大人の学習
*この短編は初めての朝からの続編第3弾です。
知りたいことは・・・ を読まれた後お楽しみ頂けたらと思います。
「総二郎が大声あげるなんて珍しいじゃん」
司の子供じみた無邪気すぎる疑問と素直すぎる反応にムカついていた俺にあきらが明るく声をかけた。
「あきらか・・・」
俺は横目でチラッとあきらに視線を送り、ふてくされたように立ち上がった体勢を元に戻し腰を下ろす。
「今、こいつと話したらすげー恥ずかしくなることしゃべらされるぞ」
視線で司を示し頬づえをつきながら言葉を吐き捨てる。
「なにがあった?」
興味深深の顔であきらが俺と司の間に割って座わる。
仕方なくぼそぼそと司から聞かれた質問をあきらに教えてやった。
こんなこと2度もしゃべらすな!
そんな気持ちが俺を襲う。
「牧野の歩き方がおかしくて・・・」
「ブハハハハハハ」
「その原因がなにか・・・・」
「そりゃぁやっぱり司のせいだわな」
「ブハハハハハ」
涙流して喜んでやがる。
「司!お前ちゃんと総二郎に教えてもらったのか?」
腹抱えて大声で笑いやがった。
「まあ、大体な・・・」
照れたように司がニッと笑った。
これが俺じゃなく、あきら!お前が最初に聞いたとしたら絶対笑ってられねえぞぉーーーー
あきらじゃなく俺を選んだ司が恨めしく思えてきた。
「なあ、司・・・終わったこといろいろ考えても何にもなんねえ」
「これから大事なのは・・・」
そこで言葉を切ったあきらが俺に意味深な笑い送ってきやがった。
「牧野をどう自分好みの女にしていくか!ということだ」
これが大人の男だぞ!なんて付け足して初心者相手にダメ押し始めた。
それを理解してるかしてないのか解からない様な表情で司が真剣に頷く。
「司君・・・お兄さん達がこれからみっちりちゃんと教えてやるからな」
あきらの考えをようやく俺も悟った。
その司の大人のお勉強・・・俺も入るのかよ。
俺をまきこむのはやめてくれ!
そんな体力俺にはねえぞ!
「でもどうかな?」
「初体験が最悪だったりすると・・・」
「牧野はもう二度とヤダーーーーーなんて思っているかもなぁ」
考える素振りをしてあきらがチラッと司を盗み見る。
司のこめかみがピクッとなってヒクヒクし始めている。
「そ・・・そ・・・そうなったらどうなる?」
慌てすぎて司は言葉がどもっている。
あきら・・・
完全に司で遊ぶ体制に入りやがった。
素直に大人のお勉強始める気はないらしい。
俺の気持ちも結構晴れてきた。
「2度目はねえかもなぁ」
とどめの一言をあきらがとうとう口にした。
サッーと司から血の気の引く音が聞こえたような気がした。