思いは切ないほどに(類 編)

*「俺って本当に好きになった人とは結ばれない運命みたい」

そう思って牧野を諦めた。

牧野を幸せにできるのは俺しかいないと本気で思っていた。

司が俺の前で土下座をして謝るまでは・・・。

あいつのあんな姿見たくはなかった。

あいつが・・・

俺を殴りに来たのなら黙って牧野を諦めることはなかっただろう・・・。

桜の木の下、俺の思いには答えられないと牧野に言われても・・・

牧野の涙、思い、悲しみ、全部俺がそばで受け止めてきたのだから・・・

どんなに牧野が司のことを信じると言っても・・・

俺は牧野を待つことができただろう。

今までも牧野は悲しみと一緒に何度も俺のそばに戻ってきたのだから・・・

だけど・・・

あいつは俺の前に突然両手をついて「牧野のことは諦めてくれ」と土下座した。

俺様のあいつが土下座するなんて世界が終ってもあるはずがない出来事だ。

それもいとしい女のために・・・。

人の感情なんてそんなに簡単にコントロールできるものじゃない。

そう簡単に割り切れたならどんなに楽だろう。

牧野を諦めると決めた日、いとしい思いを胸の奥に閉じ込めた。

どうか牧野の涙を俺に見せないでくれ。

波風が立って心のカギをこじ開けないように・・・。

思いは切ないほどに、まだ君を愛してる。

 


類にはやっぱり永遠につくしを思っていてほしいて感じで書いてみました。
これってやっぱりアリだーーーと思っているのは私だけではないですよね?