恋人はSecurity Police 35(完)

突然ですが(突然でもないんだけど)これにて完結。

やっと終わった・・・・(^_^;)

お付き合いありがとうございました。

といいつつ・・・

いつもおまけがあるのよね・・・

その前にままちゃん様から頂いたコメが秀悦で一筆啓上してオープンさせていただきます♪

「牧野は?」

秘書課を彼女が飛び出して15分後。

社員を怒鳴り散らした不機嫌さの表情に不安がかすかに浮かぶ。

それは好きなおもちゃがないと言うよりは、寝るときに必要な何時もの毛布がないから眠れないとでもいう様な表情・・・

そう感じたとは、たぶん代表に告げる事は一生ないだろう。

「暇だったみたいです」

だから出て行かれました。

一応私はおとめしたんですがと説明しても無駄なことは分ってる。

「暇じゃねェだろう!」

「代表の仕事が終わるころにはこちらに戻ってこられると思いますが・・・」

「仕事は終わった」

勝手にするぞの威圧感満載で代表は私たちの前を遠ざかる。

「いいんですか?」

そんな表情を部下にさせるのはたぶんこれが最後。

「これをしっかり覚えておいてください」

1週間で代表とつくし様の関係を分析したデーターの総まとめ。

それを部下の一人一人に渡す。

全員にいきわたったところで門外不悉だと付け加えることは忘れない。

 

社外秘 トップシークレット 秘書室専用

対司様専用 またたび つくしの取り扱い説明書(処方箋)

<使用上の注意>

①これは乱用禁止 効力が損なわれます。

 いざという時にのみご使用ください。

②用件が済むまでは司様に与えてはいけません。

  ちらつかせる、もしくはほのめかすにとどめること。

③スキンシップの際はさり気なくその場から立ち退くこと。

  無理な場合のみ素知らぬ振りをし、壁の花に徹する事 。

④つくし様が難色を見せた時には

 「お願いします。助かります。あなただけが頼りです。」で懇願しましょう。

 お優しく正義感があるので、心に訴えるように言うのがコツです。

⑤お待ちいただく際には、甘いもの、美味しいものは必須

⑥適度な仕事を与え、部屋から出さない事

(所在不明になると司様は仕事を放棄します)

<用途>

司様が仕事を放棄して逃走を企てた時

外せない会食を嫌がる時

予定外の用件で緊急を要する時

その他必要と思われる時全般

<効用>

機嫌がよくなり穏やかになる

仕事の効率が上がる

社内環境がよくなる

「常備薬の薬効、副作用 取り扱いが丁寧に書いてある説明書みたいですね」

そんな感想が部下から漏れる。

この効用は不機嫌な代表には確実な有効性があるはず。

あとはどう坊ちゃんを彼女をウンと言わせるか。

言わせてもらわないと困るんです。

失敗したら・・・

一番最初の泣き落としをするのは私になるのか?

それだけは避けたい。

だから今は坊ちゃんを野放し中。

この2人が結びつけば、きっと道明寺HDに巨大な富と名声・・・

いやいや、それより大切な平和をもたらすはずだ。

携帯・・・

西田さんに連絡して助けてもらう。

これで解決!

身体中のポケットを手でまさぐる。

ポケットに入ってるのは薄手のハンカチ1枚。

あっ・・・

秘書課に置いたままのバックの中だとため息をついた。

「道明寺携帯!」

「ん?」

あんたなら何時も上衣の内ポケットに携帯を入れてるでしょう!

怠そうな仕草で道明寺が自分の携帯を私に放り投げる。

もう!

落としたらどうする。

もっと丁寧に扱えないかな。

そんな愚痴を言ってる場合じゃない。

なによ!

この携帯!ウンともスンとも言わない。

「ちょうど切れたんだよ。

お前に携帯ずっとかけてたら、電池がキレる寸前で出たの西田だぞ」

携帯が仕えなくなったのは私のせいだと言ってるような態度を道明寺が見せる。

そしてその口もとが苦痛を浮かべて歪んだ。

道明寺、怪我してたんじゃない。

脚立なんて持ったらダメじゃん。

急にしりもちをつくようにしゃがみ込んだのも傷が痛むからなのか・・・

心配になって道明寺の前にしゃがみ込んで道明寺を覗き込んだ。

「なんだよ」

「大丈夫なの?」

道明寺の脇腹が気になって上衣着のボタンを外した。

「お前、いきなりここでか?」

え?

その声に顔を上げた私の顔に道明寺の顔が降りてきて・・・

今にもキスされそうな甘い雰囲気で道明寺の長い睫毛が降りて目を伏せる。

ちょっと!

カン違いだって!

やさしく肩に置かれた手を思い切り振り払って後ろに跳んだ。

ガタンと金属音が棚に響いて、棚から箱は一つ落ちる。

「アブナッ」

危ないのは道明寺!あんたよ!

