Perfect dungeon 32
やっと、やっと司君が帰ってきた~~~~~
というところで『Perfect dungeon 31』は200を超えるたくさんの拍手をいただきテンションが上がってます。
この拍手数はなんに対する期待だろうと分析中。
ヤッパリ司を見たつくしの反応?
それとも司がカン違いしたままにつくしにとる行動?
どっちにしてもそう簡単には甘甘にはいかないでしょうね。(^_^;)
*コツコツと会議場に響く靴音。
それだけで存在感が部屋全体を威圧する。
元気なのも、隠れていただけなのも知っていた。
実際に現れた道明寺は空港で見送ったままの道明寺で・・・
それは当たり前のことなのになぜだか胸をグッと締め付ける。
少しは憔悴しきってるとかないのかッ。
相変らずの尊大さと横柄な態度で上から見下ろす視線。
オーダーメイドの上等なスーツを完璧に着こなして圧倒的な魅力で周りの視線を引きつける。
よくも今まで見つからずに隠れていられたものだと思う。
地下に潜って息を潜めてなきゃ無理だって思う。
それでなくても知名度抜群で、日本でウロウロしていたら目撃者多発じゃないのか?
本当にどこに隠れていたんだろって必要ないことが心配になった。
一瞬私に向けられた視線は沈んだ憂いの色を浮かべる。
道明寺のあの浮かべた表情はなんだ?
私に心配かけたことを悪いと思っているのだろか?
私に謝る道明寺は想定外。
きっと、悪かったって抱きしめられたらそのまま泣きそうになりそうな気がする。
首の角度が道明寺の命を狙った相手に向けて動くたびに道明寺の顔色が変わった。
冷ややかな凍りつくような内に秘めた怒り。
整った顔立ちが冷酷な表情を完璧に作る。
表情とは対照的な熱い炎がメラメラと燃える怒りのオーラーを体中にまとう。
道明寺がこれほどの怒りを表すのって見たことがない。
「あれは、殺しかねないな」
「俺達じゃ抑えられねェかも」
「あんな司は久しぶりだね」
地球を直撃する惑星の破壊力に匹敵しそうな私にも止められない気がする。
「自分が殺されかけたら無理はないかもね」
3人に相槌を打つように小さくつぶやいた。
「それだけじゃないと思うぞ」
美作さんの言葉に同調するように3人が私の顔を覗き込む。
ななななに?
心の中でどもる声。
意味深な視線はますます私の動揺を誘う。
だから何ッ?
「司の怒りが最高潮に達するのは牧野がらみだよ」
クスッと小さく笑みを作る花沢類の表情はあまりにもこの状況には似合わない。
私がらみって・・・
まさか、大学で沢村達樹って人が私に声をかけたこと?
そのくらいであの怒りは割が合わないって思うんですけど・・・。
妊娠してるってこともこの3人と同様道明寺も嘘だって分かってるはずだし・・・。
なんだ?
予測がつかないで考え込んで眉間に寄る眉。
不安げな表情の私の横で必死で笑をこらえる西門さんと美作さん。
「気が付いてないのも牧野らしいけどね」
堪えるのをやめたように西門さんがプッ吐息を吐いた。
その間に道明寺は沢村達樹の前に手を伸ばせば届く位置に到達。
「ツメが甘いんだよ」
手下を捉えたと見せつけるようにSPが連れてきた見知らぬ男が床に転がる。
「警察ざたにはしないが生きては行けないかもな」
そして流れるレコーダからの声。
聞こえてきた怯えて震える声は沢村達樹のものじゃなくその父親の沢村常務だって分かる。
私じゃないとか私が悪かったとか、
達樹がやったとか、最後は成仏してくださいって・・・
飛行機爆破計画の一部始終と罪悪感の贖罪。
腰を抜かしてそうな声が響く。
道明寺はどこまでリアルに驚かせたんだろう。
普通ならすぐにばれそうな気がするのに・・・。
この常務さんは自分の罪の重さに耐えられなかったってことだよね。
もう、いいんじゃないかって思えてくる。
顔色を変える沢村達樹の襟首を掴んだ道明寺は締め上げるように腕に力を入れる。
ここで道明寺が手を出したら今度は道明寺が警察沙汰になるでしょうッ!!!
「ダメー」
気が付くと道明寺の腕にしがみついていた。
「なんで止めるんだ!」
「こいつはお前のッ!」
睨み付けた道明寺が視線を向けて、初めに向けた憐れむような悲しい色を瞳に浮かべて言葉が途切れる。
私に謝ってる感情じゃないと気が付いた。
「さっさと消えろ」
投げ出されて床に転がる沢村達樹を無視するように道明寺が視線を逸らす。
「会議は中断します」
冷たく流れる不穏な空気を断ち切る様に聞こえたお母様の声。
会社の重役さんたちはお母様の声に促されるように会議室を出ていく。
後に残った私と道明寺とF3、そしてお母様と西田さんだけになった。
道明寺の怒りの元ってなんだ?
自分が殺されかけたことだけじゃなくって私に関係することって何?
悩む頭が道明寺に騙されたことへの怒りを体の中から半分放り出してくれていた。
嫉妬されるようなことはしてないから!
お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
あずきまめ 様
はじめはつくしちゃんの切なさに涙して、話が進むうちに笑いの涙に変わっちゃって(^_^;)
どうしても最後まで切ないお話は花男では無理だと思っています。(笑)
だからいいのよねぇ ← 勝手に解釈♪
ポチタマ 様
はじめまして、小躍りしそうな温かいコメントありがとうございます。
はじめのうちは寝不足。一気読みさせちゃいましたか?
今は連載に追いついてもらってるようで楽しんでもらえてるようでうれしい限り。
今日はどのお話に~♪
まめすけ様
悩まないでくださいね。
話が進めば見えてきますから~♪
そうそう、まだ王子=司の式まで行き着いてませんからね。
このカン違いに攻防はまだまだ山場ですよ。
本当に遊べる展開にしてしまった・・・。
いの 様
すれ違ったままの会話。
どこまで行くんでしょうね。(笑)
その後はお仕置きが待ってるだろうし・・・
散々な目に合うのは司君かな?