悪夢
**この短編は第3話『届かぬ思いは誰のもの』のEND後のお話をこんなのもありかなと書いてみました。
出来ましたら第3話を読んだあとにお楽しみいただけたらと思います。
やっと牧野を全部自分のものにできると思っていた。
何度も何度も確かめるように長く、深く求めるままに牧野に口づけを繰り返えす。
俺の行為を小さく震えながら必死で受け入れている牧野が・・・
愛しくて・・・
愛しくて・・・
愛しくて・・・
俺の気持ちはもう抑えられないくらいに牧野でいっぱいになる。
「もう我慢しねえ、お預けはなしだからな」と牧野に言いながら、これ以上にないくらい牧野を強く抱きしめた。
気がつくと牧野をベットに横たえている自分がいる。
目をつぶって俺を待ってるあいつにそっと唇を落とす。
俺は唇を牧野の耳元に寄せてそっと囁いた。
「牧野・・・いいよな?」
「・・・」
何の反応もねえ・・・
「牧野?」
「・・・」
いくら恥ずかしいからって、それはないだろう。
俺の体の下で牧野の体はピクリとも動かない。
あんまり俺をじらすな
そう思いながら、もう一度牧野にキスをする。
「・・・」
やっぱり、牧野からは何の反射も返ってこない。
眠り姫にキスしてる感じてこんなもん?
柄にもなく童話の世界が思い浮かんだ。
眠り姫・・・眠り・・・
もしかして・・・
こいつ・・・
寝てるのか!?
嘘だろう!
こんな大事な時に普通寝るか!
「おい!牧野!起きろ!」
俺は必死に牧野の体を揺り動かす。
「ごめん・・・昨日寝てなくて・・・」
そう言った牧野はすやすや寝息を立て始める。
つれない牧野の返事が俺を完全に打ちのめす。
誰か・・・
夢だと言ってくれーーーー
俺・・・
もう立ち直れないかも・・・
俺は男としてのプライドがガタガタと崩れおちるのを感じた。
どこまでこいつは俺を振り回す気なんだ。
もしかしてわざとか・・・
落ち込む俺にお構いなく、あいつは無邪気な顔で大きくあくびをすると寝返りをうって、俺に背中を向けた。
*この短編は第3話『届かぬ思いは誰のもの』のEND後のお話を、
ちふゆ様のコメントをヒントにちょっと司に意地悪く書いて見ました。
本当につくしちゃんに爆睡されたら最悪ですよね。
司ごめん!
拍手コメント返礼
まあも 様
初期の頃のお話は司君の思い通りに行かないオチが多かったなぁ~
と、思いだしてしまいました。
PWつける限定記事を書くようになるとは思ってなかったなぁ・・・(;^ω^)