大人になるために おまけのおまけ

おまけで終ろうと思っていました。

なのになぜこんなお話?

けい様の『今回は出番の少なかったF3が今この時!司につてい語り合う(肴にしてる?)楽しい語らいを…ぜひ聴いてみたいなぁ~。』

とのコメント(リクエスト?)を受けてどんな肴にするのやら~と遊び心で一つ小話を~

お楽しみいただけたら嬉しいなぁ。

 *

「結局俺ら何した?」

「何もしてないよな・・・」

あきらの問いに答えようがない結果の俺達。

「牧野の振袖姿見れたから良かったじゃん」

牧野の振袖姿に見惚れるのは司と類、お前たちだけだと俺は思う。

思ったよりは可愛かったとは言える。

色気は相変わらずねぇけどな。

牧野が車を飛び出て、優紀ちゃん見付けて俺達から離れた。

あれは絶対逃げたと俺は思う。

会場の入口に立つ警備員を無視して突っ込む司をフォローしながら3人で追いかけた。

責任者らしき人物に話を付けるのは、ものの数分もかかんなかったのは道明寺の財力!威力!っーやつだ。

俺達が詳しく説明する前にその責任者顔面蒼白気味で誰も邪魔するなみたいに体を張ってたもんな。

フロアーで取り囲まれてる牧野。

俺らの知らない男とにこやかに雑談中。

司の背中からピリピリと電流が放出されてるのが分かる。

あぶねぇ~

あの男が牧野にちょっとでも近づけば完全に感電死させられそうだ。

「こいつに何か用か」

たったそれだけで会場全体が凍りつく。

「どっど・・うみょうじ!なんでもないから」

焦り気味に震える声。

きっと・・・

暴れないで~と牧野は思ってるところだろう。

俺らも万が一のために司にとびっかかる準備をする。

久しぶりだぞ!この態勢。

「こいつに用があるなら俺を通せ」

「成人式のお祝いと同窓会に誘っただけです」

「不参加ではがきを出したよな」

「受け取りました」

「それでいいだろう」

「ちょっと待って」

「なんで道明寺が同窓会のはがきのこと知ってんのよ!」

ピリッとした声に復活した牧野。

いつものケンカが始まった。

結果がロケット発射みたいに牧野の頭突き。

成人式で頭突きするやついねぇよな。

「振袖のまま司に頭突きの牧野!今度いつ見れっかな」

そのほうがパフォーマンスとしては面白い。

無理やり車に牧野を押し込んで連れ去った司。

これ以上付き合うのもアホらしくなった俺ら。

司と牧野を見送って3人でグラスを傾け合う午後のひと時。

「ところであの後、司のやつしっかりやれてるのかな」

「着物を脱がすのそう簡単には行かねえと思うぞ」

「司・・・帯が解けずに引きちぎってるかもッ」

「「あり得る~」」

想像したら笑いが止まんなくなった。

今度は頭突きだけじゃ済まないよな。

「司、くるくると牧野を回して帯を解くのやりたいんだった」

のんびりとした口調の類。

帯?クルクル?

「時代劇の・・か?」

思わず目が点になった。

普通、自然には無理だぞ。

牧野が演技して自分でクルクル回らなきゃ。

それができたらあんがい牧野もその気だってことだよな?

ありえねぇーーーーーーッ。

「そう言うことなら牧野に教えておけば良かったな」

「教えるってなにを?」

「あの振袖1000万はするぞ」

そう教えれば牧野もおとなしく着物が破れそうな抵抗はしないと思う。

「今から牧野に電話してやるか?」

あきらがすぐに携帯をとりだす。

「でねぇなぁ」

あきらが携帯を俺にポンと投げた。

「もしもし」

絶え絶えの息の中から聞こえる声。

「牧野、振袖大丈夫か?」

「へっ?な・・・」

「その振袖大事にしろよ、1000万はするぞ」

「・・・・」

「もう・・半分・・・脱がされた・・・」

意識消失気味に小さくなる声。

「ギャー、道明寺!引っ張んないでよ」

「近づくなッ!」

ビリッ!

何かが破れた音が響く。

携帯の向こうから聞こえる慌ただしさ。

携帯を切ってあきらに投げ返す。

間に合わなかったみたいだ。

結局、つくしチャンと司クンどうなったんだ?