逆襲のファンタジー  道明寺家の夜明け

番外編第三弾!!!

たぶんこれで終わりだと・・・

何か書き忘れてるような気がしますが・・・

某所グループメンバーさん、これで終わりでしたっけ?

明るさを落とした室内。

オレンジの明かりがリビングの一か所を柔らかく照らす。

「なにしてる?」

「ん?」

手元から視線を上げて俺を見あげた瞳はやさしく温かな笑みを浮かべた。

「見たい?」

テーブルの上には数えきれない数の写真が散らばって広がってる。

手に取って見た一枚はお城を背景に撮られた写真。

舞を俺が抱っこしてるのは開園してすぐのもの。

その後舞は類にとられた。

「滋と桜子が一日カメラマン大変だったって届けてくれたの。

折角だからフォトブックにしたいなって思ってみてた」

やけに楽しそうにグフッと笑う。

「あのさ、事務所で受け取ったんだけど、一人の時に見てってくぎを刺されたんだよね」

言葉がいい終わらないうちにつくしが俺の顔を見ながら吹きだした。

俺の顔を見て可笑しく笑うやつはいねぇよ。

遠慮なしに大口開けて笑うのお前くらいのもん。

「ムッとしないでよ」

そう言ってまた笑い声を漏らす。

つくしが見ていた写真には地べたにしゃがみ込んで翼と地面を眺めてる俺。

頭には丸い耳の形のカチューシャ。

翼とお揃い。

「無理やりつけられたんだ」

滋にな!!

「園内の中じゃ皆がつけるの常識なの、司が知らないわけないよね」

「俺が知らないわけねえだろう」

奪う様に頭に付けた耳。

誘導されたんだって気がついたのは俺を見る総二郎とあきらのニンマリとした表情から。

あいつらはつけてねぇんだから。

「みんな嬉しそうなんだけど駿が一番いい顔してるの」

つくしが俺に見せた写真は俺が肩車をしてる駿。

俺の上から駿が下に伸ばした手をつくしが握ってる。

これ以上愛おしいものはないって表情を浮かべた母親の表情。

無邪気に微笑んで見つめる駿のたとえようもない笑み。

俺も見たことのないような甘い顔になってる。

「俺達を独り占めしてこんなに喜ぶのならもっと甘えさせたいよな」

「いつもお兄ちゃんしてるからね」

写真の駿をゆっくりとなぞるつくしの指先にも愛しさがあふれてるのが分る。

写真でさえもこんなに愛しいのだから実際に甘えてくる子供達に愛情を感じないわけねェよな。

俺の愛しさは写真より目の前の実物の甘さに引き寄せられてる。

髪を一つにまとめてヘアクリップで無造作に止めてる後ろ髪。

襟元から零れ落ちる後れ毛。

ほっそりと襟首から匂い発つ艶。

背中から抱きついて肩から胸元に落とした腕を交差させる。

白い首筋にそっと唇を寄せた。

「くすぐったいから」

邪魔だとつくしの方が上下に動く。

抵抗というにはあまりに弱い力。

無視して指先は遠慮なくつくしの肌をなぞる。

「写真選んでるの」

眉間に眉を寄せる非難気味の表情も俺を止めさせ効力はない。

「こんなの明日でもいいだろう」

つくしが手に持っていた写真をとって何気ない眺めた。

視線を外せない。

類とつくしと舞。

キャラクターの着ぐるみの前で舞を真中に挟んで3人で写真に納まってる。

「おい、これ!」

「あっ、これね。良く撮れてるよね。

ほら、私がヘリでついた後すぐに舞を探したら花沢類と一緒でびっくりしちゃった」

最初に類とつくしが会ったのは翼が迷子になった後に聞いた。

そんなことじゃない。

この写真は丸ごと家族写真の雰囲気。

どう見ても仲のいい親子だろうがぁぁぁぁぁ。

「写真でもムカつく」

「ムカつくって・・・」

「あのね、舞がうれしそうなのはこのキャラクターが好きなだけなんだからね。

花沢類と一緒だからとか言うわけじゃないか・・・ら・・・」

手に持った写真から目を逸らさせる様につくしの顔の角度を横に向かせて自分の胸元に押しつける。

「嬉しそうに眺めてんじゃねェよ」

「この写真だけ嬉しそうに眺めていたわけじゃないから」

息をとめて水面からやっと顔を上げたようにつくしが俺の胸元から離れて息を吐く。

「司と子供達と一緒に写ってる写真の方が断然多いんだから」

「分ってる」

つくしの口調が俺に甘えるように変わったのは俺の機嫌を直すため。

分っていても誘いにのってしまう。

俺も甘い。

俺に怒るなと責める睨んだ瞳は鮮やかな熱を持つ色を浮かべる。

甘えてるようにみせて知的で挑発的。

強く引き寄せて唇を重ねると驚くほど熱く官能的に応えてくる。

リードしてるはずなのに冷静でいられなくなる。

こいつはその事分ってるのだろうか。

つくしが思わず漏らす切ないため息に欲望は制御できなくなってしまった。

おまけ・・・

花沢物産常務室。

司「この前は世話になったな」

類「俺も楽しませてもらったよ」

司「・・・・」

類のデスクから瞬きもせずに視線が動かなくなった司。

類「良く撮れてるだろう」

舞とつくしと類の3人の写真が納まってるフォトフレーム。

司「おまえなぁ、普通飾るか?」

類「司の結婚式でみんなで撮ってる写真も飾ってるよ」

確かに二つのフォトフレームが並ぶ。

F3とウェデングドレスのつくしとタキシードの司が並ぶ写真。

司「それとこれとは別だろうがぁぁぁぁ」

パタンと結婚式のフォトフレームが風もないのに倒れる。

類「牧野が司に怒ってんじゃないの?写真でガタガタ言うなってね」

司「そんな力超能力みたいな力つくしにあるわけねえだろう」

類「司は牧野に対しては野生の感が半端なく働くから牧野だって持ってるかもしれないよね」

司「・・・・・・」

 

バタン

もう一つのフォトフレームが倒れた。

「まさかな・・・」

ギクッと思わずびくついた司に同意を求める様な類の表情。

司「類、誰にでも見せんじゃねェぞ」

しぶしぶと写真を飾るのを許す司であった。

お粗末でした。<(_ _)>

拍手コメント返礼

ミーシャン 様

類と司のやり取りも一編できそうなお話なんですがチョコチョコと書いてUPしちゃいました。

おまけな話にも喜んでもらえてうれしいです。

絵梨様

本編よりおまけの方が評判がいいという意外なオチのついたお話でした。

実はもっと丁寧に書きたかったんですが、会話のやりとりだけでも温かなイメージを思い浮かべてもらえるんじゃないかと思いおまけの形で仕上げてみました。

司がね、許しちゃうんですよね。

類ならいいかって司も思えるようになったんだなぁ・・・(;_;)

メガネちゃん様

一日中その姿で園内を回ってくれないでしょうかね。

ついて回るぞ!!!