エロースは蜜月に溺れる 19

何とかこのお話もあと数話で終われそうです。

もちろん司の失敗のあとのお話し興味ありますよね?

続きのお話はPWをつけると思います。

17はオープンにしてますがこれが結構恥ずかしいんですよね。(;^ω^)

類にエスコートされて大広間に現れたつくしにどこからとなくかため息が漏れた。

幼くやぼったかった少女は咲きたてのバラような瑞々しさで男性の視線を引きつける。

艶やかなドレスと化粧を施す女性たちは見慣れている。

科学培養の肥料過多気味に誇張してくる女には辟易気味してるのは司や総二郎、あきらだけではない。

純粋培養の瑞々しさと初々しさをみせるつくしに興味を持つのは、司にそして類にエスコートされただけではない印象を鮮明に他の男たちに植え付けた。

司と総二郎、あきらの周りには大輪の艶やかすぎる花たちが色めき立つ。

その欲に取り囲まれて身動きがとれないままに司の不満がくすぶるのを総二郎とあきらは感じ始めていた。

「どけ」

これ以上は無理だな・・・

そう二人が思った時、あたりから音をなくすような司の怒号。

他の男に腕をとられたつくしは見たくないと司の嫉妬じみた炎が燃え上がる。

「久しぶりですな」

司の不機嫌さに動じない顎ひげを蓄えた傲慢な表情が司の前で軽く会釈する。

その横にたたずむ女性を無視するなとでもいうように女性から司に視線を移した。

「そろそろ、はっきりさせたいただきたいものですね」

つくしの父親を罠にかけた張本人は涼しい顔で自分の娘を妃にと進めてくる。

蛇のような女。

そんな評価で総二郎とあきらも見るのも穢れるとでもいうように視線をそらしてる。

「ああ、それならもう決めてるからお前の手を煩わせることはない」

すっと遠くに移した視線は、つくしを見つめてやさしく目を細める。

そのまま無視するように男の横を通りすぎる司。

ぶるっと震える拳を握りしめ怒りに満ちるぎらついた目が司の背を追う。

「親子揃って嫌なやつらだ」

「あの目はほんと背中が凍るぞ」

司のあとを追う総二郎とあきらが小さく吐き出す声。

その声は本能的に好きになれない人間がいる不愉快さに揺れてる。

「ここで、牧野のことばらしてもいいのか?」

「数時間後にはあいつは牢屋につながれてる。

その指示は司から近衛兵に慎重に伝えられてる。

牧野家の長男進は直ぐに保護することができた。

進が自ら自分の父親の無実を晴らすと決心を司に語ったのはそれからすぐのことだった。

まだ幼くて牧野の屋敷からあまり外に出ない進は世間では知られておらず、警戒されずに情報を集めるのにこれ以上の人間がいないのは幸運だった。

人懐こさですぐに相手の懐に疑がわれることなく情報を集められたのは進の手柄だといっていい。

明日の朝にはすべて終わってるはずだ。

牧野家の名誉も回復させて昔の栄華を取り戻すこともそう遠くはない。

つくしが司と婚約したとなればそれはなおさらだ。

「類、これ以上触るな!」

乱暴に腕をとられたつくしが驚いた表情を司に向ける。

「俺のものにべたべた触るもんじゃねぇだろう!」

「え?大切に扱っただけでしょ。

司の大事な牧野だからね」

睨んですごんでる司をさらりと穏やかな口調で微笑みを見せる類。

「もしかして・・・俺のものって私のこと?」

「当たり前だろう!」

「いつ私が道明寺のものになったのよ!」

まっすぐに強気な瞳が司をじっと見つめる。

「いつって!昔からだろうが!」

「厳密には牧野はまだ司のものになってねぇよな」

肩に軽く肘をかけた総二郎が耳元で小声でつぶやく。

「そうそう、まだ牧野をものにしてないってさっき聞いたばかりだからな」

総二郎とあきらの悪戯な笑みの意味を悟った司がムッとした表情を見せる。

「あの・・・それどういう意味?」

きょとんとなったつくしは興味のある表情に初心さと色混ぜる。

「それは、司がゆっくりとやさしく教えてっ・・・」

「グッ!」総二郎が言葉を言い終わらないうちにうめき声に変わった。

「てめぇ、それ以上しゃべると屋敷に帰れなくなるぞ」

脅しというよりは本気で司の腕が総二郎を締め上げる。

「ちょっと、乱暴はやめてよ」

司の腕にしがみついたつくしに司の腕の力も緩む。

「牧野、本気じゃないから大丈夫だよ」

「大丈夫じゃねぇ。、俺は本当に死にかけたぞ」

首をおおげさにさする総二郎の仕草は芝居がかって周囲の笑いを誘う。

「冗談はそのくらいにしとけ。

明日から忙しくなるからな」

司の緩んだ口元はこれ以上にないくらいに甘い笑みをつくしに見せる。

「お前の両親や弟にも会えるぞ」

そうつぶやく司に信じられないとつくしは大きく瞳を見開いて見つめる。

「ほんと?」

「俺がお前に嘘を言ったことあるか?」

涙で司の顔が揺れてよく見えない。

「安心しろ」

その声に導かれるように司の首に腕を回して抱きしめる。

昨晩つくしを包みこんだ司の香りがつくしの鼻先から流れ込んで、胸の奥がキュンと鳴った気がした。

拍手コメント返礼

プンちゃんのママ 様

お祝いコメありがとうございます。

今回も坊ちゃんを幸せな気分に浸らせてもらいたいと思ってます。

スマホのランキングボタンの件お知らせありがとうございます。

確かにそうですね。拍手ボタンのそばに移動させたほうが便利なのかな?

あとはテンプレートの編集しなければならいのですが、やってみますね。

PCのテンプレート編集だと簡単なんですけどね・・・(;^ω^)