第14話 DOUBT!!  8

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-From 1 -

強く・・・

しっかりと・・・

離れないようにと・・・

握りしめられた手首。

道明寺の手のひらの熱さはそこから私の全身を包み込むように広がっている。

頭の思考が止まったまんま勝手に足だけが動いてるようで・・・

道明寺に必死について行くように前へと進む足。

雲の上を歩くってこんな感じだろうか?

立ち止まったのはエレベーターが降りてくるのを待つため。

早く来いみたいな表情で数字のランプを道明寺が見あげてる。

え!

うっ!

おーーーーーーッ!

思考が身体に追いついた。

花沢類や西門さんに美作さんのみんなに手を振られて「頑張れって」声かけられて・・・

ギャーーーーーッ。

みんなともう顔が会わせられないよッ。

大体命が狙われてるって分かってそんな気分じゃないッーの!?

気分もりもりな道明寺のほころんだ顔。

逃げられそうもない。

エレベーターの中は二人っきりで・・・

広々としたはずなのに・・・

四角箱の片隅の壁の前に張り付いてギュッと寄せる気密性。

道明寺の吐く息がわずかに耳元を掠めてる。

微妙に触れる感覚の指先は私の腰のあたりを浮遊する。

もうヤダーーーーーーーッ。

心の中で叫んでも身体から発する熱の上昇は隠しようがなくなっている。

開いたエレベータのドアから飛ぶように降りる道明寺。

道明寺の手のひらは私の手首をつかんだままだ。

カードキーを差し込んで開かれて部屋の中。

普通の部屋のグレードよりは少し高めって感じの部屋。

このくらいが私には落ち着く。

・・・って。

落ち着ける状況じゃない!

真中にはキングサイズのダブルベット。

窓の外には広がる夜景が美しい。

ムード満点だよ。

わ~綺麗と言って道明寺から離れる。

「お前の方が綺麗」なんて窓側で抱きしめてきたら・・・

ベットの上に身体を投げ出してクッションがいいとか言って飛んでみる?

そのまま道明寺が飛びかかってきそうだよな?

シャワーを浴びる?

一緒に浴びるってタキシード脱ぎ出しそうだよ。

頭の中に浮かべるシチュエーション。

全部結果は見えている。

「緊張してねぇ?」

そう言って道明寺は上着を脱いで・・・

あーーーっ脱ぎ・・・・脱いでるっーーーーー。

早くないか?

視線が落ち着きなく動き回るようだ。

脱いだ上着をソファーの上に置いて道明寺がドカッと腰を下ろした。

脱いだの上着だけか・・・。

拍子抜けって感じてる私は受け入れ態勢80%までは来てたらしい。

と・・・気がついてまた身体が熱くなる。

私の手を握る様に腰を浮かして道明寺の指先が動いた。

絡んだ指はグッと力を込めて私を道明寺の膝の上へと座らせる。

背中に回された道明寺の腕が私の身体を束縛するように上腕を押さえてる。

自由になる10本の指先を道明寺の胸元に押し当てた。

シャツってこんなに薄かったっけ?

胸元の感触が脳にリアルに伝わる。

固さとか・・・

厚さとか・・・

弾力感とか・・・

体温のぬくもり・・・

指先に伝わり心を刺激する。

何度も直接触れ合ったはずなのに、その感触よりときめいてしまってる。

「心配させちまったな」

見上げた先の唇がやけに艶めかしく見えてしまう。

唇の感覚を確かめるように自分からキスしてしまってた。

この先は♪

いきなり朝ってのもありだよな・・・ ← 思ってるのは私だけ?

                    司にどつかれる♪

 

-From 2 -

柔らかい唇の感覚。

牧野からキスしてくるなんて久しぶりだ。

それだけで喜優する心。

情けないくらいに舞い上がってる。

いつも俺がいきなり抱き付いて、キスして、押し倒す!3テンポ

これもしばらくスゲなくしていた成果か?

それなら俺も我慢した甲斐があるというものだ。

回してた腕に力を込めて牧野を抱きしめる。

反応する様に牧野が眉を寄せてしかめる表情を作った。

「あッ・・・ごめん」

離れそうになった唇を逃がさないように頭ごと抱きしめる。

苦しそうに漏れる息。

すべてを呑み込むように舌をからめる。

狂おしいくらいに愛しい想い。

伝わる様に・・・

離れないように・・・

合わせる肌。

この温もりが恋しかったと心が叫ぶ。

「自分から始めといて今さらやめんなッ」

余裕気味に牧野を抱き上げてベットに寝かせた。

身体の重みでスプリングが緩く跳ねる。

唇に・・・

頬に・・・

首筋に・・・

胸に・・・

すべてに跡を残す様に唇を滑らせる。

「ど・・・みょ・・じ・・ッ」

「こんな・・・ことしてる・・場合じゃ・・・ない」

とぎれとぎれに発する言葉には本能を押しとどめる力はない。

俺を押しのけようとする腕にも全く力がいってないッーのに。

「このドレスすぐに脱がせそうだ」

背中のファスナーを下ろして露わになる白い肌。

甘いキスも・・・

優しい愛撫も・・・

愛しいと思う気持ちも・・・

すべてお前だけのもの。

この指先で・・・

舌で・・・

呼吸で・・

一つ一つ本能をむき出しにする様に攻め立てる。

身体をすべて、ひとつ残らずからめとる様に・・・。

俺の愛撫に耐えながら喉を鳴らして息をのみ込み唇を震わせる。

何か言おうとして何も言えずに結局首を横に振っただけだった。

まるで離れるのが嫌だとでも言うように。

そして・・・

俺の背中にしがみつく。

何もかも忘れて今は、お前の中でおぼれていたい・・・。

あーーーーッ

今日はなぜか頭の中がピンク一色になりそうです。

もうっ本当は『あくる朝』にするはずだったんですが・・・

似た様な場面でも文章が違えば・・・

ということでお楽しみいただけたらと思います。

拍手コメント返礼

sako様

早速の拍手ありがとうございます。

UP後すぐの拍手はうれしいものです。

最終確認の最中でしたでしたが・・・(^_^;)

しずか様

久しぶりですからね。

こんなときは強引な司がいいと私も思います。

甘イチャ頑張ってますよ♪

美優様

どつかれたくないので朝に直行はやめました。

つくし編ですか?

いずれまたの機会に♪

マリエ様

勿体ないって・・・(^_^;)

いわれたらりゃ・・・そりゃ頑張ったす。

しずか様

甘イチャ賛同で勇気100倍

脱線しないようにお守りください(笑)

司に言いよる女はコテンパンにやってもらいましょう!

F4に~

yukko 様

一気読みお疲れさまです。

私としては嬉しですが、無理なさらないでご愛読いただけたらと思います。

読破の報告を楽しみに御待ちしております。