寒中浴衣大会の夜・・・その後に(類編)
原作コラボ第三弾!
『寒中浴衣大会の夜に』のその後お話です。
類とつくしの場面です。
あの告白場面に類がいたらどんな反応示していたのでしょうか・・・
*俺と牧野の二人の場所。
ぺたっと地面に知りつけて空を眺める牧野を見つけた。
「うす」
「花沢類」
いつも通りの何度も繰り返した挨拶。
「付き合い始めたんでしょう、司と」
「あ」
完全に真っ赤になった顔で牧野が驚きの表情を見せる。
なんで知ってるの?的な感情丸わかり。
「昨日あきらから聞いた」
「そんな重大発表があったんなら、寝てないで行けばよかった」
「いや、その・・・・・」
これ以上はならないだろうというほどの赤い顔で牧野が言葉に詰まる。
「なんか、そーゆーことになっちゃって」
視線を牧野が俺からそらすのは完全な照れ隠しだ。
「なんか複雑な気持ちなんだよな」
「うれしいような、さびしいような」
つぶやいたのは俺の本音の部分。
牧野の態度に触発されて出てしまってた。
牧野の照れの中にうれしそうな気持ちを見つけた。
少しの嫉妬がチラッと浮かぶ。
牧野が驚いた様に瞳を開いてた顔を俺に向けた。
俺の言葉の意外性に驚いた様子。
フッと心が軽くなった。
「司とうまくいけばいいなと思う反面、牧野は俺にとって特別だから」
疑問符張り付けたまんまの顔で牧野が俺を凝視する。
「特別?」
「うん、しいて言えばー」
「ペットみたいで」
ガクッとなった牧野の顔は尾っぽをまるめた子犬の様。
あんたのその反応が俺を和ませる。
牧野といると温かくて、ホッとして安らいだ。
言い表すにはペットが程よい。
本気の部分は心の奥深くに閉じ込める。
これ以上言えばあんたが悩むから。
牧野・・・
きっと牧野の事、友達以上に気にいって気になっていた。
「授業始まるから出るわ」
牧野がすくっと立ち上がり背を向ける。
「うれしい方が勝つよ」
「親友の彼女ならずっと友達だし」
「花沢類」
「私が花沢類を好きだったこと知ってた?」
大きく見開いた澄んだ瞳の視線が背中に向けられる。
見えなくても手にとるように浮かぶ牧野の表情。
吹っ切れたような表情を浮かべてるんだろうな。
「もちろん」
背中を向けたままピースで右手を上げた。
俺への気持ちは友情から恋にかわったと気がついた時に終わってしまってた。
うれしい自分とさびしい自分。
今だけはさびしさが湧き上がるのを許してほしい。
「俺も牧野の事、好きだよ」
見上げた空の青が心に沁み込んだ。
mebaru様のリクエストにお答えして書いてみました。
次はなんでしたっけ?