戯れの恋は愛に揺れる  1

おはようございます。

このお話もようやく連載開始します。

シリアスに行くか楽しくいくかまだ思案中。

王宮絵巻が後宮絵巻となるとドロッとした女の戦いもありそうで・・・

ダメだ~最近韓国ドラマの時代劇を見てる影響が私の脳を刺激しています。

ここは『なんて素敵にジャパネクス』的バージョンで行くのよ~~~~~。

お米も少ないし・・・

油も切れかけてる・・・

男の人一人が増えて大丈夫かしら?

台所の米櫃を覗くその姿は姫としてあるまじき行為。

姫様が台所に来ることが日常化してる寂れた屋敷では誰も咎めるものはいない。

それでも凛とした佇まいはどこか生まれの良さを感じられる。

乳母として使える小鈴は慣れたもので後ろから一緒に覗き込んでため息をつくあどけなさの残るその顔を眺めていた。

「連れいらっしゃったのは姫様ですから、姫様に面倒を見てもらいます」

つくしはそんなことわかってると言いたげに小鈴をふりかぇった。

「言われなくてもそのつもりだから」

スクッと立ち上がったつくしは奥の部屋に身体の向きを変え冗談だと小鈴が止める間もなく進みだしてしまってる。

「姫様いけません!」

年頃の姫が年若い公達の前に御簾なしに会うなど親や兄弟以外には許されないことだ。

「別に誰も見てないから大丈夫よ」

そんな問題じゃなく何かあったら困るという小鈴の心配などよそにつくしは朗らかな笑みを浮かべた。

布団に横たわる司を覗き込んで額に残る汗をそっとつくしがふき取る。

医者にも見せずに大丈夫だろうかと心配そうに覗き込んだつくしの前で突然に瞳が開いた。

きりりとした眉にすらりと通った鼻筋。

瞳を閉じていても整った顔立ちは凛とした品を見せる。

大きく見開いた瞳に映しだされる自分の顔は姫としての慎みのなさを卑下されてるようにつくしには思えた。

「誰だ!」

少し擦れがかったその声につくしが怯んだのは一瞬。

助けた相手に取る態度ではないと生まれつきの負けん気の強さが顔を出す。

「あのまま山のなかに置いていたらクマの餌になったかもしれないわよ」

「都に近いところにクマが出るとは聞いたことはない」

額に触れていた手首をつかまれたつくしはそのまま布団の上に置きあがった司の膝に崩れ落ちてしまった。

「お前が俺を助けたのか?」

「怪我してる人を見捨てるわけにはいかないから」

媚びて気を引く態度の異性に慣れ切ってる司に取って目の前でずけずけと遠慮なくものを言うつくしは面白い存在に思えた。

「イッ・・・」

頭を軽く動かした拍子に感じる鈍い痛みが前頭部に走る。

触れた指先で枝にうたれた跡がかすかに顔に線上のふくらみを残してるのがわかった。

「少し赤く跡が残ってるから・・・痛い?」

本気で心配するその顔が司の鼻先まじかに近づく。

どちらからともなく触れあった指先に感じる電流のような刺激にビクつくように指を離して視線がぶつかる。

「いきなり俺に触るな」

初めて感じる細胞を刺激するような一瞬の刺激。

それがなんなのかわかるはずもなく二人は顔を赤らめた。

静かな山間の里の人里離れた屋敷には珍しく聞こえてきたひずめの音。

「あの馬、司のだよな」

「ここにいるのか」

聞き覚えのある声に司は立ち上がって庭に出た。

垣根の先に馬上の類と総二郎とあきらの姿を見つけた。

「てめぇらおせぇぞ」

「あのな、俺らを待たずに駆けだしていったのお前だろう」

「何かあったら俺たちの首が飛ぶことわかってるんだろうな」

「とにかく見つかってよかったよ」

馬から降りて手綱を持った3人が裏口から庭のほうに歩く。

この屋敷にの庭はそれだけでぎゅうぎゅうになった感がある。

突然の来客に驚いたように台所から出てきた下働きの翁と小鈴は突然の来訪者を驚きの表情で見つめた。

「こんなに人が増えたら夕食が足らないかも・・・」

思案に暮れるつくしの目に4人の姿は映ってない。

「お前、貧乏なのか?」

「貧乏でわるい」

挑戦的に自分を見つめるつくしにますます司の興味がわく。

「俺、怪我してるから、数日ここを動けそうもない」

「後のことはお前らが誤魔化せ」

司の声にしょうがないとあきらめた表情で目くばせを返す三人。

魚や山菜を取りに行けばそれで足りるかな・・・

その横で不安そうに食糧の調達の方法に頭を悩ませてるつくし。

小さくもらした独り言の声はしっかりと司の耳にも届いている。

「あの・・・食事は粗末なものでも大丈夫?」

自分を見つめる司の視線に気が付いたようにつくしが顔を上げた。

こいつ・・・

俺たちを見て、考えていたのがそんなことか?

普通俺たちの地位とか生まれとかその辺に興味持たねぇのか?

どうやって俺たちに取り入ろうかとするのがまるわかりの貴族たち。

縁があれば娘を売りこもうと必死で近づこうとする。

真剣な表情を浮かべるつくしが全く自分に興味を示してないことに不愉快な感情が司の胸の奥に生まれていた。

「おい、ここでの暮らしで俺様が不自由しねぇように速攻で準備しろ」

つくしの態度を皮肉るような笑みを口角を上げた司の口元が作っていた。

拍手コメント返礼

やなぎ 様

ジャパネスクに反応する同世代♪

氷室さんの小説よく読んでたなぁ・・・

ソフィ 様

ありがとうございます♪

体調万全で挑ませていただきます。

スリーシスターズ 様

お姫様だけど貧乏で隠匿生活。

まだ謎だらけですがそれはここから徐々に明らかに!

少々お待ちくださいませ~

りり 様

は~い動きだしましたよ。

お姫様だけどやっぱりつくしちゃんの設定は貧乏なの~。

歩くみかん箱様

続きが見たいとお願いされるとドキドキ。

>煌姫のようにビンボーな瑠璃さまのようなつくし姫

きゃー♪この二つの名前を見つけて懐かしさににんまりしてしまいました。

長編になるような気は私もしております。

masamasa 様

パラレル好きの方多いですよね。

花男ワールドは我が家ではパラレルになっても健在でそしてつかつくオンリー。

楽しくおかしく物語を彩っていきたいと思っています。