知りたいことは・・・

*この短編は初めての朝のおまけ部分の続編として書いてみました。

初めての朝 を読まれた後お楽しみ頂けたらと思います。

「なあ・・・総二郎、教えてほしいことあるんだけど・・・」

少し照れくさそうに司が言いながら俺の横に腰を下ろす。

「なんだ急にお前が下からもの言うなんてなんて気持ちわりぃ」

それも身体を密着させすり寄ってくるような態度だ。

人に聞かせられねえような事なのだろうか・・・

司が人にもの聞くなんてほとんどない体験。

普段なら知らなくても知ってる素振りしか見せないような奴だから。

自分が知らなくて俺達が知ってるなんて許せねえみたいな変なプライドを小さい頃から持っていた。

そういや・・・

この前合コンのこと合同コンテストなんて言って一人で納得してた司にあきらと馬鹿受けしたこと思い出した。

昔から知らないふりしながら司に教え込む!

そんな変な癖があきらにしても類にしても俺達3人身についてしまっている。

司が・・・

司らしくないこと始める時って大体が牧野がらみで・・・

そこから問題が起こってくるんだよな・・・て、ため息つきたくなってきた。

「牧野となんかあった?」

ややこしいこと持ち込まれるのイヤだから率直に聞いてみる。

「その・・・なんだ・・・牧野と俺が・・・」

単刀直入考えなしの司にしてはやけに言いにくそうだ。

心なしか頬が赤くなってる。

照れてる司なんて見てても何の得にもならない。

俺の横で頬染めるのは付き合ってる彼女達がいいに決まっている。

俺に聞くってことは・・・

男と女に関することか・・・なんてピンときた。

「司・・・お前・・・牧野抱いたんだよな?」

そんなあからさまに言うな!みたいな顔してすぐに頷いた。

「そんで、なんかあったのか?」

「・・・」

「・・・・・」

少しの間を置いて司がしゃべりだした。

「朝・・・二人で帰る時、牧野が変な歩き方してたから気になって、聞いたらあいつが手に持ったバックが飛んできた」

「そして俺のせいだと睨みやがった」

「俺ワケ解かんなくて、ワケ教えろて迫ったらめーいっぱい頭殴られた」

「総二郎!牧野の代わりにワケ教えろ!お前ならわかるだろう!」

まくしたてるように一息で話つくす。

司・・・

それ本気で聞いたのか!?

牧野・・・すげー恥ずかしかっただろうな。

俺がいれば牧野の代わりにこいつ殴ってやってたのになんて同情してしまった。

さりげなく気がつかないふりをしてそっと助ける。

それが初体験の彼女に見せる男のやさしさだろうが。

こんな事こちらも初体験の司に解かる訳ねえよな。

こいつはこいつで必死だったろうし・・・。

その時の情景想像して苦笑した。

「コホン」と一つ咳払いをして気分を変える。

「あのな、牧野は司が初めてだったんだよな」

ぼそっと司に耳打ちする。

「当り前の事聞くな!」

突然、司が怒りだした。

誰もそれを疑ってはいねえ、お前らの関係を確認させてもらっただけだろうと、心の中で舌打ちする。

「牧野、すげー痛かったに違いない」

あっ!て、今気がついたような表情を司が浮かべる。

「そんなに痛いのか?」

俺も頷くが、俺はさせる方でする方じゃない!

なんて言いきっても仕方がないが、俺に経験あるわけねえんだから解かるはずない。

相手の反応見ての男の感想みたいなもんだろう。

想像の範囲にすぎない体験みたいなもんだ。

「牧野に聞いてみろ」と言いかけたが、そんなこと言ったら司は本気で聞くだろうと、言葉を飲み込んだ。

「終わった後もしばらくは・・・・はさまった・・・・感じ・・・・らしいぞ」

さすがの俺もぼそぼそと司に話しながら顔が赤くなってしまった。

20歳過ぎた男同士顔付き合わせてする話じゃねえ。

普通、中高で終わってるぞぉーっ。

「それで・・・俺のせいなのか・・・」

司は何とか理解して納得はしたようだ。

「で・・・それで・・・その感じってどのくらい続くんだ?」

司が真顔で聞いてきたことにクラッとしてしまった。

司に付き合うのマジで体力の消耗だわ。

そんなこと真顔で聞くなぁぁぁぁっーーー。

怒りみたいなもんがムカムカこみ上げてくる。

「知るかっ!」

俺は椅子から立ち上がって大声で叫んでた。

牧野が司を殴りたくなる気持ち理解した気がした。

おまけの部分から出来上がったお話です。

私の書く総二郎はなぜか損な役目になってしまいます。

総二郎ファンの方、ごめんなさい。

まだまだこの短編の数話書けそうな感じです。

短編のマネキン編みたいな感じになりそうな気配が私の中でしています。

続きの短編、あきら参戦編のお話UPしました。

拍手コメント返礼

栞様

私も笑いながら書いていました♪

こんなこと書いて大丈夫かと思いながら。

総二郎がしっかり教えてあげないとね(*^_^*)

annie様

こんな純なところがギュッとくるんですよね。