

mi様

あけましておめでとうございます。

こちらこそ13年もよろしくお願いします。