初めての朝

*この短編はTroublemaker 番外編 2 の続きの設定で書いてみました。

試練?を乗り越え結ばれたつかつくの朝のその後の様子は・・・

やっぱりこんなもんでしょうか(^_^;)

軽く朝食を摂ってホテルを出た。

こんなに長い時間一緒に過ごしたの初めてだ。

エレベーターに閉じ込められた時も雪山で遭難した時も一晩一緒にいたわけで・・・

あの時の俺は熱出して・・・

記憶失っていて・・・

その記憶をようやく思い出して・・・

牧野に看病させていた。

今回は俺が牧野を抱きしめてずっと朝まで離せなかった。

完全に別格な体験だ。

ベットの中では素直に俺に抱きしめられていたのに、一緒にシャワー浴びようとした俺を完全に閉めだしやがった。

遅めの朝食をとるためにホテルで案内された席に座ったらいつもの牧野に戻っていた。

朝食バイキングの並べた料理を見つめて「グー」と腹の虫を鳴らしてる。

「昨日は夕飯食べそこなったしね」

元取るぞ~て、元気いっぱい料理を選びだす。

俺のことなんて全く目に入ってねぇて感じだ。

皿いっぱいに盛られた食べ物を俺の目の前でガツガツ大口を開けて食いだした。

こいつには昨日の余韻というものが少しも残ってない。

俺はいつまでも体中の感覚が牧野を覚えてて忘れられずにいるというのに。

牧野の唇、首筋、胸元・・・

牧野が何気なく動くたびに体中に俺の唇を這わせた感覚がよみがえる。

食事なんて喉を通る訳がない。

まずいコーヒーを一気に喉の奥に流し込む。

「早く家に帰って大学に行かなきゃ」

お前の頭の中は大学の心配かよ。

完全にこいつ・・・

昨日の事忘れてるんじゃねえだろうなっ!

もう一度、素直なお前を思い出させてやろうかぁぁぁぁぁ

そんな凶暴な気分になってきた。

「お前・・・なんでそんなに平気な顔をしている?」

「俺は今すぐにでももう一度お前を抱きたい気分なんだぞ」

鼻息荒く言い放つ。

牧野はキョロキョロ周りを気にする仕草を見せて真っ赤になってうつむいた。

「だって・・・考えないようにしなけゃ、まともに道明寺の顔を見れないもん」

顔を上げないまま俺にやっと聞こえるようなか細い声が返ってきた。

「えっ・・・」

俺の顔を見れないって・・・

こいつ・・・照れてやがったのか。

すげーかわいじゃねえか!

やっぱり抱きつきたくなってきた。

そんな俺の感情・・・

置き去りにして牧野はガッと席を立って、ホテルの外へ飛び出していきやがった。

俺は牧野に抱きつくタイミングを逃したことに「チッ」と舌打ちするしかない。

俺の目の前、数歩先を牧野がゆっくりとした足取りで歩く。

並んで歩くより、牧野をずーと眺めていたいそんな気分だった。

・・・・

・・・・・・・・?

「牧野・・・」

「お前・・・歩き方変じゃねえ?」

「ガニ股になっ・・・」

言い終わらねえうちに牧野の持っていたうすオレンジ色の手提げバックが直球で顔面めがけて飛んできた。

「あんたのせいだからねッ」

耳まで真っ赤にしたあいつが俺を睨んでいた。

おまけ

「俺のせいて、どういうことだ?」

「どうって・・・」

「言わなきゃ解かんねぇ」

「まだ・・・なんか・・その・・・はさまってる感じが・・・」

「あっ!」

「もういい!」

持っていたバックでポカポカ頭を叩かれた。

全然、意味わかんねえっ!

後で総二郎にでも聞いてみるか。

Troublemaker 番外編 2 では書けなかった部分をちょっと短編でUPしてみました。

聞かれた総二郎はちゃんと答えてくれるでしょうか?

また続き書けそうな気配です。(^_^;)