ハロウィンの夜に 2

 *

目の前には唸り声を上げるボクサー犬数匹。

固まって動けない。

玄関の前をうろうろ徘徊してやがる。

これじゃ招待客も逃げちまうぞ。

ボクサー犬の後ろに現れたサル女。

「仮装してないじゃん」

目の前で不満そうな口調を投げられる。

「出来るわけねぇだろう!直前に知らせやがって!」

「だって、早めに知らせたらつくし連れてとんずらされそうだもの」

満足そうにほほ笑む滋。

「この犬を何とかしろ!」

「これは司用の警備犬だから、子犬でも駄目なんでしょう?」

やけにうれしそうだ。

なんで俺の苦手なもの知っている?

「誰に聞いた?」

凄みを利かせて睨んでた。

「司の弱点を聞いたら類君はつくしで西門さんは動物だって美作さんはどっちも強力って笑って教えてくれたよ」

「仮装はしっかり準備してあるから、着替えるなら通してあげる」

ウインクまで投げてきやがった。

あの野郎どもッーーーーー!

「お前は俺に命令する気か!」

必要以上の怒のこもった気分を上乗せして凄みを見せる。

「命令じゃないよ、脅し」

「仮装しないとつくしは返さないわよ」

完全に俺の怒りをスルーする反応。

「他のやつらは来てるのか?」

「しっかり仮装で参加してるよ」

結局、滋に連れられて行く一室。

死刑場に連れられて行くようなあきらめの境地。どんな仮装をすればいい。

並べられた衣装。

ミイラ・・・。

ゴリラの着ぐるみ?キングコングか・・・。

スパイダーマン、スーパーマンアイスマンこの辺はまだましか。

ミッキー、ドナルド、クマのプーの着ぐるみ。

誰が着るんだッ!

全部誰だか分かんねーぞ。

一番ましなものを物色中。

ねぇじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ。

見つけ出して着たのが天狗の格好。

河童よりはましかと選んだ。

高下駄履かされてそれが歩きにくい。

天狗の鼻高お面に鳥の羽で作った扇。

どこから見ても俺じゃねぇ。

すね毛は丸出し。

ハロウィンに日本の妖怪の格好でいいのかよ。

ちなみに滋はピーターパン。

自分だけ顔を出してるって卑怯じゃねぇのか?

他のやつらはどんな仮装か内緒だからと自分で見つけろと言い放たれた。

会場には古今東西の衣装に身を包んだやつらがうようよ。

本当に誰だかわからない。

おっ!目だけの仮面で顔を隠しているが海賊の船長の格好はあきらのやつだ。

どう見ても年上っぽいチャイナ服の女性を連れている。

お得意の中国語で口説いたのだろうか。

総二郎は・・・

ドラキュラ?

キバまでつけてあほらしい。

それは俺の格好か・・・。

誰にもばれたくねぇ格好だよな俺。

ゾロの格好で深々と帽子をかぶり目元だけを布で覆っているのは類か。

口髭までつけている。

あいつの瞳は隠しようがない。

牧野は・・・

わかんねぇ・・・。

絶対見つける自信はあるのに見当たらねぇーーーー。

どこ行った?

本当にいるんだろうな!サル女!

仮装考えるので一苦労。

つくしはまだ考え中で(^_^;)

何かないですか?

完全に浮かんでこない・・・

拍手コメント返礼

kobuta様

司の喜ぶ仮装ありがとうございます。

ディズニーのお姫様わかるかな(^_^;)

すうすう様

桜子とコンビになったらすぐにばれそうですよね。

それも考え見よう。