パパの憂鬱その後の展開
skysky7様の作品『冬が始まるよ』とのコラボ作品『パパの憂鬱』の続編です。
*娘はやらん!
娘はやらん!
娘はやらん!
言えるはずのない言葉を口の中で反芻する。
「パパ聞いてる?」
「娘はやらん!」
つい・・・
つくしに声をかけられて振り返った途端に口から飛び出した。
しまった!
口を手で押さえてももう遅い。
何言い出すの的ママの視線。
きょとんとしたつくしの顔。
ニンマリ気味の進。
その先に考え込んでいる様な表情の未来の息子。
「娘はやらん?」
「おい、牧野! お前どこかに行くのか?」
隣にいるつくしを覗き込むように道明寺さんが頭を動かす。
「何言ってるのよ」
「パパが言ってるのは私を御嫁にやらないってことでしょう!」
「へぇーなんだそんなことか」
「へっーーーッ!」
頭の先から飛び出す様な声。
「気がつくの遅いよ」
呆れた様な視線をつくしが道明寺さん向ける。
「「パパ本気じゃないよね」」
つくしとママ。
二人がかりで詰め寄られた。
「娘を嫁にやるのはさびしいかな・・・なんて、ちょっと、ほんのちょっと思っただけだから」
「本気でお前たちの結婚を邪魔するつもりじゃないから」
娘はやらんと本気で言ってみたいと言えないのはパパの気の弱さだよな。
「道明寺さん本気じゃない・・か・・ら・・・」
言葉が続かなかった。
娘はやらん・・・
牧野と俺の結婚?
結婚を反対されている?
ぶつぶつと一人で考え込んでる道明寺さん。
つくしが道明寺さんの目の前で片手を数回上下に動かす。
全く気がついてない。
大丈夫か。
「どうみょう・・・じ?」
不安そうにつくしが声をかける。
つくしに気がつかないように道明寺さんが私に近づいていきた。
「お父さん」
「ハイ!」
ビクッとなって声色が数オクターブ高くなる。
ガバッと座り込んだ道明寺さんが両手をついた。
「こ・・こまるよ」
全く私の声は届いてない様な真剣な視線を向けられる。
蛇に睨まれた蛙の気分。
「僕と、つくしさんのことで心配されるのはわかります」
「全身全霊でつくしさんは僕が守ります」
「結婚を許してください」
土下座された。
「道明寺ッ」
「パパは本気で反対してるわけじゃないと思うから」
「でもうれしい」
感激して涙を流しそうなつくしが道明寺さんの肩に手を添えている。
「君たちの結婚は許している。娘を奪われる父親の心情ってやつだよ」
「ドラマでもよくあるだろう?」
「娘が欲しいなら俺に1発つ殴ぐらせろ!とかね。ははははははは」
取ってつけたようにぎこちない笑い声を上げる。
「そんなドラマ見たことねーぞ」
「別に知らなくてもいいの、パパは結婚許してくれてるから」
「でも・・・1発殴らせろって・・・」
「お前の為なら殴られてもいいぞ、俺!」
「へっ?」
今度はパパのほうが焦ってしまった。
本編etc.(読み物のある場所)様『冬がはじまるよ』にもぜひお立ち寄りを♪
拍手コメント返礼
b-moka様
「一発殴る」のセリフ部分どうするか考えました。
司親子に殴られるっていうのも面白いかと・・・
ただそれだけの発想です。
うちの旦那は「娘はやらん!」
「俺に似た様な奴連れてきてもダメだ!」と言っていました。
それは私がヤダよ~
ささ様
わ~い♪あちらでも読んでもらったんですね。
うれしいです。
親子で思ったこと口にしてますね。
もしこれで司を殴ったら親子2代で御曹司をぶっ飛ばした栄光をつかむことになるのかぁ。
べちっとしょぼい音を立ててもらいたいものですね。