☆ 捕獲その後に・・・

3部作の最終話です。

司君に久々のご褒美を~。

3編のはずが番外編が4話・・・

何時ものことですけどね。(^_^;)

*

「こっち見るな」

言いなりに背中を向ける露天の風呂。

眺めてるのは情緒豊かに作られた日本庭園の箱庭。

冷静に眺めてる余裕はなく、牧野の身体から脱げ落ちる衣擦れの音に耳が敏感に反応する。

服を脱いで・・・

いま・・・下着に手をかけたな?

足から抜き取るために少し前かがみになった気配。

見えてない分だけ、艶を持った想像が頭を占める。

「ポチャッ・・・」

ゆっくりと身体を沈めてその振動で広がる波紋。

柔らかいお湯の波紋が俺の肌をかすめる。

「こっち見て、いいって言ってないけど・・・」

「いまさらッ」

最大限の譲歩はしてやったんだからな!!

そのまま丸ごとひん剥いて一緒に湯船に飛び込むつもりが、キスだけでいきそうな表情が、目の前で潤んで、見つめられて、俺を立ち止まらせられた。

一呼吸入れなきゃ・・・

すぐにこらえきれなくなりそうで・・・

終っちまいそうで・・・

一気に煽られて落ちつけなくなって、さっき浸かっていた露天につながる扉を開けた。

湯につかる前に浴びた冷水。

今も毛先から水滴が頬を濡らす。

遠慮がちに表れた俺の前に牧野。

今は向かい合って一緒に露天風呂の湯船に身体を浸らせる。

「良く、歩いて来たよね?」

「道なんてあった?」

どうでもいいような話を話し始めた牧野。

「人が歩いて来る道じゃねーぞ!獣道しかねぇーし」

不服そうに逸らした視線。

抱き寄せたくなるような話題をふれねぇのか?

俺も一緒か・・・

「道明寺にピッタリじゃん」

「は~あ?」

「猛獣が歩いてたら熊でも近づかないだろうけどね」

クスッとからかい気味の表情が俺を見て頬を崩す。

久し振りに牧野の笑った顔を見たって気が付いた。

やっぱ、束縛しすぎたか。

不満げで、ぶつくさ文句を言ってふて腐れた顔しか俺に見てなかったもんな。

「たくっ、誰のためにこの俺様がここまでやったと思ってんだ。ここは感謝だろうが」

「道明寺が来てくれなかったら私が会いに行ってたよ」

少し間の置いた後にゆっくりと小さく牧野がつぶやく。

その声を隠す様に鼻の下まで湯船に牧野の顔が沈んだ。

「やっぱ、おまえは俺のこと好きなんじゃねか」

予想しなかった牧野の声は切ないほど甘く聞こえて単純に俺を喜ばせる。

ザバッ!!

「キャーッ」

えっ・・・

立ち上がった俺の腰の辺りに牧野の顔。

バッチリ見られた。

落ち着きをとりの度したはずの一物は、すぐに反応し始めていて、牧野の前に隠しようもその姿をなくさらす。

「初めて見たわけじゃねぇだろう」

「まじまじと見るものでもないわよっ」

もう一度ザブンと湯船の中に隠す様に押し込む身体。

そのまま不愛想に牧野の肩に回す腕。

「どれだか、俺がお前を欲しいかわかるよな?お前は違うのか?」

押し黙ったまま俯く隠れた表情。

顔を向かせるように指先が顎を持ち上げる。

「逸らさずに俺を見ろ」

絡まる視線がしっかりと熱を持つ。

唇を近付けるわずかな距離で牧野が目を閉じる。

閉じたまつ毛が数度ピクリと震るえてるのが見えた。

俺の胸に背中を預け、まるで重なったスプーンのような身体の密着。

両脇から伸ばして差し込んだ腕は牧野の胸をすでに包み込んでいる。

牧野の尻の下で息づく俺を擦るように腰をそろりと動かした。

湯船に浮いている牧野の胸の頂をつま弾く指先。

それに抗う様に牧野が動いて湯船の中で向き合う形になる。

「だめっ・・・」

形だけの抵抗は全く意味もない。

ふっくらとし膨らみのまどどみを責める。

「やっ・・・」

切ない喘ぎ声は魅力的に俺を煽って刺激する。

甘い疼きは全身に広がって色づき始めた胸の頂に音をたててキスをした。

そのまま口腔の中に吸い込んで絡める舌先。

牧野が声をあげない様に唇を引き結んでも、刺激を送るたびに甘い声が漏れる。

声に誘われるように無防備に開いてる秘所をスッーと指先が撫でる。

くちゅくちゅと粘ついた音をたてるたびに牧野が両肩にしがみ付く。

「アッ・・・やっ・・・」

ヌルヌルと上下に動かす指先に反応するように牧野がピクンと跳ね上がった。

半身を湯船の外に投げ出したまま重なる裸体。

敷き詰められた石の冷たさを熱が奪う。

灼熱の塊を蜜口はすぐに呑み込んで牧野の中が切なく俺を締め付ける。

胸を焦がす様な切ない感情はすぐに全身に広がり愛しさと苦しさがまじりあって俺を支配する。

「牧野ッ・・・」

名前を呼ぶ声もせつなくて、息を吐き出した瞬間に牧野の最奥へ届いた気がした。

「御疲れは取れましたか?」

翌朝、俺以上にすがすがしい表情を浮かべた西田が現れる。

牧野はまだ布団の中ですやすやと寝息をたててる。

二つ敷かれは布団は、敷いたままの乱れのない布団一組で事を物語る。

「誰・・・っ」

寝ぼけたままの牧野が布団の上に起き上がった。

浴衣を着てるだけマシな格好。

「キャーッ」

西田と牧野の目が合って、寝ぼけた目が、めぇいっぱいに開いて布団の中にもぐりこんだ。

絶対この後牧野の責められるのは俺じゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!

西田!

最期まで、フォローしろッ!

拍手コメント返礼

a様

祝♪初パスワード

おめでたいわけじゃないかぁ~(笑)

あずきまめ 様

丸ごとひん剥いて飛び込んで、勢いよく湯船の縁に頭を強打。

意識を失った司をつくしが看病というオチも別に考えていました。

そうならなくて良かった~

西田さん勇気に拍手!!

みえこ様

やっとご褒美までこれました♪

この後F4登場!

静かなはずの秘境がにぎやかになりそうですね。

やなぎ様

オチがないのは淋しいので・・・(^_^;)

私をそんなことに使わないでいただきたい。 by 西田。

みっぷ~様

ここから☆マークの読みなんですね。

ぜんぶまとめて読まれるのはチョー恥ずかしいかもです。(笑)

西田さん日記気になりますよね(^_^;)