DNAに惑わされ 30

ロスに行ってから更新がのんびりしちゃってます。(^_^;)

ソロソロ展開を進めなきゃな。

末っ子を誕生させたせいなのか大学生の駿クンのイメージが上書きされちゃってます。

花男ドラマのJを柔らかく想像中。

鮎川さんはだれだろう・・・。

「シャワー浴びてきたら」

鮎川のお母さんに会って最初の一言がこれ。

靴を片手に持って裸足でふくらはぎまで曲げたジーンズは筋肉を締め付けてる。

スタスタと前髪から落ちる水滴。

僕と似たような格好の鮎川。

湿ったシャツは鮎川の素肌の色を映し出してる。

適当って言葉を忘れて羽目を外し過ぎた僕ら。

「服のまま海に飛び込んだの?」

椿さんは僕のシャツから水滴を指ですくって匂いを嗅ぐ仕草。

きっと海の匂いを嗅ぎ取ってるに違いなかった。

風呂場に案内されてすぐに蛇口をひねる。

湯気の先に僕の顔を映し出す鏡が見えた。

昨晩必死に鮎川の後を追ったはずの僕が笑ってる。

嬉しさと幸せと照れくささと混じった何とも言えない表情。

鮎川から触れてきた唇の感触。

艶めかしく残る。

ドキッと跳ね上がりそうになった心音を誤魔化す様にシャンプーをクシャグシャに髪の毛に塗り付けた。

お湯じゃこの身体の火照りはとれそうもない。

お湯から水に変わったシャワーを体中に浴びた。

「着替え置いとくね」

脱衣所に置かれた新品の下着と服。

身に着けて向かったリビング。

僕を見て一斉に上がったのは吹き出す笑いごえ。

「ごめん、男物パパのしかなくて」

ちょっと足らない脚のタケ。

足首まで5センチは足らない。

エストは思い切りベルトでしめている。

腰半周は大目に巻いてるベルト。

僕には大きめのLサイズのシャツ。

「笑うなよ」

「二時間くらいで服が乾くと思うから我慢して」

本当に・・・

本当に・・・

鮎川が極上の笑顔を僕に見せる。

一気に和んだ空気は鮎川のお母さんと僕の距離も一気に縮めた気がした。

「駿君、よろしくね」

優雅に差し出された右手。

独特の雰囲気は一瞬にして視線を集める艶やかさをもつ。

流石は女優って存在感を示す。

思わずドキッとなったの瞳の作り出す雰囲気が鮎川と重なったから。

似てるよ、やっぱり・・・。

握手を交わした手の平は中々離れずに両手で握られた。

「もういいでしょう」

鮎川の怒った口調が握られた手のひらから無理やり僕の腕を抜き取る。

「菜花のそんなとこ初めて見た」

鮎川の態度に意外そうな表情を浮かべた鮎川ママは目を細めて嬉しそうに笑った。

そのまま四人での昼食。

一度日本に帰る事にしたと話す鮎川ママの彩華さん。

「彩華と呼んでね」って笑顔で言われても気が引ける。

椿も、椿さんって呼ばせてるんでしょう?だったら私もって練習されられた。

「彩華さん」

僕が呼ぶたびに鮎川がムッとする。

ムッとする鮎川がおもしろくて、かわいくて、しょうがない。

いつの間にか鮎川の母さんを彩華サンと呼ぶことに慣れてしまってた。

なんとなく・・・

好きな子をいじめちゃくなる気持ちが分かったような気がした。

「ところで、日本にいつ帰るの?」

「さぁ・・・」

「さあって・・・ママ!」

口に料理を運んでいた鮎川の手の動きが止る。

「私そんなに学校休めないんだからね」

そう言って鮎川の視線が僕を見つめる。

「最初からパパが迎えに来れば問題ないのに」

「あの人が来るわけないでしょう。本当に頑固なんだから」

「本気で別れる気はないんだよね」

「分らないわよ」

遠くを見つめる彩華さんの謎めいた微笑。

「あっちが頭を下げて泣きついたら考えるけど」

今度はあどけない笑顔に変わった。

ここにいないはずの鮎川パパ 櫻井翔五郎。

今頃大きなクシャミしてないか?

「とにかく、いったん帰るんでしょう」

椿さんの声に彩華さんの声も止る。

「仕事があるから帰るだけだから」

ちょっぴり不満そうな声が小さく響く。

頑固なのは監督だけじゃない気がした。

拍手コメント返礼

ひつじ様

お待たせしてます。(^_^;)

なかなか更新できなくて・・・

順調に進んでいくはずなんですけどね。