木漏れ日の下で 10

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-From 1 -

何の迷いもなく力強く私を抱きしめる。

「・・・見られてるんだけど・・・」

「ヒャッ」

抱きしめる腕がズンと強くなる。

「ヤダ!!」

「暴れんな」

「ヤナものはヤダ!」

「ギャーーーーッ」

肩に乗せられるように抱きかかえられる。

「ホントに離せッ!」

そのまま一番近いホテルって・・・

ホントにヤダーーーーーーーッ。

手足をバタつかせても全く動じない強硬な男。

ホテルの自動ドアをくぐったあたりで私の恥ずかしさは最高潮に達して反撃を諦めた。

誰にとがめられることなく通された一室。

部屋に踏み入れた先のベットに放りだされた。

ギシッときしむベットの上でじっとり私を見下ろしてる鋭い視線。

まだ不機嫌さをのぞかせている。

「脱げっ!」

脱げって・・・

これか・・・

履いたままのパンプスを足を使って床に落とす。

「クツじゃねェよ」

睨んだままの顔が鼻先に迫る。

そして伸びてきた指先は私の上着のボタンに触れた。

「脱げって・・・服?」

「当たり前だろうがぁ」

「身体で確かめる方が確実だろが」

確かめるって・・・。

獲物を追いつめて皮を剥がしにかかる牙が迫るような気迫。

半身を何とか起こした私の目の前には会いたかった顔が迫る。

威圧的な強制的な態度で・・・。

「・・・何よ!今までほっといてたくせに!?」

負けじと目を吊り上げる。

「ほっとかれたのは俺だろうがっ」

「わざわざ会いに行った時も全く未練なさそうに手を振りやがって」

「俺のプライドは結構傷ついた」

「少しいじめてやろうとわざと無視して、あんな写真も送ったのに・・・」

「焦って電話で問い詰めて嫉妬するとかねぇのか、おまえは!」

「電話はしたけど・・・」

寝起きを起こされて相当不機嫌な返事してたじゃんとはいえそうもない不機嫌さ。

凄む雰囲気はビビるには十分で・・・。

ごくりと唾と一緒に言葉を飲み込んだ。

道明寺の言いぶんでは私が悪者じゃないか。

恋しくて・・・

恋しくて・・・

愛しくて・・・

別れたくない気持ちを押し込めて手を振ったのにそれが道明寺には気にくわなかったのか?

嫉妬はしてたよ。

うまく表現できなかっただけ。

どうすればよかった?

今の私は悩む様に顔をしかめてるに違いない。

「あんな俺がいなくても楽しんでるみたいな写真送ってきやがって」

「お仕置きが必要だろうがぁ」

道明寺の腕が私を引き起こす様に動いて囚われる。

脱がされた服が視線の先で床に放り投げられるのが確認できる。

まるで邪魔ものを排除している感で道明寺の指先が動く。

抵抗する間もなく下着姿にされてしまってた。

道明寺の膝の上に座らせた格好で背中越しに感じる道明寺の温もり。

それは下着の上からもあったかくて優しく私を包んでいるのに、反比例する様な意地悪な指の動き。

素肌を彷徨いながら確実に弱い部分を捉えて刺激する。

首筋に寄せられた唇は肌に吸いつくとすぐに居場所を変えた。

わざと敏感な部分だけを探して刺激を繰り返している。

「・・・一方的・・・だよ・・・」

「私だけが・・・悪者みたい・・・だ。」

口から出る声の合間から洩れる吐息。

ようやく掴んだ道明寺の腕の動きを止める様に指先に力を込めた。

「私だって・・・道明寺のこと・・・いろいろ考えてたのに・・・」

会いたくて・・・

抱きしめてほしかった思いはウソじゃない。

「ったく」

道明寺が私から突然身体を離した。

「じゃ、やめるか?」

「お前が続けたかったら続けてやるけど」

「抱きしめてやるだけで満足ならそれでいい」

「どうするかさっさと決めろ」

私を一人にして無視するようにベットの上に道明寺が寝転んだ。

さっきまでの身体の熱さが一瞬で引いて行く。

取り残された様な思い。

道明寺の熱をつなぎとめたい感情。

消すのは無理だと身体と心が叫んでる。

「・・・だけじゃヤダ・・・」

「あっ?」

意地悪にじっと道明寺が見つめてる。

それだけで身体の奥から熱が込み上がる。

「それだけじゃ・・・ヤダ」

「抱き締めてほしいし・・・」

「ずっと会いたかたんだもん」

「道明寺を感じられなきゃいやだ」

いいながら涙が出てきた。

意地悪だ。

すごく意地悪な道明寺。

それがわかっていても抱いてほしい気持ちは止めようがなくって・・・

自分から道明寺に抱き付いていた。

道明寺の腕が強く私の背中を抱きしめる。

「やっと言ったな」

「分かったか、俺のありがたみ」

耳元に響く優しい声。

ゆっくりと髪の毛を梳く仕草に道明寺の手のひらが頭をなでる。

まるで愛しむ様な指の動き。

コクンと何度もうなずいて道明寺の胸元に顔を埋めんだ。

「本当はやっぱりしないって言われたらどうしようと思っていた」

「えっ?」

首をもたげた先で道明寺がクスッ笑顔になった。

「それはないと思う」

熱くなる顔を向けたまんまつぶやく。

こんな自分・・・

道明寺に抱かれるまで知らなくて・・・

声を聞くだけで・・・

抱きしめられるだけで・・・

触れられるだけで・・・

熱くなる

きっと私をこんなにさせるのは道明寺意外にはいなくって・・・。

道明寺だけが私をおかしくさせる唯一の存在なんだから・・・。

もっと優しく接してほしいのに・・・。

「道明寺意外には考えられないんだから」

離れないようにもう一度道明寺の胸の中へ頬を寄せる。

「当たり前だろう。いつもお前がおれなしじゃいられない様に抱いてんだけど」

身体を入れ替える様にクルッと返される身体。

自信たっぷりにつぶやいた唇が私の唇を塞いだ。

今年最後?の甘アマは絶対つくしチャンが言わない様な状況を想像して書いてみました。

この後はきっと・・・

もうPWはかけないぞ!

拍手コメント返礼

sako様

朝一の拍手ありがとうございます。

来年もよろしく♪

b-moka

ここ最近こんな調子で熱に浮かされ気味でしょうか?

大丈夫か!

ままなめこ

正解です♪

このセリフを司に言わせてみたい。

有るんですよね。

もともと俺様的なつながりがあるとうまく使いまわしが出来るし。

これぞ二次の面白さのコラボ♪

時々使わせてもらってます。