パパの憂鬱その後のその後

skysky7様の作品『冬が始まるよ』とのコラボ作品『パパの憂鬱』の第3弾です。

 *

「どうぞ殴って下さい」

まじめな顔で頬を前に出される。

突っ立ったまま微動だにできないでいるのは私の方。

ビビってる。

目を見開いたまま見つめられる視線が痛い

こういうときは普通は目はつぶるものだぞ司クン。

自慢じゃないが私はつくしにも進にも手を上げたことは一度もない。

進の場合はつくしに案外パカッと殴られているけどな。

あの手の早さは誰に似たのか。

気が強くなったのも気弱なパパの影響なのか。

しっかりした娘に良くぞ育ってくれたものだ。

娘に感心してる場合じゃなかった。

「どうぞ、思い切り」

膝に拳をギュッと握った道明寺さんから眼光鋭く睨まれてるよパパ。

思い切りと言われても・・・

殴ってきそうなのは道明寺さんじゃないのかと錯覚してしまう。

「ギャッ」

我慢できずに両手でブロック気味に後ろに腰が引ける。

「何やってんのパパ」

つくしが道明寺さんの視線を身体で遮った。

助かったか?

「道明寺もバカなこと言ってないで、立ってよ」

「あんたと違うんだからパパに人を殴れるわけないんだから」

つくしが道明寺さんの腕を引っ張り上げた。

「パパは気が小さくて人を殴るくらいなら自分の頬を差し出す様なタイプなんだから」

つくし・・・

パパを擁護するつもりならもう少し別な言い方あるんじゃないか?

『パパは優しい人だから人に痛みを負わせることはできないの』

これくらいのオブラートに包んだ言葉で言ってくれ。

「俺がいつも人を殴ってるような言い方するな」

ブスッとした声が耳元に響く。

「高校時代は日常茶飯事だったじゃない」

「俺は殴ったことはあるが殴られたのはお前だけだ」

「そんなこと威張って言うことじゃないでしょう」

言葉を交えるたびに二人の気が荒くなってきてるように思えるのは気のせいか?

道明寺さんの土下座に感動していたつくしはどこに行った?

殴ったって・・・

つくしは進だけじゃなくて道明寺さんも殴れるのか!?

はじめて知る事実に仰天したのは家族3人。

「さすがおねえちゃん」

そこは感心するとこじゃないと思うぞパパは。

この二人・・・

大丈夫なのだろうか、少し心配になった。

司を殴り損ねて尻もちをつくパパの図!

見たかったんですが、どうも殴れそうもないよねあのパパじゃ・・・

ということでこんな結末になりました(^_^;)

本編etc.(読み物のある場所)様『冬がはじまるよ』にもぜひお立ち寄りを♪