パーティーの思い出(司編)

* 「明日パーティー一緒に行かないか」とあいつを誘った。
俺から誘ってパーティーに連れていく女なんて牧野以外いるわけはない。
これまでも・・・・
そして・・・これからも・・・・ 
それなのにあいつから返ってきた答えは・・・
「いや、絶対いやだ!」の全否定。
「なんで?」
「いい思い出ないもん」
「食いもんタダだぞ」
俺の言葉で牧野の導火線に火がついた。
顔を真っ赤にしてあいつのパンチが俺の下腹部を直撃。
「いやな思い出、全部あんたのせいだからね。食べ物にはつられない」
腹の痛みに耐えて言葉の出ない俺を残してさっさと自分の家の中へ消えていった。
俺のせいってなんだ?
あいつと初めてパーティーで会ったのは・・・
俺は必死で記憶をひも解く。
俺が高3の静の誕生パーティーだったよな?
あいつに赤札張った直後のやつ・・・
俺の取り巻きの女に頭から水掛けられて困ってるあいつを類が俺より先に助けた。
それが無性に腹が立って類を殴ろうとして・・・
倒れた拍子に俺の唇と牧野と唇がふれあって・・・
あれって、俺様のファーストキスだぞ。
たぶん牧野も初めてだったはず・・・。
お互いが初めてで・・・
いい思い出じゃないのか?
俺の中では結構いい思い出だぞ。
次は・・・
そうだ!俺の誕生パーティーだ!
あん時は俺が招待もしてねえのにのこのこあいつが出てきやがったやつだ。
バァバァのたくらみで大河原滋を婚約者として紹介され、俺は面食らった。
牧野がそこにいたのも予想外だったけど・・・。
滋のことでは面倒なことも結構あって牧野を泣かせた。
でも、それがあるから俺はお前のことが忘れられないと気がついた。
今となればいい思い出じゃないのか。


なにしてんのあいつ?
家の窓から下を見下ろせば、道端で一人考え込んだと思ったら突然にやつき思い出し笑いしてる道明寺が見えた。
私が見ているのに気がついたあいつは私を見上げながら大声で言った。
「結構!楽しい思い出じゃないか」と・・・
確かに今となればそうかもね。
私には金持ちのパーティーなんて柄じゃないが、無邪気に笑顔で手を振り「楽しいかったぞ」と必死で繰り返すあいつを見て、「気が向いたらエスコートさせてやってもいいよ」とあいつにほほ笑みかけて笑っている私がいた。



*この短編 「第2話つくし誘拐さる」の中で書いたパーティーのF3三人が呆れる司の呆けたデレデレぶりを思い切り書いちゃおうと思いカテゴリーに短編部分を追加して書きだしてみました。
そしたらあの場面まで行きつかず・・・
終わってしまいした。
いつか書こうと思っています。


 

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