大人になるために 4

祝!つくし成人式のお話の第4弾です。

どんな成人式になるのか・・・

皆様の期待がひしひしと伝わってきて・・・

どんな風に進めていこうか思案中。

さっさと成人式につくしチャンを参加させればよかったと後悔中であります。

 *

「どうなると思う?」

「成人式か?」

「司が暴れだす一歩手前までだろう」

総二郎とあきらは二人で顔を見合わせてニンマリとなる。

「この前の牧野の誕生日の時も最後まで邪魔して司はいじけてたもんな」

顎をさすりながらあきらはほんの数日前の出来事を浮かべる。

「牧野は酔っぱらって類に抱きついて、司はこめかみピクピクで、血管切れるんじゃねえかと本気で心配したぞ」

誕生日にお前ら来るなッてクッション振り回してあばれてた司を思い出して、「椅子じゃないだけまだましだ」と総二郎がぼそっとつぶやく。

まったくだと相槌を打つようにあきらが「ククッ」と小さく笑い声を上げた。

手がつけられないほど暴れていた司が牧野に飼いならされて、おとなしくなったと自覚して数年。

司が扱いやすくなったと牧野には感謝してる者がどれだけいることだろう。

単純な司は牧野といるとますます単純になるとつくづく実感させられる。

それとは別に、今までのうっぷんをここで晴らせねえとなという司に対する悪戯な気分が二人を盛り上げていた。

「なんか初々しいよな」

「牧野が!」

二人で人差し指を同時に差し合って上がる笑い声。

「司はたまんねえだろうなぁ」

真顔になったあきらがつぶやく。

「あの二人、まだ・・・次・・・やってねぇよな?」

「総二郎、それ露骨だぞ」

非難気味な気持ちなど全くこもっていないあきらの声が響く。

「数か月お預けくらってる状態って発狂寸前じゃねーの?」

「折角部屋まで牧野を連れ込んだのに逃げられちまってるもんな」

「司クンお兄さんは君がかわいそうでたまらない」

目元をつまんで芝居がかったあきらに総二郎が苦笑する。

司が止めるのを振り切って突風の様に走り去ったつくしの後ろ姿を笑いをこらえながら見送った二人だ。

この後どんなとばっちりを受けるかわからないと挨拶もそこそこに司の屋敷を後にしていた。

「だから俺達次第って状況だよな」

あきらの思案気な顔がニンマリとなった。

「類にも連絡とらないとな?」

「興味示さねぇかもよ」

「牧野の成人式の祝いって言えば来るんじゃねぇ?」

「式場にか?」

「牧野の滅多に見れねぇ振り袖姿も拝めるだろうし・・・」

そんなこと俺達が思ってるって知ったら司の顔色が変わるだろうけどな。

そのくらいの楽しみは分けてもらいたいと思っている二人だ。

俺らの成人式って何してた?

それどころは20歳の誕生日の祝いで盛り上がった記憶しかない。

一般の成人式が何するのかわかんないよなと二人で顔を見合わせる。

酒も女も10代で解禁してれば成人の意味ねーよなとの思いも浮かぶ。

「なあ?成人式の意味ってなんなの?」

「まあ一種の区切りみてーなもんじゃねーの?」

「必要あるのか?」

「牧野には必要あるんじゃねぇ?」

「司にも必要あんじゃねーの?別な意味での大人への脱皮」

こんなに楽しみな成人式ってねぇかもしんねーーーーーッ。

総二郎君、あきらくん、お手柔らかに♪

いや派手にやってください!

どちらでいきましょうか?

つくしの誕生日で司がいじけたお話は『Birthday(tukusi 5)』につながっています。

拍手コメント返礼

さっちき様

やっぱり静かな感じには終わらないですよね(^_^;)

どうなるのだろう・・・