「痛そうにしてたから傷が気になったんでしょう!

何考えてるの」

心臓がドキドキして困る。

「なに考えてるって、俺はお前を探してたんだぞ。分るだろ?」

熱い眼差しはここがかび臭い倉庫だって忘れそうだ。

僅かな沈黙が和らいでフーッと長い息を私は漏らす。

その私に向ける道明寺の視線は優しくて幸せに微笑むからなにも言えなくて頬が熱くなる。

「心配するな、俺たちがここにいるのは社員が見てるんだし、そのうち西田が探しに来るだろう」

こんな顔してな」

道明寺が目もとを真直ぐに引っ張って「煩わせないでください」と西田さんの声色を真似する様な真面目な声で道明寺がつぶやく。

全然似てないんだけど。

ケラケラと笑ったまま道明寺の横に腰を下ろして身体を壁に預けた。

「まさか、倉庫に道明寺と閉じ込められちゃうとはね」

「お前を閉じ込めるんなら別なとこがいいけどな」

じっと見つめる道明寺がエロい。

それが嫌じゃないから困る。

見つめられてるだけで裸にされてるよう艶。

道明寺の熱い吐息が、唇が、指先が私の肌に触れた感触は艶めかしく私の記憶から引きだしてくる。

私ってこんなにエッチだったか?

触れあっていた肩から感じる道明寺の体温。

離れなきゃ・・・

別なこと考えて・・・

道明寺は怪我してるんだし・・・

それどころじゃないはずだ。

逃れる機会はすでに遅くって、道明寺から離れることを拒むように筋肉が強張ってる。

「牧野・・・」

道明寺がつぶやいた声はそのまま私の唇と重なった。

性急に熱が身体を支配する。

キスだけで道明寺の事しか考えられなくなりそうで怖いよ。

「これ以上はダメだな」

先に離れたのは道明寺の唇。

まだ離れたくない感情を乗せたまま唇が震えてる。

「俺は、本気だから。お前も本気見せろ」

それはきっとこれからの私たちの関係の事で・・・

プロポーズの返事の事だよね。

「俺を逃したら幸せになれないぞ。お前を幸せに出来るのは俺しかいないから」

なによ。

その自信はどっから来るの。

傲慢さは道明寺そのもので・・・

それでも私に見せる情熱と思いは本物だってわかる。

「しょうがないな」

YESというには照れくさくて・・・

道明寺を幸せにしたい、二人なら幸せになれるって想いが胸の中で溢れて泣きたくなった。

「私があんたを幸せにしてやるよ」

「してもらおうじゃないか」

挑発的に私を見つめる瞳はどこまでも優しくて私の心を身体を包み込んでるようで・・・

「わすれんなよ」

微笑んだ唇はもう一度私の唇を塞ぐ。

また心臓がどきどきして来て暴れてる。

ん・・・

規則的な振動が伝わる胸元。

これって私の心臓じゃない。

「チッ」

舌打して離れた唇はそのまま胸元から取り出いた携帯に口をひらく。

えっ?

それ・・・

「5階 倉庫にいる」

だれ?

つーか・・・

その携帯・・・

きっと今の私は間抜け面で道明寺にいくつもの疑問符を投げかけてる。

「これ、仕事用」

確信犯的にニンマリと笑う道明寺。

悪戯に成功したような満足な笑みを浮かべて私を抱きしめる。

「結婚しような」

誰がするか!

言いたい思いは道明寺の強い腕の中でバタバタと声にならない声を上げていた。

このあとはなし崩しまで結婚協奏曲流れ込んだとか・・・

おいおい・・・(^_^;)

そこまで書けばいいいじゃんなんて感想は許して~~~

拍手コメ返礼

Gods & Death 様

すいません~

原因判りません。(^_^;)

このコメは読めてます?

akko

手段は褒められたものじゃないけど、子供みたいな嘘にはつくしちゃんも本気では怒れないとこある様な気がします。

仕事のできる男とのギャップが萌えで~

うさこ 様

okキターーーー。

・・・で、大忙し?

誰が?

つくしちゃんが司君から逃げるのが忙しかってりして~

お品書きにつくしちゃん取扱説明書。

このお話は常連さんの助けがあって出来上がった作品になりましたね。

今度はどんなポイ捨てがあるかな♪

そうそうラブコル♪

いえいえ、たんにうちの旦那は娘と話したいだけなんです。

父と娘の方がラブラブなんだな。(^_^;)

なる 様

取り扱い説明書。

コメで私だけ読むのはもったいないですよね。

つい楽しいコメを頂くと皆様にも楽しんでもらいたいと思っちゃいます。

>おまけのお話で 祝福の声とか相変わらずな痴話ゲンカとか 見れますよね???

> ひー様 実は続きのアイデア温めてますよね?(笑)

一度終らせると気楽におまけが書けるので好きなんです。

痴話げんかのお話を考えてました。

そして最後はイチャコラで♪