最上階の恋人 19

おはようございます。

さぁここから類もあきらも登場したら・・・

司キレる。

収拾がつかないおはなしになりそうなのですが久々のF4勢ぞろいが見たい気もします・・・

話が全く最初の想定と変わってきてる今日この頃・・・

もうこうなればオリキャラもいろいろ小出しにしてこようかしら?

「いつから、そんなに物分かりがよくなったんだ?」

「まだいたのかよ」

音もなく俺のそばに近づいてきた総二郎を睨む。

むき出しにしたままの牙を総二郎に向けてる俺。

意を関知しない表情でフッと和んだ笑みを俺に向ける総二郎。

帰れと無言で威圧する俺の感情を完全にスルーして俺と肩を並べる総二郎の視線は牧野に注がれてる。

「あいつは一度言い出したら聞かねぇからな」

「司、お前にそれを言われる牧野に俺は同情する」

「牧野に振り回されてるのはお前も一緒だろうが」

「司に振り回され続けた俺たちにとってみれば可愛いもんだけどな」

牧野に振り回される俺が面白いとで言いたげな表情が唇から転げ落ちてくる総二郎。

お前のニヤついた顔なんて見たくもねぇ。

「司、どんだけの令嬢と婚約してたんだ?」

「してねぇよ」

滋とも婚約しそうになっただけで婚約してねぇし。

それに自分たちが知らない間に勝手に話が湧き上がることがあるのが俺たちの世界の中じゃよくあることじゃねぇか。

総二郎っ。

女に関しちゃ俺はお前に勝とうとは思ってねぇよ。

こんな話に付き合いたいわけでもねぇ。

ただ、ここで牧野に拗ねられるよりはある程度好きにさせたほうが後が楽だと考えただけの事。

後でぐちぐち言われるのもイラつくしな。

まだここで数分イラついてる方がましだと考えた。

俺の読み通り、あいつは俺のもとにいそいそと戻ってくる。

いそいそじゃねぇか・・・。

膨れっ面になってねぇか?

にっこり笑顔を見せろとは言わねぇが思わぬ反応。

これじゃ俺が我慢して牧野を送り出した意味ない。

無言のまま乗り込んできたエレベーター。

俺の前を素通りしてエレベーターの奥の壁に背中を預けた牧野。

大きく息を吐いて頭上を見上げるように天井を仰ぐ。

俺を絶対見ないって態度に見える。

「どうして、お前が乗ってくるんだ」

俺の前を二歩で通り過ぎた総二郎が牧野に同調するように肩を並べてエレベーターの壁に背中を預ける。

お前が牧野と並んでんじゃねぇぞ。

「おい、こらッ」

俺の怒鳴り声を塞ぐように閉じたエレベーターの扉。

エレベーターの閉まるのボタンを押したのは牧野。

それもボタンを壊すと思うような激しさ。

この、機嫌の悪さはどこからだ?

俺の存在は気が付いてるはずなのに牧野は俺を無視する態度を崩さない。

「牧野」

我慢できずに俺様からしょうがねぇから声をかける。

クスッとした声を総二郎が手のひらで抑え込む。

笑いが漏れてるっんだ。

「なにっ」

ふてぶてしく言い放つ牧野の声に総二郎の笑みが止まる。

「牧野、話は終わったのか?」

真顔の総二郎が俺に返事したはずの牧野と向きあった。

「まあ、終わったような・・・・」

本音をごまかすような牧野の声。

「気にするな」

牧野の両肩に置く総二郎の腕がしっかりと牧野を向きあわせた形をとり牧野の表情を総二郎が覗き込む。

こいつがなに気にするっていうんだ。

べつになんもねぇぞ。

あんな女知らねぇし。

俺を蚊帳の外に追い出したような体勢。

俺以外の男に身体を触らせて嫌な表情も浮かべない牧野。

閉じかけたエレベーターの外側から響くキャーの叫び声。

叫び声が飛びこむ代わりに扉の隙間に差し込まれた指先が必死に扉をこじ開ける。

「すいません」

息を整えながらエレベーターの中に割りこんできたのはSPの相葉。

「司、俺、用事思いだしたから、また後でな」

相葉と入れ替わるように総二郎が抜けた。

「誰も呼んでねぇぞ」

唾を掻き捨てるように声を放つ。

「え・・・っ?」

相葉の一瞬戸惑った表情がそのまま後ろを向いて俺たちに背を向けた。

相葉ッ

てめぇじゃねえよ。