秘書西田の坊ちゃん観察日記 6(ないしょ?ないしょ!ないしょ!? 番外編)

このお話は『ないしょ?ないしょ!ないしょ!? 18』のつくし作お弁当争奪戦第2段です。

つくしのお弁当を西田さんどうする?

 *

つくし様を坊ちゃんから引き離したのはいじめではなく親心。

道明寺財閥の概要をお教えすることもそろそろ必要だ。

司様の花嫁としてお迎えするのに必然的項目。

まあ一日ぐらいは我慢してもらおう。

もともとつくし様は頭のいいお方だからお教えするのもそこまで苦労はしない。

ちょろちょろと気になる様子で顔を見せる坊ちゃんが情けない。

逃がしたりはしませんから・・・

喉元まで出かかった言葉を呑み込んで無視を決め込む。

12時を過ぎたころ、何度目かの坊ちゃんの来訪。

「代表、今日はこれで何度目ですか?」

「落ち着いて説明もできませんよ」

皮肉をこめて視線を向ける。

「今度はしっかり理由がある。そろそろ休憩だろう」

私を見ずにつくし様に視線を送る坊ちゃんは哀願ぎみ。

どうぞ好きにやってください。

そんな気分になってきた。

これで昼からは仕事に身が入るだろう。

「今屋上に行ったら人が多いからもう少し後のほうがよくない?」

「別にいいじゃねぇか」

「俺は腹がすいたんだ」

つくし様は躊躇する様子で腰が引けている。

「どちらでもかまわないと思いますが」

らちがあきそうもないので言葉をはさむ。

「人が少なかろうと多かろうと目撃者の人数に比例することなく、代表が女性と屋上で弁当を広げられていたという情報が夕方にはビル内を占領してることでしょうから」

会長からもつくし様のことがもれてもかまわないとの許可はいただている。

坊ちゃんに話すとつくし様を見せびらかして歩きそうだから教えなかっただけのことだ。

「困る!」

困惑気味のつくし様。

「面白い」

満面の笑みを浮かべる坊ちゃん。

「おもしろがってる場合じゃないでしょう」

「西田さん、私のことばれたら困るんじゃないんですか?」

「代表に婚約者がいらっしゃるのは周知の事実ですから、問題にはなりません」

「西田さん話が違ってきてますよ」

しばらく坊ちゃんにお付き合い願います心の中で頭を下げる。

坊ちゃんの部屋にひきづられるように連れられて行ってしまわれた。

私はここで静かにつくし様から頂いたお弁当を味わいましょう。

弁当を広げて蓋をあける。

色とりどりのおかずにおにぎり。

卵焼き、唐揚げ、ハンバーグ、いもの煮っころがし、

なかなか庶民的な色いあい。

「室長、今日はお弁当ですか、めずらしいですね」

ニコッとほほ笑んでお茶を差し出される。

その手が一瞬動きを止めた。

プッと吹きさしそうになった口元を隠し部下が足早にそそくさと引き上げた。

「室長が!ウインナーを食べている。それも赤いタコさん~」

「えっ~あり得ない」

「誰が作るの~」

しゃべるならドアをしっかり閉めてからにしてほしかった。

箸に挟んだままの赤いタコの形のウインナー。

弁当の中にはカニの形のウインナーも見える。

つくし様・・・

このようなものを喜ぶ歳ではありません。

坊ちゃんも赤いタコのウインナーを食べてるのだろうか。

「はい、あーん」と、食べさせてもらってウインナーをほおばる坊ちゃん。

私と坊ちゃんとどちらが話題をさらうことだろう。

坊ちゃんでありますようにと祈りを込めてウインナーを口の中にほうり込んだ。

ゆみまま様 mebaru様 RICO様の続きを~の要望にお応えして書いちゃいました。

タコさんウインナ♪を食べる西田さんに司クンどっちもレアだよな~

拍手コメント返礼

RICO様

タコは思いついて想像して一人で笑っていました。

お弁当食べた後の一こましっかり考えています。

もうしばらくお待ちくださいませ♪

おくら 様

タコウインナーを食べる西田さんもすごく見たくなりますよね。

司よりレア~